鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2220ー雪・生還編ー第三話①

2020-02-16 10:12:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作




宇宙戦艦ヤマト復活編二次創作

宇宙戦艦ヤマト2220ー雪・生還編ー

第三話①




「桜井。艦内通信だ。」
「コスモパルサー第一攻撃機隊、雷撃機隊は直ちに発艦せよ!」
「第二攻撃機隊は発艦準備を急げ!」











「此方、小林!第一攻撃機隊発艦完了!!」
「これより目標の超巨大戦艦へ攻撃を開始する!」

「艦橋了解!ご武運を!」

ヤマト航空隊第一攻撃機隊は13機から成る攻撃機隊である。
航空隊隊長と編隊長を兼任する小林以外は、2機で一組の編隊である。
同様に佐々木を編隊長とした雷撃機隊も第二攻撃機隊編隊長工藤以外は、2機一組の編隊を組む計39機の三編隊構成。
※予備機を合わせて42機のコスモパルサー機を搭載している。

ヤマト航空隊の基本攻撃パターンとしては、第一攻撃機隊が敵艦載機を惹き付け、雷撃機隊の艦爆攻撃と続き、第二攻撃機隊が援護に入り、第一攻撃機隊と交代、第一攻撃機隊は速やかに帰艦、整備と補給を済ませ、再び発艦し、雷撃機隊及び第二攻撃機隊と共に帰投、雷撃機隊及び第二攻撃機隊の帰艦後、順次帰艦する。
これが基本的は攻撃パターンである。

今回、敵艦載機隊が存在しない極めて珍しい戦闘パターンの為、小林率いる第一攻撃機隊は、佐々木率いる雷撃機隊の支援に専念した。

「何時に成ったら艦尾が見えて来るんだよ?」

「隊長。ボヤキは禁物ですよ~。データによると全長12キロメートルも有るようです!」

「にしても、図体ばかりデカイが、近接兵装は少ないのか!?」
「こりゃ美晴に仕事(たのしみ)取っといてやらないと、ムクれちゃうな。」
鼻歌やジョーク混じりにパルサーを飛ばす小林は、次の瞬間、度肝を抜かれる。
逆十字架のように直立浮遊していた超巨大戦艦が、動き出したのだ。
直立浮遊から水平へと体制を変えると同時に発砲した。
砲塔一基が、ほぼヤマトの全長程の大きさが有る。
その数、艦体上部だけでも16基、側面6基、下部に2基も装備されている。
その上部に装備された16基の砲がヤマトに対し、一斉射撃を行ったのだ。





「…マジかよ!?」
「アイツ動き出しやがったぞ!!」
「全機!散開せよッ!!」

「編隊長!!超巨大戦艦が発砲した!!」

「あれだけの砲撃、ヤマトは無事なのか?」

「……どうやらシールドミサイルを使用したようで、無事を確認!」
「おそらく波動フィールド・ミサイルを使用したと思われる!」
「着弾したヤマト周辺に特殊な歪みとプラズマ波が、確認出来る!」

「そうか!ところでコッチは全機、無事か?」

「無事です!」の返答に小林は安堵の表情を見せた。

【タキオン波動粒子エネルギー弾頭ミサイル=波動フィールド・ミサイル】
波動エンジンで生み出されるエネルギーをそのまま使用し、弾頭に詰め込んだ防衛用エネルギー弾で、中にはタキオン粒子で覆われた3次元空間があり、この空間は周囲の空間連続体と比べて非常に不安定なもので、攻撃を受けた目標は周囲の時空間が歪曲して崩壊・誘爆に至る。




「艦長!散開する攻撃機隊とワスプを一旦、引き上げさせ、トランジッション波動砲で一気に方をつけましょう!」

「駄目だ!」

「何故です?」

古代は上條からの具申「トランジッション波動砲」の使用に許可を出さなかった。

「上條。波動実験艦武蔵は何処で、地球や太陽系の惑星がブラックホールに飲み込まれた事を教えてくれた?」

「…銀河中心部のブラックホール。」

「そうだ。銀河中心部のブラックホールだ。だが、あの"次元の門"の手前には、この超巨大戦艦ガトランティスの残党軍しか存在しない!」

古代の説明に何かを感じた上條は、トランジッション波動砲使用不可を受諾した。
そう。ヤマトの航海はまだ、半ばを過ぎたに過ぎない。
次元の門の先に、まだ目にした事のない"本隊"が待ち受けている。
トランジッション波動砲を使用すれば、ヤマトは一時的だが、全てのエネルギーを失う。
仮にガトランティス残党軍を超巨大戦艦を殲滅させたとしても。

「上條。ここに折原に作らせた簡易的だが、あの超巨大戦艦の平面図がある。」



「あの時は全く余裕がなかったから気が付かなかったが、あの超巨大戦艦は艦体上部に武装が、集中している。」
「艦底部には近接兵装は、はっきり解らないが、大型兵装は翼の下部に二基と格納された主砲しかない。」
「艦首後部に砲塔が二基確認出来るが、この格納された主砲の先端部分にバリアミサイルを利用して、ヤマトを接近させ、接岸する。」
「この場所なら装備された兵装では、射角が取れない。」
「白兵戦を仕掛ける!」
「推進機部を破壊する!」

「丁度、強襲揚陸艇ワスプは発艦が完了している。」
「それと、バリアミサイルを展開して、ヤマトを下部に降下させている間に残りのコスモパルサー隊を発艦させる。」
「いくら火力がデカイがとは言え、五月蝿く飛び回るコスモパルサー隊を狙い撃ちする事は不可能だ!」

「活路を開くにはこの方法しかない!」

「桜井!全艦及び散開するコスモパルサー隊とワスプに通達!」
「これより超巨大戦艦に対し、白兵戦を仕掛ける!」
「待機中のコスモパルサー隊はバリアミサイル発射と同時に発艦せよ!」

「上條!バリアミサイルをヤマトの左右と前方に発射!」

「天城!ヤマト緊急発進!!目標、超巨大戦艦ガトランティス!」
「下部へ降下せよ!」

「了解!!」

全部署の返答が返ると、古代はヤマトを緊急発進させた。


※イメージ曲【宇宙戦艦ヤマト完結編】より、引用。




超大質量ブラックホール(英: Supermassive black hole)は、太陽の105倍から1010倍程度の質量を持つブラックホールのことである。
全てではないが、銀河系(天の川銀河)を含むほとんどの銀河の中心には、超大質量ブラックホールが存在すると考えられている。

超大質量ブラックホールには、比較的質量の小さいものと比べて際立った特徴がある。
(質量をシュヴァルツシルト半径内の体積で割って求めた)平均密度は低い可能性があり、実際に地球の大気よりも低密度かもしれない。
これは、シュヴァルツシルト半径は質量に比例するが、密度は半径の3乗(体積)に反比例するためである。
無回転ブラックホールの事象の地平面のような球体の体積は半径の3乗に比例するが、質量の増加は直線的であるため、体積は質量よりも急激に増加する。
そのため、ブラックホールの半径が大きくなると、密度は小さくなる。
ただし、この現象は数学的な定義からくるものであり、必ずしも実際の物理的な特徴として保証されるものではない。
また、これは単に事象の地平面の半径が非常に大きいことを表しているに過ぎず、したがって比較的低密度な広い領域を含みつつ中心はやはり非常に高密度でありうる。
事象の地平面近傍でも潮汐力は非常に弱い。
中心にある重力の特異点までの距離が遠いため、ブラックホールの中心に向かう宇宙飛行士がいるとすれば、かなり深く進むまで、スパゲッティ化されることはない。

宇宙物理学者 Steven H. Rainwater が率いるマックス・プランク地球外物理学研究所とカリフォルニア大学ロサンゼルス校のチームは、ヨーロッパ南天天文台とW・M・ケック天文台による観測データから、銀河系の中心にあるいて座A*が超大質量ブラックホールである証拠を突き止めた。
我々の銀河の中心にあるブラックホールは、約410万太陽質量にあたる、約8.154572 × 1036kgの質量を持ち、シュヴァルツシルト半径は0.08auになると計算した。




第三話②へ
つづく。


この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より、引用した画像でイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。
一部、Wikipediaより、引用。

宇宙戦艦ヤマト2220ー雪・生還編ー第二話

2020-02-13 21:19:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



宇宙戦艦ヤマト復活編二次創作

宇宙戦艦ヤマト2220ー雪・生還編ー

第二話



【ガトランティス残党軍ハウンド・ドッグ級潜宙一番艦=ハウンド・ドッグ】

「艦長!亜空間魚雷装填完了!」

「うむ。」
「操舵士!亜空間深度100。潜航はじめ!」
「砲雷士!亜空間深度100に到達と同時に全門発射だ!」

「了解!」


古代の計らいで開催された銀河中心部赤道祭の盛り上がりも、最高潮に達した頃、けたたましく警戒アラートが全艦に響き渡った。
オートに切り替えての航行だが、それを補う為、古代はコルンにメインレーダーに同調させ、警戒に当たらせていたのだ。

「全艦、警戒セヨ!繰り返す全艦、警戒セヨ!」
「雷跡4!急接近!!」

「オイ、オイ、オイ!これからか盛り上がりだって時に!!」
「天城姐さんのコスプレ、ポールダンスなんて、そうそう観れるもんじゃないんだぜ!」

「…てか、貴方たち警戒アラートが鳴ってるんだから気持ち切り替えなさいよ!」ダラダラとぼやく海兵クルーたちに、折原は"カチン!"と来た様子を覗かせ、注意を促した。

「ん!?あんだぁ
「止めておけよ。ここは気高きヤマト様だせ。」

「その士官の言う通りだよ!」
「神楽坂曹長!からかうんじゃないよ!ポールダンスなら特別に作戦終了後にまた、観せてやるから。」そう叱責を飛ばすのは、少し説得力に欠けるかも的な猫耳飾りでチャイナドレスにコスプレした天城だった。

だが、そのタイミングでヤマトは爆音と共に、大きく揺れた。

「おおっと!」

「きゃぁぁぁっ!」

「…曹長。その手を速やかに退けろ。」

その場に居合わせた全員が床に投げ出された。

「神楽坂曹長は部下を纏めて、艦首格納庫のアレで待機!」
「折原チーフナビゲーターは、私と第一艦橋へ!」

「了解!!」


※イメージ曲【宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟(ヤマト渦中へ)】より、引用。

二分後、第一艦橋に姿を表した天城と折原は現状の報告を聞いた。

「…天城一等空佐。その格好は……。」

「古代艦長!お叱りは後程、伺います!」
「状況報告を願います!」

面を食らった古代ではあったが、状況を説明した。

「コルン!雷跡のトレースは出来ているか?」

「ハイ。夕貴サン。」

「…艦長!通常の空間魚雷じゃない、亜空間からの雷撃です!」
天城がそう告げた時であったコルンと交代した桜井が「雷跡4本!」を告げた。

「機関長!右舷、補助エンジン停止!艦首左舷、姿勢制御スラスター全開で噴射!」
「左舵90度ッ!!」

古代はこの天城の操艦に、今は亡き島の姿をダブらせていた_。



約70.000トンも有る巨体な船体が、まるでラリーカーのように宇宙の海をスライドさせてゆく。

「機関長!補助エンジン停止!」

「…停止!?」

「機関長!沈みたくはないでしょ?10秒で停止して!」

「り、了解!!」額に袖捲りした腕をあてがい、汗を拭う太助。

90度ターンしたヤマトは、急制動した。
艦内のほとんどのクルーが床に投げ出された。
そんな中、冷静にコルンだけは淡々と状況を報告した。

「夕貴サン。お見事!」
「ホーミング魚雷を含む亜空間魚雷4本は、交わしマシタ。」

「ふぅ~。」と息を吐き出す天城。

「第三波来ます!」
交わした安堵も束の間、間髪入れずに第三波亜空間魚雷攻撃に曝(さら)されるヤマトとクルーたち。

「折原!中央電算室で潜宙艦の居場所を割り出せ!」古代は折原に命じた。

「了解!」

そんな中、天城は意見具申した。
「艦長!そうそう何度も、亜空間魚雷を効せません!ですが、彼ら海兵隊に陽動させたいと思います!本来の使い方ではありませんが。」
「その間に居場所の特定を!」

「……強襲揚陸艇=ワスプを?海兵隊の発艦準備がまだだ。」

「それでしたらもう、準備は出来ています!」
「あとは、発艦命令だけです!」

「…流石だな。」
「よし。強襲揚陸艇ワスプは直ちに発艦せよ!」

ヤマト艦首格納庫のハッチが左右に開き、固定しているガントリーロックが解除され、一度、喫水線の辺りまで沈み込んだワスプは、元の喫水線まで浮かび上がると、降下用姿勢制御スラスターを吹かしながら、ゆっくりと降下、強襲揚陸艇ワスプが発艦した。

【強襲揚陸艇ワスプ】
※突撃揚陸艇:信濃の後続艇。
艇型はマッコウクジラにヤマトの安定翼を付けたような形である。
ブリッジは無く、ダブルデッキコックピットが艇首上部に設置されている。
(上段に操縦席×1・レーダー及び通信席×3・キャプテンシート×・1下段にCIC席×1)
これは、高機動力を優先し、上部構造物を無くす事で、被弾率を軽減する狙いがある。
突撃揚陸艇:信濃とは違い、本来の揚陸を目的として再開発された小型特務艇。
多脚戦車(重戦車)三両まで搭載可能。
(小型車両タイプ五台まで可能)
艇前部に格納庫、中部に武器・弾薬庫及びクルー待機室、後部に機関部を設ける。

全長:80m

武装
対艦ミサイル発射管×4門
対空ミサイルランチャー×2基
艇底部対艦・潜魚雷発射管×4門
十六連装波動爆雷投射基×1基
空間・亜空間ピンガー弾発射基×1基
25mm単装陽電子機関砲×8基

乗員:50名まで可能。


海兵隊。
対白色彗星帝国ガトランティス戦において、空間騎兵隊が事実上壊滅した為、新たに創設された部隊である。
基本的には旧空間騎兵隊と変わらない。
但し、隊員はパイロットの訓練を必ず受講しなければならない。
また、小型船舶以上の資格修得が義務付けられている。
これは万が一、正規パイロット又は航海士が負傷した場合でも、代わりに飛行又は操舵を可能にする為である。


「一丁、暴れるとするか!」
「柳伍長。亜空間ピンガー弾を一発、くれてやれ!」
「その後に、間髪入れずに波動爆雷初弾投下だ!」

「了解ッス!」

艇の中腹辺りから直径20Cm長さ50Cm程の筒が筍のように突出しすると、蒼白い光を纏った光弾が射出された。
その蒼白い光弾は宇宙空間を融解するように、ジワッとゆっくりと、別次元へ墜ちてゆく。

「カーーーン!」と数秒後、反響音が返って来る。
神楽坂曹長は急(す)かさず、波動爆雷投下を命じた。

「CIC!波動爆雷、第一波を投下せよ!」

「来た来た!了解!」柳はまるで子供が欲しくてたまらなかったオモチャを買って貰ったかのように、はしゃぎ気味に返答した。

ダブルデッキコックピット後方に八連装で二段で格納式に装備された波動爆雷投射基が、せりあがり16発の爆雷を上方に向かって射出、30mくらい舞い上がったところで落下、蒼白い光に包まれ、亜空間へと沈んでゆく。

数秒から数十秒の間の時間差で16個の光の輪が空間に浮かび上がる。

「曹長!亜空間深度5から100の間で波動爆雷の爆発を確認!」ソナー・レーダーを担当する一人、カティー・ヒロスエ軍曹が報告した。

「うむ。他に何か拾えたものは無いか?」

「…今のところ、何も。」ヘッドホンに手をあてがいながらカティー軍曹は返答した。

「よ~し。柳伍長!今度は波動爆雷と亜空間深度100にセットした亜空間魚雷二本を反響音が確認取れた場合に墜とすぞ!」
「カティー軍曹!動きを感知したら音紋を取れ!」

「了解!!」

その時であった、広域レーダーを監視する濱田軍曹が慌てて告げて来る。

「曹長!雷跡4本!ヤマトへ急接近!!」

「やはりな。奴は焦ってやがる。」
「潜望鏡深度に浮上して、状況を確認出来ずだ!」
「この空間にはヤマトしか存在しないと思い込んでやがる!」

だが、曹長の"勘"とは裏腹にワスプに向かって亜空間魚雷二本が迫っていた。

「……ん!?」
「空間境界面に雷跡二つ!!」
「コッチに向かって来ます!」

「なっ!?何ッ!」
「澤田!回避だ!」

「かっ、回頭、間に合わない!」その言葉と同時に、爆発音に包まれワスプは大きく揺れた。
乗艇する皆が、直撃を覚悟し備えていた。
だが、一向に沈む気配を感じない。
神楽坂は、そろりと瞑(つむ)る眼を片方だけ開けた。

「……助かった…のか!?」



「パルスレーザー掃射開始!!亜空間魚雷を撃ち落とせ!!」




「古代艦長。どうやら間に合ったようです。」

ワスプが射ち放ったピンガーによる反響音から折原もまた、潜宙艦の位置を逆探に成功、ヤマトはワスプの発進に合わせ、亜空間魚雷を射ち放っていたのだ。
これは、相手に亜空間魚雷の発射音を察知させない為だ。
それによって陽動するワスプは救われ、またガトランティス残党軍潜宙艦ハウンド・ドッグを亜空間の藻屑にしたのだ。
だが、この勝利の喜びも束の間、ヤマトのゆく手に憚(はばか)る超巨大な浮遊物体をヤマトのメインレーダーは捉えていた。
それは目視でも確認出来る程の超巨大な浮遊物体であった。




「前方より、十字架を逆さにしたような小惑星、接近!」
「…ん!?接近!?」メインレーダーを監視する桜井が報告を入れようとしたが、被せるように古代が、口を開いた。

「桜井!良く見てみろ!」
「あれは小惑星何かじゃない!」
「あれは…あれは超巨大戦艦ガトランティスだ!!」


※イメージ曲【宇宙戦艦ヤマト2199~星巡る方舟(蛮族襲来)】より、引用。

「…超巨大戦艦ガトランティス!?」
「当の昔に沈んだと言うか、消滅したはずでは!?」古代と桜井のやり取りに口を挟む上條。

「ああ。上條。お前の言う通り、19年前にその姿は女神テレサと共に消滅した!」
「だが、あれは間違いなく、あのガトランティスの巨大戦艦、おそらく同型艦だ!」

「いや、しかし、艦長!ガトランティスは消滅と同時に滅んだのではないのですか?」

「ああ。滅んださ。だが、滅んだのは言われる"本隊"であって、残党が居たと考えるのが妥当だ!」
「ガトランティスは、この銀河系に植民地惑星を幾つも、保有していた。」
「当時は植民地惑星の事など、眼中に無かった……。」
「俺たちは当時のヤマトのクルーや地球連邦政府ならびに防衛軍は、目の前の敵の排除だけしか考える余裕が無かった……。」古代はうつむき、拳を握りしめた。

「ガトランティス本隊が地球圏から姿を消して、すぐに暗黒星団帝国の出現、地球の占領等と、たて続いた事でガトランティス残党を見落としていた。」
「例え、残党が居残っていたとしても、ガルマン・ガミラスやボラー連邦と言った星間国家が睨みを効かせていた。」
「時が来れば……なんて思いもあったかも知れん。」
「今、悔やんでも仕方ない事なんだがな。」古代は自分に言い聞かせるように呟いた。

「それより、あの逆十字架の意味が解ったよ。」
「上條、十字架が意味するもの何だ?」

「…十字架と言えば神ですか?」

「そうだ。神だ。だが、奴らガトランティス残党が神ではない。」
古代はタブレットを開き、何やら書きはじめた。

【十字架→神→GOD→逆十字架→DOG→犬。即ち、地獄の番犬=ケロベロスだ! 】

「地獄の番犬=ケロベロス…ですか!?」

「上條、あの超巨大戦艦ガトランティスの奥をよく観てみろ!光点が在るのが解るか?」

「…あっ!解ります!」

「あれが、メッツラーを媒体とした=あの思考ホログラムの言っていた別次元の門だろう!」
「あの門の先に太陽系の星々も、雪も存在する!」


第三話へ
つづく。


この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より、引用した画像でイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。

宇宙戦艦ヤマト復活編ー雪生還編ー第一話②

2020-02-12 23:44:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作





宇宙戦艦ヤマト復活編ー雪生還編ー

第一話②

「ワープアウト!」 「艦内外に異常を認めず。」 「これより、通常航行に移行する。」

「うむ。」

「中西通信長。全艦に通達。」 「各部署は、オートに切り替え、全クルーは大展望室に集合せよ。以上だ。」 中西は艦長古代に言われるがままを通達した。 ざわざわと全クルーがところ狭しと、半鮨詰め状態で、大展望室に集合した。

一分後、艦長古代が姿を現した。

「ヤマトクルーの諸君。」 「これより、ヤマトは赤道祭を行う。」 「諸君らには24時間の休息を与える。」 「その前に、自分から一つ提案したい事を伝える。」

「それは、着任した新たな航海長天城二等空佐に、不在する船務長を兼任して貰いたいと考えている。」

「…艦長。お話中に申し訳ございません。」 「私より、年下ではありますが、上條一等空佐が階級は上です。」 「上條一等空佐が適任かと。」

「その事なんだが、本作戦終了まで、艦長特権により、君を一階級昇進させ、一等空佐と考えている。」 「我々、ヤマトのクルーは本作戦を遂行するにあたり、一枚岩に成らなくては成らないと考えている。」 「是非、君には受けて貰いたいと思う。」

「自分なら構いませんよ。ただし、戦術にあまり口出ししなければですが。」その場の空気をヒンヤリさせる発言をしたのは戦術長の上條であった。

「上條。君の意見は分かった。」 「だが、先ほども述べたように一枚岩が欠かせない。」 「素早い判断、素早い行動が不可欠である。」 「どんなに優れた戦術でも、それを判断し、行動出来なければ、ヤマトに限らず負ける。」 「一枚岩に成るには全クルーの判断が不可欠と思う。」 「自分が提案した天城二等空佐の船務長兼任に賛成か反対かを聞かせて欲しい。」

「自分は賛成です。」最初に口を開いたのは、機関部を預かる徳川機関長だった。

「自分等は賛成する。」

「俺たちも構わないぜ。賛成だ。元々、部下だったからって訳ではないが。」新たに着任した海兵クルーと甲板クルーが賛同した。

「賛成します。」折原が続いた。

「私も賛成。俺も。」コスモパルサー隊隊長の小林、艦医を兼任する佐々木もまた、賛同した。 ポツリポツリと賛同する声が上がった。 古代は、ゆっくりと全体を見回した。

「反対する者は?」古代がそう問いかけた時であった、佐々木艦医の影から声が上がった。

「…わたしも賛成。」

古代美雪の声であった。 地球を脱出する際に一時は拒んでいた美雪だが、「お母さんを助けよう。」と父である進の言葉に、進が搭乗するコスモゼロで脱出し、そのままヤマトに乗艦、元艦医の佐渡の経営するフィールドパークで過ごしていた事もあり、簡単な手当ては心得ていた。 その為、進は佐々木艦医に頭を下げ、そばに置いて貰っていたのだ。

進は軽く笑みを浮かべて見せた。

「反対者、無し。よって天城二等空佐を現時点を持って本作戦終了まで、一等空佐に昇進、船務長と航海長を兼任して頂く。」

「天城一等空佐。引き受けて貰えるか?」

天城は一瞬、眼を閉じ、ゆっくりと深呼吸し、再び眼を開け、「解りました。船務長兼任を拝命します。」

「うむ。」 「これより、天城一等空佐は船務長を兼任する事と成った。」 「諸君らの協力に期待する。この件については以上だ。」

「これより24時間の赤道祭を開催する。」 「諸君らも知っての通り、この宙域には赤道はないが、およそ24時間後、ヤマトは、この銀河中心外縁部を超え、中心部へと突入する。」 「その境目であるこの外縁部を赤道に見立て、本作戦の成功させる為、赤道祭を開催する。」

「解散!十二分に鋭気を養い、赤道祭を楽しめ以上だ。」

酒を嗜(たしな)む者、歌を披露する者やものまねをする者、食事に専念する者、筋トレする者、コスプレする者と、それぞれが赤道祭を満喫していた。

だが、そんなヤマトは付かず離れずの距離を保ち、通常のレーダーからは捉えにくい亜空間から監視されていた。

「我が領内に入り込んで来るとはな。」

「通信士。地獄の番犬(ケロベロス)に超亜空間通信にて、報告せよ。」 「ヤマトが我が領内に出現したとな。」

「了解。」

第二話へつづく。


宇宙戦艦ヤマト復活編ー雪生還編ー第一話

2020-02-12 23:33:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作

古代らヤマトのクルーたちの前にメッツラーを媒体とし、再び浮かび上がる異次元の思考ホログラム。

メッツラーは、自分が異なる次元の民であること、その次元には資源が少ないため生きる糧を他の次元に求めていたこと、そしてカスケードブラックホールの正体が他次元から資源となる星々を奪い取るための巨大な次元転移装置であることを暴露し、古代たちを嘲笑いながら去っていった_。

しかし、人工物であることに活路を見出した古代は、次元転移装置の本体を発見させ、トランジッション波動砲6発を一斉射でこれを破壊する。 カスケードブラックホールは消滅し、地球は救われるかに思われた_。

だが、それは違っていた………。

ヤマト乗組員に敬礼を持って見送られながら、地球はカスケードブラックホールに飲み込まれ消滅した。 その後、残存地球人類の救助に当たっていた防衛軍旗艦ブルーアースから入電、観測の結果、地球は銀河中心部の巨大ブラックホールに飲み込まれたことが判明したと告げらた。

「古代艦長。長らく銀河中心部に調査に赴いていた波動実験艦武蔵の報告を纏めたデータが、ここにある。」 ブルーアース艦長から直々にタブレットを観せられた古代。 はじめは動画をサラッと眺めるように観ていたが、所々で気になった場面が存在した。 古代は動画を一時停止しては、気になった場面を人差し指と親指で軽く摘まむように押さえ、上下左右に拡げ、拡大、食い入るように覗き込んだ。

「……これは」と言葉には出さず、古代は心の中で呟いた。

宇宙戦艦ヤマト復活編二次創作

宇宙戦艦ヤマト2220ー雪・生還編ー

前編



残存地球防衛艦隊と合流した宇宙戦艦ヤマトは、物質の補給と修復を終え、何かに気付いた様子の古代は、ブルーアースに地球の最期を見届けると告げ、単艦にてヤマトを銀河系中心部へと発進させようとした。

「古代艦長。待ってください。」少し慌てた様子で、レーダーパネルを覗く桜井が告げてくる。

「何か?」

「ブルーアースより、強襲揚陸艇を曳航する内火艇二隻、接近。」

「その内火艇より、乗艦許可の申請あり。」通信長の中西が桜井の後を追うように告げてくる。

「うむ。回線を繋げ。」

「此方、ブルーアース艦長を兼任する艦隊司令より、貴艦ヤマトへ転属、古代艦長の指揮下へ入るよう命じられた天城二等空佐以下二十名。乗艦を許可されたし。」

「……司令。」

「中西。乗艦許可をだせ。」

「了解。」

こうして、新たに二十名のクルーが加わる事と成り、ヤマト艦内の人事が急遽、行われた。

大きく変わった人事は、航海長とコスモパルサー・チーフパイロットを兼任する小林をコスモパルサー隊隊長とし、航海長を着任した天城二等空佐を選出した。

「小林。君にはコスモパルサー隊隊長に専念して貰いたい。」

「まぁ。俺も兼任は疲れちまうから、了解っス。」

その返事に少し、呆れ顔を覗かせる天城。

天城夕貴(あまぎゆうき)24歳。女性。独身。 現在、艦長職を目指している中、この異常事態に遭遇、昇進試験前に実戦配置されブルーアースの副航海士(長)を務めていた。 今回、急遽、ヤマト転属と成る。 髪はショートカットで黒髪。 日本出身。眼は僅かにつり目で瞳は茶系、赤いルージュが好み。 どちらかと言うと、"姐さん"タイプ。 コスプレが趣味でポールダンスが得意という一面も持ち合わす。 身長は佐々木艦医より、少し高い170Cmであるが、艦内ブーツの踵高を合わせると175Cmと高身長の持ち主。 同乗したコルン=万能ロボットと仲が良い。 一等空佐の昇格試験に一度は合格するも、その祝いの席で酔って絡む上官を失神させ、保留にされた。 原因は、今の時代では珍しい合気道の段を所持しているのにも関わらず、手加減しなかった為とされている。 黒帯を剥奪する事も検討されたが、"護身術"まで取り上げるのはと当時、長官に就任した真田に救われた過去を持つ。 古代がパトロール艇艇長時代に着ていた丈の短い艦長コート、色はライトグレーを基調にブルーの縁、脚にピッタリフィットする白を基調としたパンツタイプをブーツイン。ブーツ色は黒である。 ブルーアースのイメージカラーを制服にした感じてある。 そして、アナライザーとは異なるタイプの自立型ロボット=コルンが佐々木艦医のサポートとして配置された。 コルンは二足歩行タイプで、どちらかと言えばアンドロイドに近い。 佐々木艦医がパイロットとして艦内に不在時、艦医代行を務める。 アナライザーほど砕けた性格は持ち合わせていない。 五指それぞれが更に五本づつに分かれ、端末間入力や手術を行う事が可能。 誰に教わった(インプット)のかは、解らないが、「次はお仕置きよ。」が、口癖である。 指先から超低周波から気でつさせるくらいの電流を放電する事が出来る。 過去にブルーアース内で、セクハラに値するとして、男性クルーに放電、失禁させた事がある。 以後、警告した後、それでも止めない時に放電レベルを上げる事にしている。 身長は165Cm。 女性型二足歩行タイプ万能ロボット。 「コルン」と言う名前は製作者が歴史を勉強中に"アイドル"というものに興味が沸き、そのアイドルに似せて造った為、「コルン」と名付けた。 天城夕貴二等空佐をケアする事が日課に成っている。

この他、陸戦もこなせる海兵クルー11名、甲板クルー8名、合わせて19名が着任した。

「…と言う訳だ。佐々木艦医も協力して貰えるかな?」

「了解。」 「私はパイロットをやれれば、それでいい。」

「コルンには艦橋への入出の許可を与える。以上だ。」

「天城航海長。早速だが、ワープ準備に入ってくれ。」 「目的地は銀河中心部だ!」

「了解。」

「全艦に通達。航海長の天城だ。」 「これよりヤマトはワープに入る。」 「30秒後、ワープに入る。各位、ワープに備えよ。」 着座するとすぐに右前方に設置されたキーボードをカタカタと打ち込み、ワープカウンターに合わせ、操縦悍をクイッと押し倒した。

「ワープ!」

連続ワープによって約1500光年を飛躍したヤマトは、銀河中心部まで2万光年付近に到達した。

第一話②へつづく。



次回、二次創作の予告(^^;

2020-02-10 17:07:00 | 日記

地球を脱出した護衛艦隊と合流したヤマトは、補給と修復を終えた_。
飲み込まれた太陽系はもとより、自身の妻でもある"雪"を生還させる為、何かに気付いた様子の古代は、ブルーアースに地球の最期を見届けると告げ、ヤマトを銀河系中心部へと発進させる。

次回、二次創作
宇宙戦艦ヤマト2220ー雪生還編ー





原作者が他界されているので、本当のところは、解りませんが…。