GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

第67回紅白歌合戦での一票の格差

2017-01-01 14:24:22 | MUSIC/TV/MOVIE
新年あけましておめでとうございます

元日ってのはのんびりまったりしてていいね。朝から日本酒呑んでゴロゴロとしてても怒られない。(まぁ普段も昼からビールを飲んだところで誰に怒られるわけでもないのだが)
逆に大晦日は大掃除の合間に買い物行ったり出汁を取ったりと忙しい。羅臼昆布+枕崎本枯節で取った出汁A。鶏皮1kg+ガラ二羽を煮込んでとった出汁B。薄口醤油+濃口醤油+日本酒を煮詰めて作ったかえし。これらを組み合わせて、雑煮の吸い地、数の子の漬け汁、年越し蕎麦用のつゆを作る。それでも手の込んだ料理を作るよりは手軽。魚や肉を下ごしらえしたり、いろんな野菜を切ったり混ぜたりしないだけ簡単。鍋に火をかけておけばできるもの。割烹の一番出しとかじゃないのだから、火加減やタイミングもそれほど気にしなくていい。

黒豆を何日も煮たりとか、栗きんとんを作ったりとかはしない。昔の人は偉いなぁ、師走の忙しい時に作ってたんでしょ?正月に包丁やかまどの火を使わないようにってことなんだそうだが、正月三が日を手抜きするために師走の数日をてんてこ舞いにするのって、差し引き+ー0じゃないかね。
雑煮や数の子の味にはこだわるが、おせちは出来合いの材料でよし。何代も続く名家の坊ちゃんじゃないのだから「これが我が家のおせちだ!」などという伝統なんてものがないのが幸いだ。そのうちデパートのおせちセットを買ってしまう日も近そうだ。紅白なますやごまめ、蒲鉾なんかをバラバラと買うよりは安くつくかもしれない。おせちは所詮酒のつまみ・肴だ。あわびだ伊勢海老だローストビーフなんてものはおせちには要らない。

話は大晦日に戻るが、最近の紅白歌合戦って6時半くらいからやってるのね。こんな時間から見れる人って段取りいいのね。俺はこの時間はまだエアコンのフィルター外してたり、窓を拭いてた。で、ようやく出汁を取り終わった頃は9時半。そこから蕎麦湯がきながら、蕎麦つゆこしらえて食べながらHDD録画した第67回紅白を見る。
紅白ってCMが無いから、そのまま見てるとリアルに追いつかない。ツイッターやネットニュースでどんどん速報が流れるから、iPadもiPhoneも手元に置かず寸劇や演歌を飛ばしつつ見る。

後でSNSやネットニュース見たら、だいぶ賛否両論ね。
最後の投票はちょっと「?」と確かに思った。一般視聴者投票で紅:2,527,724票、白:4,203,679票と圧倒的に白組優勢。会場客席も紅:870票、白:1,274票。一般視聴者投票の勝者側にボール二個、会場客席の勝者側にボール二個。これだけで白組は4個のボールを取得してる。そして会場の審査員がそれぞれボール1個を投票、さぁ結果は・・・まさかの紅組優勝。司会の有村架純もビックリ!戸惑ってた。トータル白組6個、紅組9個って、審査員11人中9人が紅組に入れたのはいいが、これ験算するとおかしくない?一般視聴者6,731,403票でボール2個ってことは ボール1個が3,365,70.5票ってことだ。会場客席票は2144票だからボール1個1,072票。で、会場審査員は一人1票。すごい格差だな。国会議員選挙の比例区格差なんか目じゃないな。

一般視聴者の投票はデジタルテレビからとワンセグ、スマホアプリからできるんだが、発表された数字を見るとデジタルテレビからの投票は紅:1,365,786票,白:1,884,081票。50万票差。アプリ投票だと紅:1,135,096票、白:2,271,725票で100万票差。それでも会場審査員の票11個で勝者が変わってしまうのなら、この一般投票って全く意味がないよな。10点づつ入るゲームのラストゲームで「最後のゲームの勝者には100万点」ってやつと変わらないな。今までのはなんだったんだ?ってノリだね。AKB48の紅白選抜投票はさらに紅白当日に得票数結果順位が発表されセンターが決まる。この公平さ、緊張感、臨場感。NHKは見習えよ。ちなみに一位はNMB48の山本彩。二位が指原、ちょっと微妙な顔してた。三位がぱるる、数時間後には卒業だから有終の美を飾ったな。オレ推しの松井珠理奈(SKE48)は11位。総選挙は4位だったんだけどなぁ。

せっかくそれまではそれなりに楽しめて観れたのにな。

欅坂46は最近すごく気にいってるグループだ。「サイレントマジョリティー」のフォーメーションダンスはカッコいい。15歳のセンター平手友梨奈が曲の途中で、並んだメンバーの間を突き進んで行くところが特に好きだ。モーゼの十戒だとファンの間では言われてるらしいが、俺はドラクロワの名画「民衆を導く自由の女神」のようだと思う。

平手友梨奈は新曲「二人セゾン」でも圧巻だ。将来が楽しみだ。イエモンの吉井も好きだと紅白のステージ裏で語ってたのがちょっと嬉しい。
坂道シリーズお姉さん格の乃木坂46は「サヨナラの意味」をパフォーマンス。生駒里奈が髪型とメイクを変えたのでどこにいるのかよくわからんようになってる。白石麻衣の顔が佐々木希ソックリと見えてしまうのは俺だけか?

SEKAI NO OWARI「Hey Ho from RPG」。キーボードのSaoriはいつも楽しそうに弾くねぇ。
椎名林檎「青春の瞬き」。バックバンドのベース音がかなり響いてた。椎名林檎が歌うバックで道行く人がマネキンチャレンジみたいにみんな止まってるのは観入ってしまった。寒くないの?って思うのは野暮か。でもさ、椎名林檎ってデビュー当時はキワモノ扱いだったんだけどな。いつの間にか日本を代表する歌姫扱い位なってるのは不思議。


紅白の演出で、出場歌手やグループが違う歌手のバックで踊ったりする演出はよくわからん。ましてや何でこの人が?ってわざわざその年に話題になったタレントとかを呼んできて踊らさせてるのは「なんだこりゃ?」って思ってしまう。
この典型的なひどい例が今回の香西かおり「すき」。真田丸スペシャル Ver.と称して大河ドラマ真田丸の映像、バイオリンソロによるテーマ曲演奏、そして橋本マナミのダンス。草刈正雄が会場審査員だとか、橋本マナミが細川ガラシャを演じてたからとかか?真田丸において草刈正雄が演じた真田昌幸は小日向-豊臣秀吉、山本耕史-石田三成と同じく重要な役どころ。知らない人が見たら「主役はこの人?」と勘違いしそうなほどだったが、橋本マナミの細川ガラシャは本編にあんまり関係ないし、三谷幸喜の趣味で選ばれたとしか思わないくらいの端役。全く意味不明で途中から早送りしてしまった。

だけど郷ひろみ「言えないよ」は良かった。同じく「なぜ?」と思われるであろう土屋太鳳が郷ひろみに絡むダンスを踊るんだけど、これは良かった。土屋太鳳は脚本がダメダメだったドラマ「IQ246」でのコミカルな演技も良かったが、実はダンスも上手い。Siaという海外アーティストの「アライブ」という曲に合わせて踊る映像があるのだが、これは圧巻だ。髪型は北川景子主演ドラマ「悪夢ちゃん」の木村真那月みたいだが、ダンスは気が狂ったようにすごい。この映像はYoutubeで「Sia feat.土屋太鳳」で検索してくれれば見れるので良かったら見てくれ。


RADWIMPS「前前前世」は気合入ってたね。ラドは「おしゃかさま」という曲が好きなんだけど、この曲も同じくギターが暴れてる。
紅白の合間のコントや寸劇は苦手。これまた年内の流行を取り入れた演出なんかもそのベースとなる作品を知らないと「何これ?」って思うの。この「前前前世」が主題歌だった映画「君の名は」を観てないので、紅白用に新海監督が編集したと言われる映像がシンクロできないのでちょっと残念。


でも、シン・ゴジラは観たので、こちらの寸劇は笑えた。映画をパロって、っていうより登場人物そのまま使ってた。謎の巨大生物が東京湾から襲来し、港区に移動、どうやら渋谷周辺に出没する可能性が大だと。渋谷で行われてる紅白が危ない。「政府関係者『大晦日の住民退避は困難』」ってテロップが流れるところも映画のテイストそのままに。同じ雰囲気で新たに撮影したんだろうが「巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)」や長谷川博巳演じる矢口蘭堂内閣官房副長、大杉漣演じる大河内 清次内閣総理大臣など映画そのまま。できれば石原さとみもカヨコ・アン・パタースン米国大統領特使として出演してほしかった。記者会見シーンも手話を取り入れたり、早口で喋ったり、映画さながらに「それならイプがある」と松尾諭さんが言い、紅白へ協力を求めるメモが渡された李、かなり笑えた。シン・ゴジラ観てない人には何のことなのかさっぱりわからんだろうな。

「ゴジラ撃退には声量・メロディー・感動を兼ね備えた良質の歌が効果的」ということで渋谷紅白迎撃作戦が展開され、ピコ太郎が「PPAP」をベートーベンの第九とのミックスバージョン歌ったり(かなりアレンジが良かったよ)、X-JAPANまで悪乗りしてくれてた。でも「僕たちが止めます」と言ってたのだが、TOSHIは声出てなかったな。MUSIC STATIONの年末スペシャルではハイトーン域もかなり伸びて出てたのだが、紅白ではちょっと苦しそうだったね。これではゴジラは凍結されないのでは?って思ったくらいだ。それに「紅」はツインギターでの間奏がかっこいいのだが、HIDEが亡くなってから封印されたのかな、今回もギターソロはなかった。でも白組で「紅」ってなんかボーダレスよね。

桐谷健太「海の声」はもうそろそろ聞き飽きたってくらい昨年聞いた。が、今年の紅白の司会は有村架純。auCMのようにかぐやちゃんで「浦ちゃん頑張って」って言ってたがNHK的にはいいのかね。まぁ白組司会の相葉ちゃんと並んでたらドラマ「ようこそ、わが家へ」の再現みたいだったし、松潤が横に立った時は「恋愛ショコラティエ」だったからいいのかね。ちなみにニノも「弱くても勝てます」で共演してる。(あれ?このネタ前にも書いた記憶が・・・)
auの新CM「春のトビラ・やってみよう編)で、浦ちゃんの三線と鬼ちゃん(菅田将暉)の太鼓セッション(バトル?)がかっこいい。桃ちゃん(松田翔太)の居合切りや金ちゃん(濱田岳)のキレッキレオタクダンスも面白いよ。

KinKi Kidsは山下達郎作曲のデビュー曲「硝子の少年」を歌った。SMAPのバックとしての出場はあるが単独では初出場だって。で、楽屋は昨年までSMAPが使ってた部屋だったそうだ。もしSMAPが急遽出ることにしてたらNHKはどう対処してたんだろう。ちなみにSMAPの楽屋は2部屋だったらしいが、どういう振り分けだったのだろうか。中居くんは司会してる場合は一人部屋だったのか?ちょっと興味があるなぁ。
楽屋の話で面白いのは元ピンクレディのケイちゃんの話。ピンクレディが絶頂に売れてる時に紅白を辞退したそうだ。その後NHKからはお呼びがかからなくなったらしい。ソロになって増田恵子として「すずめ」という曲がヒットしてまた呼ばれたら、楽屋が物置みたいな部屋だったんだと。曰く「紅白を辞退するってことは好意いうことなんだ・・・」と痛感したって。本当の意味での楽屋オチだな。

Perfume「FLASH」の光線を使った演出は圧巻。さすがNHKだと言わせんばかりの見事なシンクロ。これCGじゃないだと?3Dなんちゃらってやつだそうだが、見事にPerfumeの動きと合わせた光の映像だ。見事なり。映画「ちはやふる」の主題歌のこの曲、ダンスもカルタ取りをイメージした振り付け(俺は映画を見てないから忍者の動きにしか見えないのだが)を最大限に生かした演出だ。


紅白は裏方さんの凄さに毎回感心してしまうの。
こういった照明での演出もそうだけど、次々と変わる歌手のバックや大道具の交換とかも。あの大量の紙吹雪は一体どこへ?っていうくらい次の人が出てくる時は綺麗さっぱり消えている。バンドのPAセッティングや電源チェックだって大変だよ。一体何台で撮ってるかは不明だが、ハンドカメラマンがほとんど映り込まないカメラワークも流石。華やかな舞台の裏には、それを支える裏方のスタッフが数多く動いてる。
その舞台裏を分かりやすく紹介してたのがタモリとマツコ・デラックス。これまた賛否両論あったらしいが、俺はブラタモリみたいで良かったし、紅白の舞台裏がよくわかっていいと思うのだがね。水森かおりの二代目小林幸子?って思わせる高さある衣装(もはや大道具なのか衣装なのかわからないが)を本人ともどもそのまま運ぶスタッフ、PAやバックの大道具をせわしなく運び、次々と段取り良く入れ替えるスタッフ。ホント、裏方さんに拍手だよ。ちょっとハードに働いたらブラックとか言ってるやつに見せてやりたいぜ。舞台パイプオルガンのくだりもその後での演奏に繋がってたしね。紅白の生演奏を今は敷地内の別スタジオで生演奏して会場に届けてるってのもすごいな。関係無いがマツコの手から弁当が落ちそうになってたのにはハラハラしたがね。

星野源「恋」。会場審査員に新垣結衣を呼んだのは「逃げ恥」の恋ダンスを一緒に踊ってもらおうって狙いだが、見事にスカされたな。ドラマ時と髪型変わってるんだから察しろよ。もうガッキーの中では過去のものじゃないのかね。それに彼女はダンスが苦手だ(多分、あっこれも以前書いたな)。それでもサービス精神があるからか、それとも仕方なしにかカメラが寄ってきた際、ちょこっとだけ恋ダンス披露してたな。可愛かった。

星野源はアミューズ(サザンや福山雅治、Perfumeの事務所ね)が推してるからか、やたら出てくるなぁ。あんまり好きじゃない。あの中村光の「聖☆おにいさん」がアニメ化された時も、声優じゃないのに主役のブッダの声(もう一人の主役イエスの声は森山未來)やってたしな。
しかも今年にアニメ化される「夜は短し歩けよ乙女」でも主役の声をやるらしい。せっかく同じく森見登美彦さん原作の「四畳半神話大系」アニメスタッフが再集結するのに、ちょっとガッカリ。キャラクターデザインを中村佑介、主題歌をアジカン、なぜ主役の声が星野源なんだ。(星野源のファンの方、ゴメンね)


松田聖子「薔薇のように咲いて 桜のように散って」をYOSHIKIのピアノで歌う。ありゃま、松田聖子は歌が上手くなったと思っていたが、ここにきてまた一段階上に上がったな。かなりの歌声に魅了されてしまったよ。2015年とは大違いだ。(ちなみに2015年はトリで赤いスィートピーをアレンジ変えて歌ったが、・・・微妙・・・って感じだった)YOSHIKIはよく間に合ったなぁ。香港から帰ってすぐリハやって本番。寝てないだろうな。大丈夫か体。既に満身創痍なんだからご自愛を。

THE YELLOW MONKEY「JAM」は圧巻。イエモンは「BURN」と同じくらい売れたこの「JAM」の歌詞を12月31日の朝日新聞朝刊で一面広告。「残念だけど、この国にはまだこの歌が必要だ」とメッセージ。。公式Twitterでも「今夜、一緒に歌ってください」と呼び掛けてた。『外国で飛行機が落ちました。ニュースキャスターは嬉しそうに「乗客に日本人はいませんでした」「いませんでした」「いませんでした」』。この歌詞は、最近の報道番組のMCやキャスターに警笛を鳴らす。こういった上質のメッセージソングが最近は減ったな。近頃は愛だの恋だのって、歌謡曲かフォークソングみたいな歌詞の曲ばっかりだ。


宇多田ヒカルは「花束を君に」をロンドンから生中継で歌唱。うまいなぁ、さすがだなぁ。あのマイクはどこのマイクだろう、初めて見る型だ。さすがLONDON。宇多田ヒカルは小田和正のクリスマス番組での熱唱もすごかった。小田念願の「AUTOMATIC」のデュエット。宇多田のオリジナルも第一回目の小田さんソロのバージョンもいいが、このデュエットも圧巻だった。二人とも独特の声だけど、声が高いし音域が広いし声量があるからよく合ってる。

大トリは嵐。「紅白スペシャルメドレー」としか発表されてなかったから何を歌うのかなって興味津々。SAKURAを歌ってくれないかなぁ。あっ昨年歌ったか。KinKi Kidsと同じく作曲が山下達郎の「復活LOVE」歌ってくれないかな。でもこの曲、みんな歌唱が山下達郎の歌い方になってるのよね。(あれ、これも以前書いたな)
結局「A・RA・SHI」と「Happiness」そして「One Love」。花が大量に飾られてたのは、もしSMAPが出場したら「世界で一つだけの花」を歌ってもらおうと事前発注してたやつってわけじゃ無いよね。
相葉ちゃんは歌いながら泣きそうになってる。(泣いてたか?)司会よく頑張った。大変だったろう。でも良かったよ。

長々書いてしまったが、それなりに良かったし楽しめた今回の紅白。
あの不透明な投票結果さえなければなぁ。後味悪いエンディングだったな。
昔みたいに会場のお客様に赤か白のうちわを掲げてもらって、それを日本野鳥の会のメンバーが双眼鏡で集計するか。その方がよっぽど公正明大だぞ。
一般視聴者を抱き込んで盛り上げたいなら、一票の格差を考えないと、それこそそっぽ向かれるぞ。