グローバル・タックス研究会 ~Study Group On Global Tax~

貧困のない、公正かつ持続可能なグローバリゼーションのための「グローバル・タックス」を提言する、市民研究グループです。

5.30「アフリカの発展と国際連帯税・金融取引税に関する」シンポジウム

2013-04-29 | 国際連帯税を推進する市民の会(アシスト)
写真:イボンヌ・チャカ・チャカさん

TICAD Vパートナー事業
~アフリカの発展と国際連帯税・金融取引税に関するシンポジウム~
MDGs達成とUNITAIDなど革新的資金調達に向けたグローバルリーダーからの提言

  ・日時: 5月30日(木)午後6時30分~8時30分
  ・会場: 神奈川県民センター・ホール(JR横浜駅西口5分)
        →アクセス:http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f5681/p16362.html 
  ・言語: 日米語同時通訳が入ります
  ・資料代: 500円(ただし、学生は無料)
  ・申込み: 「5・30シンポジウム参加希望」並びに氏名と肩書き(あれば)をお書きの上、
       Eメール: acist.japan@gmail.com または FAX: 03-3834-2406
       までお申込みください。

来る6月1日~3日第5回アフリカ開発会議(TICAD V)が横浜市で開催され、持続的な経済成長やMDGs(ミレニアム開発目標)の達成等について議論されます。その直前の5月3日、私たちは「アフリカの発展と国際連帯税・金融取引税に関するシンポジウム」を開催します。

本シンポジウムでは、MDGs達成のための開発資金の調達を、国際連帯税や金融取引税など革新的資金メカニズムの面から検討するものです。

まず、南アフリカ出身の世界的な歌手であるイボンヌ・チャカ・チャカさんから、アフリカのMDGs達成に向けての現状を語っていただきます。続いて、アフリカ政府代表(複数国に要請中)、UNITAID(国際医薬品購入ファシリティー)代表、そして日本からは国際連帯税創設を求める議員連盟代表などグローバルリーダーからの提言をいただき、日本とアフリカでの国際連帯税・金融取引税の議論を盛り上げていきます。

みなさまのふるってのご参加、お待ち申し上げます。

イボンヌ・チャカ・チャカさんプロフィール
 1965年まだアパルト体制が残るソウェトDobsonvilleで生まれる。25年以上南アフリカ音楽の最前線で歌う。人権活動家でもあり、ロールバック・マラリア親善大使を務める。こうした彼女の活動に対して、ネルソン・マンデラ元南ア大統領は「あなたの惜しみない行為は、感染症や、貧困、非識字に苦しむあまたの家族と孤児に限りない利益をもたらした」と言い、「あなたは私のアフリカの女王だ」と呼んだ。(参照: http://www.yvonnechakachaka.co.za/)

シンポジウム概要
■主催・共催・後援
 ・主 催: 国際連帯税フォーラム  
       「動く→動かす」
       日本リザルツ
 ・共 催: UNITAID(国際医薬品購入ファシリティー)
       マラリアに関するアフリカ指導者同盟(ALMA)
       国際連帯税創設を求める議員連盟 
       横浜NGO連絡会   
 ・後 援: 世界連邦日本国会委員会
       開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ
       シラク財団
       オープン・ソサエティー財団 
■プログラム
 1)開会のあいさつ
  ・白須紀子(国際連帯税フォーラム代表理事/日本リザルツ代表)
  ・川口順子(国際連帯税創設を求める議員連盟会長/参議院議員)     

 2)報告と討論(司会:上村雄彦(横浜市立大学教授))
  ・報告1:「国際連帯税・金融取引税の意義と最新動向」
       上村雄彦(横浜市立大学教授)
  ・報告2:「アフリカの現状を知ろう!」
       イボンヌ・チャカ・チャカ(南アフリカ歌手)
  ・報告3:「革新的資金調達とアフリカのリーディング・グループ(LG)の役割について」
       シャムスディーン・ウスマン(ナイジェリア国家計画大臣、LG議長)【ビデオ参加】 (+カメルーン又はAU) 【要請中】
  ・報告4:「UNITAID:国際保健のための革新的資金ファシリティ」
       デニス・ブルーン(UNITAID事務局長)
  ・報告5:「国際連帯税創設を求める議員連盟(日本)の活動と国会の動向について」
       石橋通宏(国際連帯税創設を求める議員連盟事務局長/参議院議員)

 3)閉会のあいさつと今後の活動提案     
  ・田中徹二(国際連帯税フォーラム代表理事/アシスト代表)
               (※プログラムは変更される場合があります)

※ナイジェリア政府及び「開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ」代表として、シャムスディーン・ウスマン(Usman Shamsuddeen)国家計画大臣兼リーディング・グループ議長の参加が決まりましたが、議長はご多忙のためビデオ参加となります。何卒ご了承ください。

●シンポジウムの目的と経緯

<目的>
①アフリカにおけるミレニアム開発目標(MDGs)達成の状況を知るとともに、MDGs達成およびポスト2015開発アジェンダの実施戦略に貢献するために、革新的資金メカニズム(国際連帯税、金融取引税等)が果たし得る役割を考察する。

②「開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ」の現議長国であるナイジェリア並びにアフリカ諸国から、開発資金創出に関するオーナーシップの重要性について学ぶ。

③航空券連帯税からの税収を主たる財源として運営されているUNITAID(国際医薬品購入ファシリティ:エイズ・結核・マラリア対策のため治療薬や診断ツールなどを提供)の6年余の経験と今後の展望について知る。

④上記のような課題について、アフリカをはじめとするグローバルリーダーからの提言をいただき、日本とアフリカにおける新しい資金メカニズムである国際連帯税・金融取引税の議論を盛り上げる。

<経緯>
 来る6月1日~3日第5回アフリカ開発会議【Tokyo International Conference on African Development】(TICAD V)が横浜市で開催される。主要な議題は経済成長やMDGsの達成などである。2000年以降、MDGsはアフリカにおける貧困の劇的なまでの削減に貢献してきた。国連事務総長は2012年のMDG報告書で、MDGsのうち極度の貧困の撲滅、貧民街住民の生活品質の向上、安全な水の確保の3つの目標の達成を強調した。しかしこれらの結果は極めて不均質なものであり、とくにサハラ以南のアフリカでは栄養、乳児死亡率及び母性保健の分野の目標は2015年までに達成されないだろうと見られている。

 開発に関する国連の現在の取り組みを考慮すると、TICAD V開催を前に、アフリカにおけるMDGs達成問題につき議論を重ねることは時宜にかなったものと言える。

 MDGs達成並びにポスト2105開発アジェンダの実施戦略のために不可欠な要素が資金調達である。しかし、援助供与国(ドナー)の財政難及び財政危機を考慮すれば、ODA予算の減少傾向が劇的に改善される見込みは乏しい。たとえば、日本のODA予算(一般会計)は、15年連続で減少している。

 こうした状況の中で、開発資金の中心にあり続けるODAの補完として、新たな開発資金を動員する必要性に関する一般的なコンセンサスが生まれた。国際連帯税(ISL)などの革新的資金メカニズム(IFM)は、より安定的かつ予測可能なレベルで開発のための追加資金を調達し得る最も有望なソリューションと目されている。ISLはすでに10カ国以上で航空券税の形で導入されており、フランスやドイツを含む欧州の11カ国は2014年までに金融取引税(FTT)を導入することを決めている。このうちフランスは国内で既にFTTを導入しており、税収の10%を開発及び気候変動対策に当てることとしている。

 航空券税を導入している国のうち、8カ国はアフリカの国々(カメルーン、コンゴ共和国、ギニア、マダガスカル、マリ、モーリシャス、ニジェール、ナイジェリア)である。税収は国家予算又は国際機関に割り当てられる。HIV/エイズ、結核及びマラリアなどの感染症対策のための国際医薬品購入ファシリティであるUNITAIDは、航空券税を導入する国々の税収の恩恵を受けて運営されている。UNITAIDの枠組みの中で、アフリカ諸国は単に援助を受ける側としてではなく、自ら資金調達に携わるアクティブなプレイヤーとして参画することで、それぞれのプロジェクトに対するオーナーシップを発揮している。

 UNITAIDは、2006年設立以来2011年までの6年余りで約21億ドルの資金供与を受け、94か国で感染症対策のプロジェクトへの資金提供を行っている。典型的なプロジェクトは「小児HIV感染の治療や最先端の診断ツールの開発など」である。UNITAIDは、これらの顧みられていない市場に介入し、各国政府拠出の長期かつ予測可能な資金の裏付けにより良質の医薬品を廉価で提供できる仕組みを作り上げ、国際保健分野で重要な役割を果たしている。

 一方、日本においては、2008年2月超党派による「国際連帯税創設を求める議員連盟」が設立されて以来、国際連帯税につき毎年のように政府税制調査会等で議論されてきた。また、昨年8月に成立した税制抜本改革法では、国際連帯税について「国際的な取組の進展状況を踏まえつつ検討すること」(第7条第7項)と規定され、法制化されたのである。しかし、依然として「検討」レベルに止まっており、日本において国際連帯税を導入するにはさらなる世論の盛り上げが必要である。

 私たちは2012年10月東京で開催されたIMF・世界銀行年次総会に引き続き、6月1日からのTICAD Vという機会をとらえて、「国際連帯税など革新的資金メカニズム関する国際シンポジウム」を開催する。すでに南アフリカ出身の世界的な歌手でありロールバック・マラリア親善大使を務めるイボンヌ・チャカ・チャカ氏の参加が確定しており、またUNITAID専務理事であるデニス・ブルーン氏も参加する。LG議長国であるナイジェリアや、航空券税の導入実績のあるアフリカ諸国が参加することで、議論をより一層盛り上げ、最後にTICAD Vの共催者であり、昨年よりリーディング・グループに追加されたアフリカ連合(AU)の代表の存在により会議にさらなる価値を付加する。■■


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