傘を持つ女

明日天気になあれ

ママより綺麗

2005年04月30日 | 傘を持つ家族
昨日のピクニックで韓国風巻き寿司をご馳走してくれた留学生のSさんは、美人で聡明で素敵な人だ。帰り道、同じ方向になって一緒の電車で帰ることになった。
尼崎のJR福知山線の事故ニュースを見ている長男Hが、JR電車に乗る寸前になって
「ママ、脱線しない?この電車乗るのが怖いよ、前の方はやめて後ろに乗ろうよ」
と言い出す。Hは最近、人の死の悲しみや恐怖に敏感でよくこんな事を言う。
「うん怖いよね、今日は大丈夫だと思うよ。ほらほら・・・」
私も怖いなあと思いつつも、何て言葉をかけてやろうか思いつかずに慌てて電車に乗り込んだ。

車内にて
H「もし事故にあっても電車の後ろの方に乗っていたら大丈夫なの?」
私「うーん、必ずしもそうとも言い切れないけど・・・」
Sさん「もし事故に遭ってしまったら、どこに乗っているかっていうことはあまり問題ではないのかもしれない。でも怖いと思うとき、私は韓国ではこんなふうにします。それは信仰があるからなんだけど、とても短い祈り、例えば‘神様見守ってください’といったようなことを心の中で素早く祈る事。」

クリスチャンのSさんはおそらく、怖がっているHになんとか言葉をかけてやりたいと思ってくれたんだろう。電子辞書の翻訳した画面をHに見せながら一生懸命日本語で、祈りのことをHに教えてくれた。Hはどれだけ分かったか知らないが、神妙にSさんの話を聞き入っていた。ちょっと安心したような顔もしていた。

Sさんと別れた後、次男Sがぽつり。
「Sさんって綺麗な人だねぇ。ママより綺麗だったねぇ、残念!」
がーん・・・
いえ、次男に言われなくてもSさんが若くて美しいのは充分わかってるけど、
Sは今までどんな若くて綺麗なオネエサンをまわりの皆が「綺麗な人」と評しても
「でもママの方が綺麗だよねぇ」と必ず後で私をフォローしてくれたのに。
どんなピチピチのオネエサンでも「ママの方が若いよね」と言っていたのに。
こんな日がいつか来るとは思っていたが、意外に早かった・・・(笑)

でもこれは多分、‘母よりSさんの方が自分達の気持ちに共感してくれた’という思いが‘Sさんの方が綺麗’に見えた、ということだろう。
母の負け。まだまだ修行が足らんということですな・・・