GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

やまがた屋がなくなる

2020-07-14 16:51:02 | Talk is Cheap

やまがた屋がなくなるというニュースが飛び込んできた。

なんだそれは?ラーメン屋か?老舗旅館か?山形県物産品店か?って、知らない人の方が多いだろう。

京都府民及び近隣の大阪府民と兵庫県民以外はほぼ知らないであろう。

この店を知っているのは1980年から1990年代にかけて、車やバイクで若狭の海に行ってた人か、それ以外はトラックドライバーか地元民くらいだろう。

 

この店の正式名称は『丹波の里やまがた屋』。京都府京丹波、国道9号と国道27号が交差する場所にあるドライブイン。

大型ドライブインで、駐車場も広い。夜も出入り自由。店は閉まってるけど自動販売機とトイレは使えるのさ。

俺たちの海へ向かう道中の休憩場所であり、はぐれた時の合流ポイントだった。

 

そのやまがた屋が11月に閉店するらしい。

ショックだ。

 

夏といえば海。

海には毎年必ずといっていいほど行っていた。

若者にとって海こそ青春だ。泳げる奴でもカナヅチでも、男も女も出会いを求めて海に繰り出す。日焼けは肌に悪いだの美白だのとか言い出すのはもう少し先だ。紫外線がぁ〜なんてつべこべ言わず、みんな真っ黒。みんなで海に繰り出してた。

須磨は当時汚いとか狭いとか人が多いとか女子に不人気だった。マーブルビーチ(ピチピチビーチ)も二色の浜も近場は不人気ね。

白浜は遠いのよ。距離的には若狭に行くのとは変わらんのだけどね。道路混むのよ。昔は下道しかなかったしね。最近じゃ高速できて、おかげで早く行けるけどね。

で、若狭の海に毎回行くのさ。

 

海に行く。

お気に入りの曲をカセットに入れて、夜中に出発する。

「アクセルふかしてKeep On Truck'n』

ユーミンの曲じゃないけど、カーステレオガンガン鳴らして夜の街を抜けて海を目指すのだ。(BGMはサザンでも山下達郎でも大瀧詠一でも松田聖子でも洋楽でもなんでもいい)

 

俺たちの地区から若狭の海を目指すルート。by 80's.

80年代の海へのルートは、西国街道を大山崎から長岡京、そして洛西ニュータウンを抜けて国道9号を左折(まっすぐ行くと嵐山方面ね)し亀岡方面へ。

ひたすらくねくね曲がった山道を走る。しばらくすると後部座席の声は静かになるのはお約束(酔うのだ)。

亀岡を抜けさらに暗い山道9号線をひたすら走る。ちょっと慣れてみんな復活!車走らせて約2時間ちょい、ようやく中間地点(正確には違うけど)が見えて来る。

それがやまがた屋だ。

 

缶コーヒを買ったりトイレ行ったり、合流した他の車の奴らと喋ったり、しばしの休憩。

駐車場は広いけど、ヤンキー車かトラックばっかってかんじ。当たり前か、こんな真夜中車走らせてるのはそんなんだけだ。

でも、不思議と揉め事はなかったなぁ。一度もここでトラブルに出会ったことないや。

 

そして再度車に乗り込み、今度は27号線を舞鶴方面へ向かう。そろそろ白み始めた空。27号線と178号線の分岐を右の27号線へさらに車を走らす。

舞鶴で、左の178号に行けば神崎という穴場や宮津・天橋立方面、さらに足を伸ばせば琴引浜や久美浜だ。

でも俺は右折。27号線をひたすら走る。

若狭は和田高浜が一番手前で広くてきれいな浜だ。舞鶴(京都府)抜けたらもう福井県だ。そして小浜、美浜。きれいな浜も多いのだが、原子力発電所もいっぱいあるのだ。

キヨシローのSummer Time Blues聞くたびに若狭を思い出す。

『暑い夏がそこまで来てる みんなで海に繰り出して行く

人気のないところで泳いだら 原子力発電所が建っていた』

 

で、ビーチに着いたらもう朝だ。

パラソル立ててシートやチェアーをセッティングして、クーラーボックスからガンガンに冷えた缶コーヒー(このころはまだビールじゃない)。あとは太陽が昇るのを待つだけだ。遊ぶなり寝るなり佇むなりご自由に。

海の家で食うカップラーメンってなんであんなに美味しんだろう。かき氷なんてバイトが削ってるのにな、美味いのよ。

 

帰りは混む前に帰ろうとかなんとかいいながら、結局3時か4時ごろになる。27号線を戻りながら帰りは下道からか高速乗るかを考える。日に焼けた素肌に風が気持ちいい。

下道もいいけど疲れるな。福知山とか綾部、丹波で花火大会ある日と重なった日には大渋滞だ。

帰りは西舞鶴から高速道路で帰るのを選択。その前に手前の魚屋(本当は何屋だったのかよく知らない)でイワシのすり身やアジの天ぷらとか買わなくちゃな。それ食いながら高速に乗る。

まぁ中国道と合流して名塩あたりで大渋滞に巻き込まれるんだけどね。

後部座席は爆睡中。豊中あたりまでノロノロと。眠気と戦いながら中央環状から万博抜けて、さぁ帰ってきたぞ。日焼けした肌が痛いぞ。

これが毎回のパターンだった。

 

それが、まず京都縦貫道ができた。

洛西から9号線に入ればすぐ京都縦貫道の入り口(沓掛?)になった。もう亀岡あたりまでのくねくね曲がった山道を走らなくていい。まっすぐだ。快適だ。

でも、まだ丹波までしか伸びてなかった。ここで降りて9号線。すぐやまがた屋だ。相変わらず利用させていただいてたよ。ラリーのチェックポイントみたいなもんね。

 

綾部-宮津が先にできて舞鶴道と合流したが、丹波から綾部まではしばらく繋がってなかった。一部の話ではここの土地を持ってる地主が売るのを渋ってるから工事が遅れてるとかいうデマか噂が流れてた。

2000年までは、だから若狭や舞鶴(ツレや知り合いが住んでた)に行く時は必ずと言っていいほどやまがた屋は利用させていただいた。

他にもドライブインや道の駅みたいなのあったのに不思議。利用しやすいのよ。なんか安心感あるしね。

 

それが大山崎に名神高速道路のインターチェンジができ、そこから名神に乗れば中国道ー舞鶴道と一気に海に行けるようになった。かなりぐるっと遠回りだけどね、当時の家から大山崎のインターまではすぐだったし、信号の数もしれてるし、夜ならほぼノンストップでインターチェンジだ。

この名神〜舞鶴道のルートで行くと、必然的にやまがた屋には寄らない。寄れない。4-5時間くらいかけて行ってた若狭が2時間ちょっとでノンストップで行けるんだもん。わざわざ途中で降りたりはしない。

 

さらに舞鶴道は西舞鶴までだったのが敦賀まで伸びた。あれ?輪島だったけ。今はもう石川富山新潟の方まで繋がってるんじゃないかな。

いつも行ってた和田(高浜)あたりの山中にもインターチェンジができた。高速降りたらすぐ海だ。

 

京都縦貫道のルートも丹波ー綾部が繋がった。これで舞鶴道とも綾部JCTで繋がった。

さらに大山崎JCTと京都縦貫道がつながった。これこそ縦横無尽ってやつだな。

これのおかげで家から海までホントあっという間になった。

 

久しぶりに下道から帰ろうって走ってみたら、街道沿いでいろんな店が潰れてるのよね。

ラブホテル、ガソリンスタンド、食堂、喫茶店、土産物屋・・・。

そりゃ、みんなが高速道路(上)を使えば国道(下)沿いの店なんて利用客は減るもんな。西舞鶴インター手前の魚屋も知らない間に潰れて無くなってたよ。

なんか街道沿いや山の中で朽ち果てたまま、解体もされずに残されてるのを見ると虚しくなる。寂しくなる。

 

やまがた屋も同じく、そんな時代の波によって閉店するのだろうな。

そういう俺ももうここ最近は全く行っていない。ごめん。

っていうか長年利用してたけど、俺、利益にはほとんど貢献してない。缶コーヒーくらいだもんな。大体、中の店が空いてる時間にほぼ行っていないもん。

何度か昼間(夕方)に寄ったこともあるが、あまりの賑わいで驚いたことがある。フードコーナーや土産もんや、ミスタードーナッツまであったような気がする。

 

駐車場も家族連れの車や大型バス、観光バスなんかが停まっていっぱいだった。

でも、京都縦貫道のせいで、トラックや観光バスが寄らなくなったんだろうな。丹波の松茸や栗とか枝豆、福井にカニ食いに行くのも、天橋立へ行くのもズキュンと高速で一気に行けちゃうもんな。

 

それに若い奴は今、海に行かない。そもそも車も持ってない。

聞くところによると、今はやりの道の駅とやらも付近にできてたらしい。新型コロナによる自粛も影響してるのだろうか。

 

やまがた屋閉店。

ちょっと悲しい。

よく鉄道ファンが廃線になったりすると最終日とかに集まって、写真バシバシ撮ったり「ありがとう」とか言ってたり、インタビューされて「残念です」なんて答えてるのを傍観しつつ、「そんなに悲しがるのならこれまでもっと利用してあげてろよ」なんて思っていた。

ごめん。

今は、ちょっとだけ気持ちわかる。

 


Go To トラベル 焦ってやるとろくなことない

2020-07-14 03:26:21 | Talk is Cheap

Go To キャンペーン。

新型コロナウイルスによる景気後退を打破すべく、政府が経済活動の再開を加速させている。

緊急事態宣言はなんだったんだってくらい、急ぎすぎ。

大規模なイベントの緩和とかね。コンサートとか野球場とかね。待ちわびたファンはたまらんだろうけど、またそれでクラスターが出たりしてる。大丈夫か?

 

そして経済産業省一押しなのが、旅行に行こう(行け)キャンペーン。Go To トラベルだ。

 

そうするならな定額給付金の受け取りを、旅行券とかレジャー券でももらえるとかってしとけばよかったのにって思う。

生活費や貯金に回されるより経済活動に、消費に回してねっていうのなら、手っ取り早いのはレジャーや旅行での消費だろう。

現金なら10万円だけど、旅行券(交通費や宿泊費に使える)とかレジャー券(遊戯施設や映画館・イベント会場で使える)で受け取るなら12万円分になるとかね。まぁ、もちろんどこでどうやって申し込むねんとか、引き換えるのはどないすんねんって問題はあるのだが、そりゃ、どれでも一緒だろ。

 

名付けて新型コロナ還元商品券。

使用できるのは協賛してる会社や施設・店舗、イベントならどれでもどこでもって感じでね。以前のプレミアム商品券とか地域振興券の全国版ね。

そうすりゃ、このコロナ第二派の今にGoToがどうしたとか、クラスターが発生してるのにイベント開催はどうだとか議論されずに済んだんだ。1年間有効でいつでも使えるってしておけばね。使う人の自己判断、自己責任だ。

 

それを8月上旬からの予定を前倒しにしてやる意味があるのかないのか。

慌てて焦って先走っても、結局、経済は元に戻るどころか、自粛への逆戻り。堂々巡りよ。

 

そもそも日本って観光大国ではない。

ハワイやマカオのように観光収入で成り立ってるわけでもないし、スペインのバルセロナやオランダ・アムステルダムとかのように受け入れる体制が整ってるわけでもない。

 

それを昨年は4000万人も来た。インバウンドだぁ、東京五輪2020も控えてる。来年はもっと来るぞ、こさせるぞって息巻いてた。何を浮かれてたんだか。

 

ホテルが足りないぞ。どんどん作っちゃえ。経済活性にもなる。まるでバブル時のように。

民泊?多少グレーだけど許可しよう。泊まるとこ足りないんだからね。近隣住民のトラブル?国際化、グローバル化だよワハハハ。

案内板も数カ国語で表示。これがおもてなしってやつだ。どこもかしこも外国語だらけ、外人だらけ。国際化、グローバル化だよワハハハ。

年間5000万人が訪れる京都をはじめ、鎌倉や富士山、人気観光地はどこもオーバーツーリズムで悩まされた。国際化、グローバル化だよワハハハ・・・。

マナーの悪さ、風習や慣習の違い・・・。国際化、グローバルだよ・・・。

看板や案内は外国語だらけ、メニューも土産も外国人向け、値段もね。これが国際化・・。

 

日本の人気観光地には、日本人は寄り付かないようになった。行かなくなった。風情も情緒もあったもんじゃない。どこもかしこももはや外国人に乗っ取られたようだ。それなら海外旅行に行ったほうがいい。

 

これが2019年の末までの話。

いろんな問題には目をつむったまま、インバウンドの名目を武器に経済優先したまま2020年に突入。

 

さぁ来年は東京五輪でさらなる観光客増だ、インバウンドだ、とらぬ狸の皮算用な経済効果数値。

東京五輪のおかげで(せいで)各地の祭りやイベントが中止になった。理由は警備員の確保が難しいから。施設は閉鎖、道路もその時は五輪優先。

たかがスポーツの祭典なのに、首都機能を閉鎖し、休みまで変え、各地イベントを潰してまでやろうとしてた。

 

年が明けて(開ける前から不穏だったけど)韓国との仲が悪くなった。

レーダー照射、竹島問題、慰安婦問題、徴用工問題、輸出規制問題、放射能汚染食物問題、GOSMIA破棄問題・・・。まぁ、これでもかってくらい反日、反安倍、不買運動。

そして韓国からは来なくなった、行かなくなった。

韓国の旅行業界、航空会社はこのあと大打撃を受けるのだが・・・、まぁそれは別問題。

日本観光業界は打撃受けたかって?ドラッグストアと化粧品くらいと違うかな。だって韓国人旅行者ってそんなにお金落とさないしね。韓国人がケチとかではなく、ちょっと買い物、ぶらっと日本へって感覚で来てたでしょ(日本人の韓国旅行もよく似たもんだ)。決してフロリダとかモルディヴとか優雅な休暇・リゾート気分では来てないから。

 

日本はこう思った。韓国が来なくてもそうダメージはない、まだ中国様がいるから大丈夫、と。

 

1月末、中国・武漢で新型のコロナウイルスが発見、一気に患者が増えた。中国は武漢を閉鎖した。海外へ出ることも海外から来ることも禁止した。

アメリカは中国からの入国をすぐにシャットアウトした。WHOは怒った。けしからんと。

日本も習近平の来日を断念した後、ようやく中華圏からの来日をシャットアウト。WHOはまた怒った。

これでアジア圏からの訪日観光客頼みの旅行業界は大ダメージを受ける。

 

韓国からの訪日も断った。馬鹿にされたとムキになって怒ってこっちもお断りだと報復された。好きにしてくれ。どうせこのあと世界ほとんどの国からお互い入国出国禁止令が出されるのだから。

日本に新型コロナ感染者が増え始めた頃、日本はまだしぶとく海外へ行くことも、海外からの来訪もストップしていなかった。旅行業界を守るためなのか経済への影響を考えたのか。

これが裏目にでる。

卒業旅行で海外(特にヨーロッパ)へ行って、戻ってきた人が感染してた。

一気に日本の感染者数は増えてった。

世界各国からの受け入れを拒否する前に日本人が世界中から拒否された。世界各国で一番使えるパスポートなのに・・・、どこの国も日本からの来訪はご勘弁をと。

 

ますます旅行業界、観光業はダメージを受ける。

最後の頼みの綱は東京五輪2020。

それでも日本はまだ東京五輪やるつもりだった。やらざるをえなかったと言った方が正しいかもしれん。JOCもIOCも往生際が悪かったが、小池さんも森も、中止を自らは言い出せなかった。報復が怖いもんね。

 

春の甲子園が中止になった。夏の甲子園予選も中止になった。

国体やインターハイ、スポーツ競技の大会が軒並み中止になった。

そしてようやく東京オリンピック2020の延期が発表された。中止じゃなくて延期というところがミソだが、ここではあえてツッコまない。

 

そしてついに緊急事態宣言が出された。

前後してレジャーランドは軒並み休みになった。大型レジャー施設も休館、映画館も休館、コンサート会場も自粛、イベントも中止や延期になった。

不要不急の外出はするな。

家でおとなしくしておけ。

他県をまたいで移動をするな。

来るな、行くな。家でじっとしておけ。

STAY HOME。

 

春の行楽も、ゴールデンウイークもどこかへ吹っ飛んだ。

観光業界は泣きっ面に蜂状態。お手上げ。閑古鳥。

 

その間にどんどん各地の花火大会やイベント中止が発表された。

ねぶた祭り、祇園祭、阿波踊り、どんたく、だんじり・・・。規模を縮小したり中止になったり。

各地の例年恒例の花火大会も季節行事も中止や縮小。イベントも当然自粛ね。大文字焼きも一部しか点灯しないという荒技をするみたいだ。

 

 

で、ようやく緊急事態宣言解除された。

徐々に街に人が戻りだした。うんざりする満員電車も復活し始めた。

なのに、さぁ、旅行に行ってくれ。

「Go To トラベルだ」「還元するぞ」

って言われてもなぁ。まだ休めと・・・?

行くか?行けるか?

 

新しい生活様式とか言って、ほったらかしの政策にしたら、また感染者が増えだした。どんどん増えだした。危機感の薄れと比例してる。

飲み屋街にも人が戻りはじめた。感染者が増えだした。

濃厚接触サービスを提供する店でも増えだした。

危機感がないのか?

一番危機感がないのが経済産業相であることは間違いない。あ、総務省もだね。

 

大雨で九州熊本や大分がえらいことになっている。

全国各地雨模様。梅雨が長引いてる。っていうかこれ梅雨なのか?

あちこちで揺れている。火山も噴火の兆候見せている。

通天閣は黄色の信号を灯してしまった。小池知事は意地でも緊急事態宣言出さないつもりなのかしら。

 

こんな状態で、Go To キャンペーン?

修学旅行もできないのに。

笑わせてくれるぜ。

 

もう少しだけ我慢してもらってくれ。

キャンペーンに予算組むより、その金を直接観光業に補償や補填して、なんとかもたせてあげてくれ。

まだ、新型コロナウイルスの脅威は終わったわけでもワクチンが出来たわけでもないのだから。

志村けんさんや岡江久美子さんが死んだ時の悲しみをもう忘れたのか。

 

今「国内旅行をしましょう」「Go To トラベル」なんて言っても無駄だ。

もうちょと待て。

どうせ海も開いてないし、山小屋も閉鎖してる。

花火大会も中止だ。イベントもやってない。そもそも人混みは危険だ。

 

Go To トラベルがトラブルの元にならなきゃいいが。

Go To Heavenはご勘弁を。