冬の早朝… 新しいバスはそうでもないが、古いバスの暖房機器は「ゴォ~!」という風を吹き出す音だけで、まったく温かくならない。そうと分かっていながらも、私は暖房のスイッチを入れている。だって… 気持ちだけは表しておかなければ… 正に「冷たい運転士だ!」と思われちゃうじゃないですか。ハハハ…
それにしても… 「若い頃は、これくらいの寒さなんてどうってことなかったのにねぇ~!」と、自分でもちょっとショックだったりする。昨年末から、寒い朝には腰に“使い捨てカイロ”を貼るようになってしまい… 今後は股引きや腹巻きを着用か!? いや、あれがいい! あの… 薄くて温かい… シャツみたいな… ほれ、何だっけ… あぁ~、歳は取りたかねぇやねぇ~!
突然、携帯電話会社から大きな案内書が届いた。あまり興味のない私は開封せずにそのまま放置… と思ったが、表面に書いてある“重要なお知らせ”が目に飛び込んできた。「おみゃ~さんが使っとる携帯電話は2012年7月までに使えんくなるでよぉ~!」と…
2011年の7月に、今のテレビが見られなくなることは分かっていたが… こういうこと全般に関心がなく、つい最近まで「携帯電話なんて、また無料の機種をもらえばいいや」などと思っていた私は驚いた。まぁ、ちょうど良い機会だから、自分の契約プランも店員さんに“解説”してもらってこなければ! 最初にテキトーに決めたまま、ずぅ~っと放置してあるので…
お昼ちょっと前、某駅の待機場所にバスを止めて休憩していた(ただボォ~ッとしていた)。私は長椅子に座り、壁面にもたれて、大きな窓ガラスの外を眺めていた。
すると、歩道を歩いていた若い女性が、真っ直ぐこちらへ向かって来たのである。私は「たまたまロータリーを横切ろうとしているだけなのかな? それともバスについて何か聞きたいことがあるのかな?」と思いながら彼女を見ていた。
彼女はジッとこちらを見つめたまま、何やら嬉しそうな恥ずかしそうな… そんな表情を浮かべながら、とうとう窓ガラスのすぐ外までやって来た。私は「まさかの知り合い? 以前、お見合いパーティーで一緒だったとか!?」などと考えながら軽く会釈をした。
が、が、が、彼女は前髪をチョイチョイッといじっただけで行ってしまった… なんだぁ~! カーテンの代わりにフィルムが貼ってある窓ガラスを、鏡として使いたかっただけなのか… そして、たまたまその視線の先に、よく勘違いするオッサンがいただけということか… なぁ~!
そう言われた私は「あ、お、い、カ、ー、ド、で、す、ね…」と(そこまで細切れではないが)ゆっくりと言いながら考えた。そして「ひょっとして青いというのは…」と思った時、その女性から二枚の千円札を差し出された。
私の中では、一般的な2000円のカードは“白地に水色と小豆色(本当は紫色!?)のイラスト”であり、あくまでも“白いカード”という印象なのだが… イメージは人それぞれ違うものである。
先日は、一人の男子学生から「イチジョウ下さい」と言われて戸惑った。が、すぐに“一日乗車券”のことだと分かった。まぁ、今回は分かったからいいんだけど… 仲間内での“専門用語”を当然のように使われてもなぁ…
一つは、乗り心地の悪いバス(古いバス?)に長時間乗っていると、腰がドヨォ~ンと痛くなることが増えたからである。だから、いつもは新しいバスに乗れる勤務なのに、何らかの理由(修理など)で古いバスに変わっていると… その気持ちが分かるようになった。が、私以外の運転士には、もっと高度な理由があるような…
もう一つは、台数が少なく滅多に乗ることがない“3枚扉(前が乗り、中と後ろが降り)のバス”に乗る場合に、「扉の操作を間違えるから嫌だな」と思うようになったことである。
ほとんどのバスが2枚扉(前が乗り、中が降り)なので、バス停到着時に右手を伸ばして2本の“扉開閉レバー”に触れれば、ボケな私は「1本は前扉(実際は中扉)、もう1本は中扉(実際は後ろ扉)だな」と思ってしまうのである。
そして私の「お待たせ…」と同時に中扉が「ピィー!」と鳴き、前扉の外に立っている乗客は「どうした?」と変な顔をして… そこで私も慌てないように心掛けているけれど、「突然、私の“あたふたスイッチ”が入ってしまうかも!?」という不安を抱えていることに変わりはない。