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MIU404 3話目で野木亜紀子の本領発揮

2020-07-11 21:56:08 | MUSIC/TV/MOVIE

綾野剛と星野源がW主演してる警察バディもの、MIU404。

初回を観て「これは期待できるぞ」「面白いぞ」と絶賛した。

 

そして2話目(7/3放送)を観る。

めっちゃガッカリ。

1話目で絶賛したカーチェイスシーンは無かった。昔の刑事ドラマの定番だった派手なカーアクションが1話目では描かれてたので期待したのだが・・・。

 

1話目で車がクラッシュしてしまったからか、2話目で二人が乗るのは2tトラック。宅配便か?ってくらいのサイズで、しかも「まるごとメロンパン号」とボディに書かれた移動パン屋車。美味しそうだけどね。これではカーチェスは無理だ。

ハイスピードでスピンターン決めただけで転倒するような車では、カーチェイスはないんだろうなぁと思ってたら、案の定無かった。

 

二人が巡回中に「殺人事件が発生し犯人が逃走中」と無線が入る。犯人は人質を取って車で逃走したという情報で、綾野剛は先ほど横に並んだ車が気になると言う。犯人の特徴であるグリーンの服が後部座席からチラッと見えたと。

うーん、第1話ではサイボーグ003(フランソワーズ)ばりの聴力を発揮した綾野剛。並走する車の会話が聞き取れるのかと思ったら、今回は透視力か?さらに彼は足が速いから009(ジョー)のように加速装置も付いているのかもしれない。そのうち002のように飛んだり006のように火を吹いたりするかもしれん。それでも驚かん。

 

そして事件は悲しい結末(後味悪い結末)を迎える。

考えさせる内容で、それはそれで「まぁ、刑事ドラマだよね」って感じなのだが、俺が期待してたのと違うなぁ。

綾野剛は今回は走らない。いや、ちょっとは走ってるけどさ。第1話で「往年の刑事ドラマのようだ」と絶賛した走りは今回無し。

刑事ドラマの醍醐味は、犯人追跡の際カーチェイスか刑事が走るシーンだ。柵やガードレール飛び越えてね。そして銃撃戦と逮捕時のアクションなんだけどな。どれも無かった。人情話だった。

第1話のタイトルが『激突』って2文字の漢字だったから、あぶない刑事のようにこのまま続くのかと思いきや第2話のタイトルは『切なる願い』だったからなぁ。

コレジャナイ感でいっぱいだ。まぁ、俺が勝手に期待してただけだけど。

 

で、第2話の犯人役が松下洸平。

下手なんだ、これがまた。棒演技。

この人って役者さん?よく知らないのだが、脅すセリフ、隠れる仕草、こけるシーン、語るシーン、全て「なんじゃこりゃ」って感じ。人質になった鶴見辰吾がうますぎるから余計かもしれないが。(ファンの方が見てたらゴメンやで)

 

第2話がヒューマンドラマで期待外れだったから、第3話はどうしようかな?もう見なくてもいいかなって思ったけど、いや、面白いかもしれんと思って観た。

第3話にはこのドラマの脚本を書いてる野木亜紀子さんのヒット作、アンナチュラル(石原さとみ主演)で刑事役だった大倉孝二と吉田ウーロン太が、そのまま同じ役でMIU404に出るという情報もあったからね。俺はこんな番組枠超えたミクスチャー好きなのよ。

 

観て正解だった。っていうより、この回を見逃したらダメだった。

危ないところだった。この回を見てなかったら今後の話はチンプンカンプンでわからなかっただろう。

 

アンナチュラルのコインを弾く音も使われてた。

今回の犯人はいたずら電話で警察を呼び出し、それから逃げることをゲームのように楽しんでる。

車は相変わらずメロンパン号だからカーチェイスは期待はしてなかったが、綾野剛は今回走りまくってくれた。とにかく走る。ひたすら走る。いい感じだ。

星野源はメロンパン号からマウンテンバイクを取り出し、それで追う。ずるいと言えばズルイが、それでこそ綾野剛のひたむきな走りが活きるってもんだ。

 

犯人は、先輩が薬さばいてたせいで廃部にさせられた元陸上部の4人で、元マネージャー(山田杏奈)に公衆電話から電話をかけさせてた。警察が確認に来るたび毎回リレーで逃げ切ってたが、ネタバレして裏をかかれ、次々御用!

その間に嘘の電話をしてた山田杏奈が本当に変質者に追われ、公衆電話から110番通報。普通ならここで「いたずら通報の人からまた」って感じでスルーされちゃうのだが、このドラマはちょっと違った。オペレーターの女子警察官は、声の雰囲気や今回は名前を言ったことから、他で発生してた連続変質事件に巻き込まれた本物の通報だと。

で、その情報を無線で聞いた綾野剛は、追いついた犯人に言う。「逃げるか来るか、今決めろ」と。

 

今回の話のキーポイントはここだ。

今回第3話のタイトルは『分岐点』。

第2話目でも描かれてたが、犯罪者になるかならないか、それは分岐点をどちらを選ぶかだと。些細なことでも選択によって結果は大きく変わると。その分岐点は人の交わる数だと。

警察庁刑事局長を親に持つエリート・岡田健史に、星野源がピタゴラスイッチのような装置を作って説明する。ループゴールドバーグマシンと呼ぶらしい。この辺をさりげなく説明するところも野木さんの脚本らしいところだ。

 

グラスや割り箸を使って作ったそのピタゴラ装置にパチンコ玉を投げ入れ「障害物があったり、うまく避けたと思ったら横から押されたり、違う道に入ってしまったり・・・」「そうこうしてるうちに、罪を犯してしまう」 。

だが、まだ岡田健史には響かない。「誰と出会うか、出会わないか」。キャリアの彼にとって機動捜査隊MIUは腰掛け程度にしか考えていない彼にはまだわからないだろう。

4人組の犯人グループのうち、主犯格の少年(鈴鹿央士)を最後彼が追いかけるのだが、状況を伝えずに逃してしまう。二手に分かれて逃げ綾野剛に捕まった前田旺志郎と彼の分岐点が、ここだったんだろう。

 

そして逃げ続けてる彼は、菅田将暉と出会ってしまう。

「正しい道に戻れる人もいれば、取り返しのつかなくなる人もいる」

 

第2話の松下洸平の話は、これでようやく繋がった。

彼は父親に対しての恨みで屈折して育ち、鶴見辰吾は潔白を信じてあげられなかったせいで自殺した息子に贖罪を感じてる。だから、血だらけの逃亡犯の彼の言うことを信じようとしたのだが・・・。

「誰と出会うか、出会わないか」。

それが分岐点だと。

 

このピタゴラスイッチでの会話をはじめ、第3話には今後の展開について重要な伏線がいたるところに張りめぐされてた(気がする)。

 

陸上部が廃部になった理由を姑息に隠そうとする学校と校長。原因となったトローチ型のドラッグ(ドーナッツEP)をさばいてた先輩であろう菅田将暉。(ただし本人は鈴鹿央士に会った時「俺、薬さばいてた先輩じゃないよ」と言っていたが)

ここにきて若手の主役クラスがまた一人登場した。このドラマ大盤振る舞いだな。

麻生久美子と星野源の過去の関係も気になるが、彼女には息子がおり、その世話をする女・黒川智花も登場した。彼女が出てくるととにかく怪しく感じてしまう。

今回の犯人は岡崎体育。変質者がよく似合うこと。スタンガン2丁持ちってやばい奴の役がはまってるよね。

水槽に落ちた星野源と綾野剛を感電死させようとスタンガン振りかぶったところで橋本じゅんに羽交い締めにされて御用!ってなるが、このドラマの主題歌は、米津元師の『感電』だから、シャレにならんよ。

 

大倉孝二、吉田ウーロン太、菅田将暉、黒川智花、岡崎体育、山田杏奈・・・。まぁ盛りだくさんだったこと。ちょとお腹いっぱいだけど、謎は続く。1話完結じゃないんかい!ってのはさておき、これが野木亜紀子の脚本だ。

本領発揮だな。次回も期待しようっと。

でも、できれば車はかっこいいのに変えてくれないかな。