GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

3年A組-若者へのメッセージドラマではない

2019-03-11 23:45:39 | Talk is Cheap
見事なエンディングだった。
「3年A組-今から皆さんは人質です」の最終回。
今、ネット上にはびこる醜悪な発言、指先ひとつで誰かを傷つけるSNS。それらに対して警告とも言える内容。全話にわたって菅田将暉及び生徒役の熱い演技も秀逸だった。

とにかく今の世の中は誰でも簡単に批判者、コメンテーターになれる。
報道された事件の上っ面だけを捉えてリテラシー無しに非難する。
有名人のブログやSNSに上から目線で悪辣なコメントを書き込む。
そんな現代の若者に向けてのメッセージ。

このドラマをそんな風に捉えてる大人がいたら本当にバカ。
そりゃ確かにネットの世界では若者の方が人を平気で傷つけるようなことを安易にしてるだろう。物心ついた時からスマホやパソコンが身近にあるんだからな。
物事の善悪を深く考えずに、気楽な気持ちで書き込んだりすることも多いだろう。

だけどな、世の中にはびこる非難や批判は圧倒的に大人の方が多いのだ。
自分の気にくわないこと、自分の意にそぐわないものは徹底的に叩く、責める、批判する。
なまじ知識があるがゆえに自分をより正当化する方法を知っている。
まるで自分の意見が市民の、いや国民の総意であるかのように同調させようとする。
そんな批判者・批判者のほとんどが、いい年こいたおっさんであり、いい年をしたおばさんである。もちろんその中には老人もいっぱいいる。

例えばダムカレー。
カレーをご飯でせき止めたこのダムカレーと名付けられたものに「不謹慎だ」とクレームを入れる。
このクレーマーの中に若者はほぼいないだろう。クレーム入れてるのは土木関係者ということだが、どこの誰だかよくわからない。なのにメディアが取り上げて拡散してる。やってることはネット社会の若者と一緒。

「ダムカレーの存在を知った時不愉快になり怒りを感じた」
「ご飯を崩してルーを流して食べるという行為は、多くの人が亡くなり、家屋やビルが倒壊した悲惨な災害を連想させる」
「被災などが続いてるこの状況であまりにも軽率!不謹慎だ!」
このクレームを入れたやつははっきり言って馬鹿である。見当違いのクレームである以前にどんだけ想像力が貧困なんだよ。いや、ダムカレーを見て悲惨な災害を連想するのだから想像力が豊かすぎるのかもしれない。どっちにしてもただの難癖としか思えない。サザンのTSUNAMIをカラオケで誰かが歌っても文句を言うのだろう。

ちなみにダムカレーは「過疎化に悩むダム水源地の人が考え出したもの」だ。見当違いのクレームも甚だしい。これを大の大人(施工管理技士)がわざわざ建設業界メディアに書いてるのだから呆れてしまう。
クレームを入れる前にまず、石原裕次郎主演の【黒部の太陽】を観ろ。昭和40年台からあるダムカレーの前身、黒部の「アーチカレー」にも文句を言ってたのか。



リテラシーもせずに何を言ってんだか。こんな奴(大人)に限って「今の若いもんは」とか言うんだろうな。
だいたい、要らないのにどんどんダムを作ったのは建築業界と政治・行政(つまり大人)のせいではないのか?それを論点ずらして10bが不愉快だからと平気でクレーム入れるやつ。さらにそれをそのまま記事にして(拡散して)る今のマスコミやメディア。どちらもいい年こいた大人。

例えばNHK大河ドラマ「いだてん」。
このドラマの喫煙シーンにクレームを入れるやつ。時代考証もドラマの演出もへったくれもない。ドラマ内の喫煙シーンが多いのが「けしからん」。さらには「テロップ入れて謝罪をしろ」とまで言い出す。
こんな老人がスーパーで喚いてるようなクレームを堂々と入れた受動喫煙撲滅機構というわけわからん団体。もちろん大人の団体。

例えば沖縄の辺野古。
いつまでももめてる奴ら、ゲート前で嫌がらせ妨害してるほとんど大多数は大人。っていうかほぼ老人。
ごり押しで実施された県民投票でも、辺野古移設に反対の投票43万4273人。賛成は11万4933人。どちらでもないは5万2682人。この数字だけで「これが民意だ」と言ってる。報道してる。
でも沖縄県有権者数は115万3591人。このうち投票に行った人が上記の60万5385人。投票に行かなかった54万8206人は「どうでもいい」だったのだろう。これを「賛成」と「どちらでもない」に足したら多数はどっちだ?反対は全有権者の38%でしかないのに何が「これが沖縄の民意」だ。
こういった情報操作を平気で大人がやってるのに、今の若者を責めれるのか?



他にも言い出したらきりがない。
確かに今の若い人は深い考えもなしに、気軽に人を傷付ける言葉を浴びせたり、批判することもあるだろう。顔も見せずに赤の他人に平気で言葉の暴力を振るうだろう。俺のこんなブログにでも「はて、この人は何様?」って上から目線で書き込んできたり、批判する人がいるのも事実だ。
だが、それは無知とか世間を知らないからやってるのだろうって思ってる。(認めてるわけじゃないよ、スルーしてるだけよ)
だけど、いい年した大人が違う形で平気でやってるのだから、若い子だけを責められない。
ええ歳こいたおっさんが、ストレス溜めたおばはんが、自分中心に金切り声を平気であげてる世の中だ。その馬鹿を見て子供は真似をしてるだけだ。

まずは大人が襟を正そうや。
このドラマを「今の若者に向けてのメッセージ」とか「今の和歌もにに届くかな」なんて他人事のように思ってる大人よ。勘違いするなよ。
「3年A組-今から皆さんは人質です」は、そんな大人たちに向けたメッセージのドラマだったんだよ。

けど、何がすごいってって、これを日曜の夜に日本テレビ系で放送したってことだな。
これを作った大人たち、この放送を許したもっと上の大人たち、そして見事に演じた若者たち。
いいドラマだった。届けばいいな。