最近、バスの運転席で数分間の待機後に「そろそろ行こうか」と思った時、「そういえば… 輪止めを外したかな?」と不安になることが多い(実際には外してあり、左前輪を見て「あぁ、外してあるなぁ~」と思い出すのだが…)。また、「そういえば… 到着時に忘れ物チェックをしたかな?」と不安になることも多い(実際にはチェックしていて、通路を歩いて行くと「あぁ、見た見た!」と思い出すのだが…)。
先日、仕事を終えて営業所へ戻り、バスのチェックをしていたら… 左後部角のバンパーが黒く変色していた。私はすぐに触ってみて「ザラザラしていないし、凹んでいないし、傷ではないようだが… とにかく、営業所を出る前の朝の点検時にはなかったはずなので、私が気付かずに何処かで当てて来たのか!?」と思い、上司に報告して見てもらった。
すると、「これは以前に修理した跡だよ。下地の色が出てきているだけだ」と言われてホッとしたのだが… それが僅か一日で出てくるはずもなく… やはり“朝の点検で見ているようで見ていない”という私の悪い癖が出たのだろう(昔から、私は傷などを見つけるのが苦手で… 「誰かがバスを擦って帰って来た」と、みんながバスの“かすり傷”を見ている横で、だいたい私は「何処に傷が? 分からないなぁ…」と思っていた)。
そして、私は安心して帰路について… そこでようやく思い出した。朝の点検時に黒い変色跡を見て触って、「これは傷じゃないから、特に問題ないだろう」と思ったんだと… もう、自分で何をやったか&何を思ったか、それすら忘れてしまうようになっている。いやぁ… ホントに大丈夫なのだろうか? 私の脳は… ちなみに、今日の昼食は軽く食べましたよ!(実はそれが昨日だったりして…)
あるバス停で降車扱いをして、扉を閉めて発車して、すぐに降車ブザーが鳴って、目の前の信号はまだ青… 私は「これならば、次のバス停まで行けるぞ」と思ったその時! すぐ左側の歩道上に立っていたお爺さんが、私を見ながら杖を大きく振り回したのである。
一瞬、なにがなんだか分からなかったけれど、「ひょっとして… バスに乗ろうと近付いてきたお爺さんに、私が気付いていなかったのか!?」と思った私は、バスを止めて前扉を開けた。
そして、私が「乗られますか?」と尋ねると、お爺さんは「いや、乗りゃ~せんよ。ワシの家はココだもんで…」と言いながら、背後の立派な一戸建てを指差したのである。まったく予想外の返答に、私は思わず笑いそうになってしまった。
まさか… お爺さんはそれが言いたくて、わざわざ杖を振り回してまで私にアピールしたのだろうか? あるいは、単なるウケ狙いだったのだろうか? う~む… これだから人間は面白い~(なんのこっちゃ!)
昼食後の一本目… 営業所から回送でA駅まで行き、そこから実車でB駅まで行く路線を久しぶりに走った。タイミングばっちりでA駅停に到着、待っていた3名を乗せて発車した。すると、聞き慣れたコンピューター音声の案内が車内に流れ始めた。いつもは軽く聞き流しているのに、今日は少し違った…
「このバスは○○医療センターを経由してB駅へ行きます」というようなアナウンスが、しっかりと私の耳&脳に入ってきたのである。その瞬間、私は「○○医療センターって何だ??? ゲゲッ! 系統設定を間違えたか!?」と思い、背中に冷たいモノが…
しかし、すぐに“バス停の名称変更があった”ことを思い出し、一つ目のバス停に着く頃には、冷えた背中も温かくなっていた。もう、どれくらい前になるだろうか、「△△病院が○○医療センターに変わる」と聞いたのは… それ以後、私がこの路線を一度も走っていなかったので、すっかり忘れていたのである。
無事に終点のB駅に到着してわずか2分後、今度は逆にA駅へ向かって走りだしたのだが… その一つ目のバス停で乗ったおばさんから「○○医療センターへ行きますか?」と聞かれたのである。ついさっき“復習”したばかりの私は「はい、行きますよ。ここから二つ目です」と即答することができた。復習した直後に“テスト”までしてもらって… この巡り合わせに感謝です。ホント、逆じゃなくて良かったぁ~!
夕方の営業所前から某住宅地への回送… 否、誰も乗らない某住宅地行き… 車内にも周囲にも人影がないまま発車時刻を迎えた。その時! 左前方からスーツ姿の女性が歩いてきた。
私は「どうせ次のバスだろう」と思いながらも、一応「某住宅地です」と言ったところ… 彼女は乗ってきた。私が思わず「よろしいですか?」と確認すると、彼女は「はい、お願いします」と答えた。
“貸切バス”のまま終点の某住宅地に到着すると、彼女は「“○○13”の乗り場はそこですか?」と言った(○○13というのは系統番号で、○○には駅名が入るのだが… そういう聞き方は珍しい)。某住宅地発の路線はいくつかあるけれど、一つを除いてすべて同じ乗り場なので、私は「はい、そこでいいですよ」と答えた。
私がバスを降車停から待機場所へ移動させると、入れ替わるように乗り場へ△△11系統のバスが… そして、なぜか彼女はそのバスに乗ってしまったのである。私の頭の中では、様々な理由がグルグルと回り始めた。
時計を見ると、そのバスの発車まで1分ほどあったので、私は自分のバスを降りて乗り場へ… 車内後方の左側に座っている彼女を発見… すると、私に気付いた彼女は、少し慌てたように何か話し始めたのだが… 今のバスは窓が開かないのである。
私は「なるほど、分かりました」というように、片手を挙げてそのバスから離れた。実際に彼女が何を言っていたのか分からないけれど、「目的地が○○13でも△△11でも行ける場所だった」か「目的地へ向かうルートを変更した」か「目的地そのものを変更した」か… いずれにせよ、本人が承知の上で乗っていることが分かったので、私も安心した。
あるバス停で一人の男子学生が乗り、磁気カードを機械に… が、「ピィーッ!」と拒否されてしまった。そのカードは“平日は午前10時から午後4時までしか使えない割引カード”で、時計は午後4時2分を表示していた… 実は、バスが5分ほど遅れたためにそうなってしまったのである。
以前にも同じような話を書いたと思うけれど… その時は“小憎らしい女子小学生”のブーイングを受けて… その場で機械の設定を変えたのだが、今回は私が「ちょっと待っ…」と言うよりも早く、彼は何も言わずに「ピピッ」とICカードで精算してしまった。その“変わり身”の早さを見ると、いつもそんな感じなのかもしれない。つまり彼は「使える時に磁気カードを使って、なくなればそれでよし」と思っていて、あまり細かいことは気にしないのだろう。
ICカードは、前述の磁気カードと違っていつでも「ピピッ」と精算されてしまうので、今日のような場合もバスの遅れに関係なく「ピピッ」と… ただし、使用されたのが“昼間”ではなく“夕方”であると機械が判断してしまう。カードを使った人には、何の“説明”もなく…
“昼間”と“昼間以外”では、付加されるマイレージポイントに差が出るので、「バスが遅れたんだから、何とかしてくれ!」と言う人がいるかもしれない… が、運転士にはどうすることもできないのである。そういえば… 1~2カ月前に「運賃箱の“昼間の設定時間”に余裕を持たせる(午前9時55分頃から午後4時5分頃までにする)」と聞いた記憶があるのだが… 今日も“2分遅れ”でアウトだったなぁ… 10分くらいの余裕が欲しいなぁ…