バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

オジイサンは二度ブザーを鳴らす

2009年11月25日 21時04分00秒 | バス運転士

夕方、某駅で30名ほどの乗車があった。発車時刻まで、あと1分ほどになった時「ピィ~ッ!」と降車ブザーが鳴って降車ランプが点いた。私は「誰かの体か荷物があたったのだろう」と思って、降車ランプ消灯ボタンを押した。が、またすぐに「ピィ~ッ!」と鳴って点いてしまった。私は「まだ気が付いていないのかな?」と思って、再び消灯ボタンを押したところ、今度は鳴らずに点かなかった。

某駅を発車して、最初の交差点を青で通過できたので、一つ目のバス停に30秒ほど早く到着してしまった。私は「○○停、とまります。発車までしばらくお待ちください」と言いながらバスを止めた。そこで、念のために乗車口である前扉を開けてから数秒後、車内から何かを訴えるような声が聞こえた。車内ミラーで確認すると、降車口である中扉の前で外を向いて立っているオジイサンがいた。私が「あの人が“降りるぞぉ~!”とでも言ったのか?」と思って扉を開けると、オジイサンはバスを降りていった… ひょっとして、発車前にブザーを二度も鳴らしたのは…???

もしも、バスが一つ目のバス停に早く到着していなかったら… 降車ランプが点灯していないので、当然、私は「○○停、通過します」と言って通過していたでしょう。そして「何で止まらんのだ! 俺はちゃんと押したがや!」なんて苦情になるんですかねぇ? 発車前に押しておきながら…??? そんなぁ…


迷惑の上塗り

2009年11月24日 22時42分06秒 | バス運転士

朝、某駅にほぼ予定通りの時刻に到着して、とりあえずバスを待機スペースへ移動させた。「さて、次の発車は…」と運行カードを見ると45分と書いてあり、その横に小さく36分と書いてあった。それは先発バスの発車時刻であると同時に、私のバスの到着予定時刻であった。「36分のバスかぁ… 自分が到着した時の記憶はないが… 今はもう40分を過ぎたし… さすがに36分のバスは行ったのだろう」と思って、バス乗り場に着けて3名のお客様を乗せた。

私のバスは、あと2分ほどで発車… その時、すぐ後ろで“バスの音”がしたのである。既に36分のバスのことが頭になかった私は「あれ? 後ろのバスはここが終点なのかな…」と言いつつ、後のバスが動けるように自分のバスを少し前へ出した。すると後ろのバスが右ウインカーを出したので、私は自分のバスをさらに前へ出した。すると今度は後ろのバスが私のバスの横へ来て扉を開けたのである。ボケの私はまだピンと来なかったのだが、その運転士が「お客さん、いいの?」と言ってくれたことで気が付いた。私はすぐに車内のお客様へ「すいません、横のバスが先に発車しますので…」と案内をしたところ、一人のおばあさんだけがバスを乗り換えた。

そのバスも私のバスも行先は同じ某団地だったのだが、その後、すぐにそのバスは折り返し某団地発の実車、私のバスはそこから某所へ回送して某所発となっていた。実車のバスはバス停で止まりながら進むので、私の回送バスはすぐに追いついてしまった。私の行く先である某所手前までは同じ道路を走るのだが、私は「回送よりも実車優先だろう」と思って、実車のバスの後ろを追走していた。たかがバス1台とはいえ、前後が入れ替わったがために、実車のバスが停留所に着けられないとか、赤信号にかかってしまうとか… いかにもありそうなことだからである。

ある交差点を左折してからは、その先で右折する実車のバスは右車線、その手前の交差点で某所へ向かって左折する私の回送バスは左車線を走っていた。朝の通勤時間帯なので交通量が多くて全体の流れも遅く、どちらのバスも思うように進めなかった。しかし、なぜか左車線の方が少しだけ流れがよく、私のバスは実車のバスを追い抜いてしまった。そして、私は左折しようと思ったのだが… 横断歩道を次々と自転車が渡っていて、すぐに左折できなかった。それなのに、実車のバスは車間距離をとって、私のバスが左折するのを待っていてくれるようだった(バスのような大型車が右左折する時には、バスのお尻が車線からはみ出して危険だから…)。

結局、私のバスは某所の発車時刻に間に合わなかったのだが、その実車のバスも遅れていただろうに… 一度ならず二度までも… 今朝の私は、そのバスに対してグダグダになってしまった。その運転士とはチラッと顔を合わせたけれど、それが誰なのか分からなかった。その運転士はマスクをしていたし… そもそも私がまだみんなの顔を判別できていないし… ただ、少なくとも私より数段男前だったことは間違いない。えっ!? 比較することが間違っている??? 失礼しました…


先輩、そりゃ駄目だ

2009年11月23日 21時19分45秒 | バス運転士

あるバス停から二人の男(推定30歳前後)が乗ってきた。ずっと何か話していたようだが、ある時「人を待たせるということは、それだけで失礼だろうってことだよ」というような台詞が聞こえてきた。私は「ほぉ… 先輩の説教なのかな?」と思っていた。

それから数分後、携帯で通話している声が聞こえてきた。車内ミラーを見ると、その“推定先輩”であった。すぐにやめる気配もなく、声もやや大きめ… 私はバス停で止めて「バスの中で電話はやめてください」と言った。しかし、私の声が聞こえていないのか、ずっと話し続けていた。私はエンジンを切って、もう一度「電話をやめてください」と言った。すると“推定後輩”が小声で「電話やめろって…」と教えていたようだった。それなのに、その先輩は話が一段落するまで話し続け、電話が終わってもお詫びの言葉もなく、すぐに後輩と話し始めたのであった。なぁ、先輩よぉ… そんなことでは、後輩に「失礼だろう」なんて説教する資格はないぞ。


私の声を、内へ外へ内へ…

2009年11月22日 18時30分03秒 | バス運転士

マイクを通した私の声を、車内に流すか車外に流すか… それによって、運転席のスイッチを手動で切り替えなければならない。半弊社のバスは、運転席のスイッチが「車外、切、車内」になっているのである。

私が9月まで乗っていた完全弊社のバスは、そのスイッチが「車外、自動、車内」になっていて、基本的には“自動”にしておけば良かったのである。走行中などは車内スピーカーになっており、乗車扉を開けると同時に車外スピーカーに切り替わるのだ。だから、いちいちスイッチを操作しなくても、基本的には自分が思う方へ声が流れるようになっていた。

しかし今は、その時その時に自分で操作しなければならない。バス停に接近したら「ご乗車ありがとう~」、着いたらすぐに“車内→車外”にして「お待たせしました」、またすぐに“車外→車内”にして一人一人に「ありがとうございます」… そうしようと思っているけれど… 実際にはバスの運転だけでもう… なかなか…

ただし、こちらのバスには悪いことばかりではない。“自動”の代わりに付いている“切”は、くしゃみや咳払いをする時にとても助かっている。完全弊社のバスでは、歩行者の有無を確認しながら“車外”にして「ハックショ~ン!」とやっていたから…


行先表示

2009年11月21日 19時02分14秒 | バス運転士

ボケな私は、バスを乗り場に着ける時、うっかり“行先表示”の切り替えを忘れることがある。数分前には終点だったその場所を、行先として表示したまま… それでも、直前で気付いて慌てて運転席のボタンを押せば、すぐに電光表示が切り替わるので問題はない。

しかし、ちょっと古いバスになると、行先表示は“巻物”のようになっている。だから、ボタンを押してからグルグルグルグル… と、場合によっては2~3分かかってしまう。先日も書いたように“発車時刻の2~3分前に乗り場へ着けることになっている”ので、正しい行先表示が出る頃には発車時刻になってしまうのである。だから、そんな時は車外スピーカーで「○○行きです」と何度も案内しなければならないのだが… 次々と乗車されるお客様には「ありがとうございます」と言わなければならないし…

もっと言うと、お客様を乗せてしまってから気付くこともあるのだが… 幸い、これまでに私がやってしまったのは“△番のりば=××行き”と決まっている乗り場で、しかも同じ路線の往復を繰り返す勤務だったので… 乗車口横の行先表示に変わりはなく、お客様も間違えることなく乗られましたが… もしも、複数の行先がある乗り場だったら… まさか、発車してから気付くなんてことはないと思いますが… 気を付けます。