通勤ラッシュが終わると同時に、大勢のお年寄りがバス停に立つようになる。路線によっては、冗談抜きで通勤ラッシュよりもハードである。当然のことながら、バスは遅れてゆく… そんな中で、一人のおじいさんが「一日乗車券をください」と言った。私は「はい、ありがとうございます」と言いながら、おじいさんの持っていた小銭と引き換えに乗車券(カード)を手渡した。そのバス停から乗ったおじいさんたち数名のお年寄りが、ゆっくりと後部座席へ向かう… 私は「そろそろ着席しそうだな」と思って、それまで握り締めていた小銭をカバンに入れようとしたところ… 「あ、お金が足りない…」と気付いた。が、バスは遅れているし… 今さら後部座席から呼び戻すわけにもいかないし… すぐに確認しなかった私のミスだし… 少なくとも、おじいさんに悪意はないだろうし…
運転士が販売すべきカードは10種類ほどあるのだが… 私は「普通のプリペイドカード以外では、一日乗車券(土日は600円、平日は850円のカードで、どちらも電車&バス乗り放題)が売れるくらいで、他はほとんど売れない」と聞いていたし、実際にこれまでもそうだったので、私は「一日乗車券」と言われて「電車&バス乗り放題」だと思い込んでしまったのだが… おじいさんは“バス専用の一日乗車券(600円)”が必要だったようで… まぁ、大きな缶コーヒー1本を余分に飲んだと思えば…