鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2220ー雪・生還編ー第二話

2020-02-13 21:19:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



宇宙戦艦ヤマト復活編二次創作

宇宙戦艦ヤマト2220ー雪・生還編ー

第二話



【ガトランティス残党軍ハウンド・ドッグ級潜宙一番艦=ハウンド・ドッグ】

「艦長!亜空間魚雷装填完了!」

「うむ。」
「操舵士!亜空間深度100。潜航はじめ!」
「砲雷士!亜空間深度100に到達と同時に全門発射だ!」

「了解!」


古代の計らいで開催された銀河中心部赤道祭の盛り上がりも、最高潮に達した頃、けたたましく警戒アラートが全艦に響き渡った。
オートに切り替えての航行だが、それを補う為、古代はコルンにメインレーダーに同調させ、警戒に当たらせていたのだ。

「全艦、警戒セヨ!繰り返す全艦、警戒セヨ!」
「雷跡4!急接近!!」

「オイ、オイ、オイ!これからか盛り上がりだって時に!!」
「天城姐さんのコスプレ、ポールダンスなんて、そうそう観れるもんじゃないんだぜ!」

「…てか、貴方たち警戒アラートが鳴ってるんだから気持ち切り替えなさいよ!」ダラダラとぼやく海兵クルーたちに、折原は"カチン!"と来た様子を覗かせ、注意を促した。

「ん!?あんだぁ
「止めておけよ。ここは気高きヤマト様だせ。」

「その士官の言う通りだよ!」
「神楽坂曹長!からかうんじゃないよ!ポールダンスなら特別に作戦終了後にまた、観せてやるから。」そう叱責を飛ばすのは、少し説得力に欠けるかも的な猫耳飾りでチャイナドレスにコスプレした天城だった。

だが、そのタイミングでヤマトは爆音と共に、大きく揺れた。

「おおっと!」

「きゃぁぁぁっ!」

「…曹長。その手を速やかに退けろ。」

その場に居合わせた全員が床に投げ出された。

「神楽坂曹長は部下を纏めて、艦首格納庫のアレで待機!」
「折原チーフナビゲーターは、私と第一艦橋へ!」

「了解!!」


※イメージ曲【宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟(ヤマト渦中へ)】より、引用。

二分後、第一艦橋に姿を表した天城と折原は現状の報告を聞いた。

「…天城一等空佐。その格好は……。」

「古代艦長!お叱りは後程、伺います!」
「状況報告を願います!」

面を食らった古代ではあったが、状況を説明した。

「コルン!雷跡のトレースは出来ているか?」

「ハイ。夕貴サン。」

「…艦長!通常の空間魚雷じゃない、亜空間からの雷撃です!」
天城がそう告げた時であったコルンと交代した桜井が「雷跡4本!」を告げた。

「機関長!右舷、補助エンジン停止!艦首左舷、姿勢制御スラスター全開で噴射!」
「左舵90度ッ!!」

古代はこの天城の操艦に、今は亡き島の姿をダブらせていた_。



約70.000トンも有る巨体な船体が、まるでラリーカーのように宇宙の海をスライドさせてゆく。

「機関長!補助エンジン停止!」

「…停止!?」

「機関長!沈みたくはないでしょ?10秒で停止して!」

「り、了解!!」額に袖捲りした腕をあてがい、汗を拭う太助。

90度ターンしたヤマトは、急制動した。
艦内のほとんどのクルーが床に投げ出された。
そんな中、冷静にコルンだけは淡々と状況を報告した。

「夕貴サン。お見事!」
「ホーミング魚雷を含む亜空間魚雷4本は、交わしマシタ。」

「ふぅ~。」と息を吐き出す天城。

「第三波来ます!」
交わした安堵も束の間、間髪入れずに第三波亜空間魚雷攻撃に曝(さら)されるヤマトとクルーたち。

「折原!中央電算室で潜宙艦の居場所を割り出せ!」古代は折原に命じた。

「了解!」

そんな中、天城は意見具申した。
「艦長!そうそう何度も、亜空間魚雷を効せません!ですが、彼ら海兵隊に陽動させたいと思います!本来の使い方ではありませんが。」
「その間に居場所の特定を!」

「……強襲揚陸艇=ワスプを?海兵隊の発艦準備がまだだ。」

「それでしたらもう、準備は出来ています!」
「あとは、発艦命令だけです!」

「…流石だな。」
「よし。強襲揚陸艇ワスプは直ちに発艦せよ!」

ヤマト艦首格納庫のハッチが左右に開き、固定しているガントリーロックが解除され、一度、喫水線の辺りまで沈み込んだワスプは、元の喫水線まで浮かび上がると、降下用姿勢制御スラスターを吹かしながら、ゆっくりと降下、強襲揚陸艇ワスプが発艦した。

【強襲揚陸艇ワスプ】
※突撃揚陸艇:信濃の後続艇。
艇型はマッコウクジラにヤマトの安定翼を付けたような形である。
ブリッジは無く、ダブルデッキコックピットが艇首上部に設置されている。
(上段に操縦席×1・レーダー及び通信席×3・キャプテンシート×・1下段にCIC席×1)
これは、高機動力を優先し、上部構造物を無くす事で、被弾率を軽減する狙いがある。
突撃揚陸艇:信濃とは違い、本来の揚陸を目的として再開発された小型特務艇。
多脚戦車(重戦車)三両まで搭載可能。
(小型車両タイプ五台まで可能)
艇前部に格納庫、中部に武器・弾薬庫及びクルー待機室、後部に機関部を設ける。

全長:80m

武装
対艦ミサイル発射管×4門
対空ミサイルランチャー×2基
艇底部対艦・潜魚雷発射管×4門
十六連装波動爆雷投射基×1基
空間・亜空間ピンガー弾発射基×1基
25mm単装陽電子機関砲×8基

乗員:50名まで可能。


海兵隊。
対白色彗星帝国ガトランティス戦において、空間騎兵隊が事実上壊滅した為、新たに創設された部隊である。
基本的には旧空間騎兵隊と変わらない。
但し、隊員はパイロットの訓練を必ず受講しなければならない。
また、小型船舶以上の資格修得が義務付けられている。
これは万が一、正規パイロット又は航海士が負傷した場合でも、代わりに飛行又は操舵を可能にする為である。


「一丁、暴れるとするか!」
「柳伍長。亜空間ピンガー弾を一発、くれてやれ!」
「その後に、間髪入れずに波動爆雷初弾投下だ!」

「了解ッス!」

艇の中腹辺りから直径20Cm長さ50Cm程の筒が筍のように突出しすると、蒼白い光を纏った光弾が射出された。
その蒼白い光弾は宇宙空間を融解するように、ジワッとゆっくりと、別次元へ墜ちてゆく。

「カーーーン!」と数秒後、反響音が返って来る。
神楽坂曹長は急(す)かさず、波動爆雷投下を命じた。

「CIC!波動爆雷、第一波を投下せよ!」

「来た来た!了解!」柳はまるで子供が欲しくてたまらなかったオモチャを買って貰ったかのように、はしゃぎ気味に返答した。

ダブルデッキコックピット後方に八連装で二段で格納式に装備された波動爆雷投射基が、せりあがり16発の爆雷を上方に向かって射出、30mくらい舞い上がったところで落下、蒼白い光に包まれ、亜空間へと沈んでゆく。

数秒から数十秒の間の時間差で16個の光の輪が空間に浮かび上がる。

「曹長!亜空間深度5から100の間で波動爆雷の爆発を確認!」ソナー・レーダーを担当する一人、カティー・ヒロスエ軍曹が報告した。

「うむ。他に何か拾えたものは無いか?」

「…今のところ、何も。」ヘッドホンに手をあてがいながらカティー軍曹は返答した。

「よ~し。柳伍長!今度は波動爆雷と亜空間深度100にセットした亜空間魚雷二本を反響音が確認取れた場合に墜とすぞ!」
「カティー軍曹!動きを感知したら音紋を取れ!」

「了解!!」

その時であった、広域レーダーを監視する濱田軍曹が慌てて告げて来る。

「曹長!雷跡4本!ヤマトへ急接近!!」

「やはりな。奴は焦ってやがる。」
「潜望鏡深度に浮上して、状況を確認出来ずだ!」
「この空間にはヤマトしか存在しないと思い込んでやがる!」

だが、曹長の"勘"とは裏腹にワスプに向かって亜空間魚雷二本が迫っていた。

「……ん!?」
「空間境界面に雷跡二つ!!」
「コッチに向かって来ます!」

「なっ!?何ッ!」
「澤田!回避だ!」

「かっ、回頭、間に合わない!」その言葉と同時に、爆発音に包まれワスプは大きく揺れた。
乗艇する皆が、直撃を覚悟し備えていた。
だが、一向に沈む気配を感じない。
神楽坂は、そろりと瞑(つむ)る眼を片方だけ開けた。

「……助かった…のか!?」



「パルスレーザー掃射開始!!亜空間魚雷を撃ち落とせ!!」




「古代艦長。どうやら間に合ったようです。」

ワスプが射ち放ったピンガーによる反響音から折原もまた、潜宙艦の位置を逆探に成功、ヤマトはワスプの発進に合わせ、亜空間魚雷を射ち放っていたのだ。
これは、相手に亜空間魚雷の発射音を察知させない為だ。
それによって陽動するワスプは救われ、またガトランティス残党軍潜宙艦ハウンド・ドッグを亜空間の藻屑にしたのだ。
だが、この勝利の喜びも束の間、ヤマトのゆく手に憚(はばか)る超巨大な浮遊物体をヤマトのメインレーダーは捉えていた。
それは目視でも確認出来る程の超巨大な浮遊物体であった。




「前方より、十字架を逆さにしたような小惑星、接近!」
「…ん!?接近!?」メインレーダーを監視する桜井が報告を入れようとしたが、被せるように古代が、口を開いた。

「桜井!良く見てみろ!」
「あれは小惑星何かじゃない!」
「あれは…あれは超巨大戦艦ガトランティスだ!!」


※イメージ曲【宇宙戦艦ヤマト2199~星巡る方舟(蛮族襲来)】より、引用。

「…超巨大戦艦ガトランティス!?」
「当の昔に沈んだと言うか、消滅したはずでは!?」古代と桜井のやり取りに口を挟む上條。

「ああ。上條。お前の言う通り、19年前にその姿は女神テレサと共に消滅した!」
「だが、あれは間違いなく、あのガトランティスの巨大戦艦、おそらく同型艦だ!」

「いや、しかし、艦長!ガトランティスは消滅と同時に滅んだのではないのですか?」

「ああ。滅んださ。だが、滅んだのは言われる"本隊"であって、残党が居たと考えるのが妥当だ!」
「ガトランティスは、この銀河系に植民地惑星を幾つも、保有していた。」
「当時は植民地惑星の事など、眼中に無かった……。」
「俺たちは当時のヤマトのクルーや地球連邦政府ならびに防衛軍は、目の前の敵の排除だけしか考える余裕が無かった……。」古代はうつむき、拳を握りしめた。

「ガトランティス本隊が地球圏から姿を消して、すぐに暗黒星団帝国の出現、地球の占領等と、たて続いた事でガトランティス残党を見落としていた。」
「例え、残党が居残っていたとしても、ガルマン・ガミラスやボラー連邦と言った星間国家が睨みを効かせていた。」
「時が来れば……なんて思いもあったかも知れん。」
「今、悔やんでも仕方ない事なんだがな。」古代は自分に言い聞かせるように呟いた。

「それより、あの逆十字架の意味が解ったよ。」
「上條、十字架が意味するもの何だ?」

「…十字架と言えば神ですか?」

「そうだ。神だ。だが、奴らガトランティス残党が神ではない。」
古代はタブレットを開き、何やら書きはじめた。

【十字架→神→GOD→逆十字架→DOG→犬。即ち、地獄の番犬=ケロベロスだ! 】

「地獄の番犬=ケロベロス…ですか!?」

「上條、あの超巨大戦艦ガトランティスの奥をよく観てみろ!光点が在るのが解るか?」

「…あっ!解ります!」

「あれが、メッツラーを媒体とした=あの思考ホログラムの言っていた別次元の門だろう!」
「あの門の先に太陽系の星々も、雪も存在する!」


第三話へ
つづく。


この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より、引用した画像でイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。