鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト復活編ー雪生還編ー第一話②

2020-02-12 23:44:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作





宇宙戦艦ヤマト復活編ー雪生還編ー

第一話②

「ワープアウト!」 「艦内外に異常を認めず。」 「これより、通常航行に移行する。」

「うむ。」

「中西通信長。全艦に通達。」 「各部署は、オートに切り替え、全クルーは大展望室に集合せよ。以上だ。」 中西は艦長古代に言われるがままを通達した。 ざわざわと全クルーがところ狭しと、半鮨詰め状態で、大展望室に集合した。

一分後、艦長古代が姿を現した。

「ヤマトクルーの諸君。」 「これより、ヤマトは赤道祭を行う。」 「諸君らには24時間の休息を与える。」 「その前に、自分から一つ提案したい事を伝える。」

「それは、着任した新たな航海長天城二等空佐に、不在する船務長を兼任して貰いたいと考えている。」

「…艦長。お話中に申し訳ございません。」 「私より、年下ではありますが、上條一等空佐が階級は上です。」 「上條一等空佐が適任かと。」

「その事なんだが、本作戦終了まで、艦長特権により、君を一階級昇進させ、一等空佐と考えている。」 「我々、ヤマトのクルーは本作戦を遂行するにあたり、一枚岩に成らなくては成らないと考えている。」 「是非、君には受けて貰いたいと思う。」

「自分なら構いませんよ。ただし、戦術にあまり口出ししなければですが。」その場の空気をヒンヤリさせる発言をしたのは戦術長の上條であった。

「上條。君の意見は分かった。」 「だが、先ほども述べたように一枚岩が欠かせない。」 「素早い判断、素早い行動が不可欠である。」 「どんなに優れた戦術でも、それを判断し、行動出来なければ、ヤマトに限らず負ける。」 「一枚岩に成るには全クルーの判断が不可欠と思う。」 「自分が提案した天城二等空佐の船務長兼任に賛成か反対かを聞かせて欲しい。」

「自分は賛成です。」最初に口を開いたのは、機関部を預かる徳川機関長だった。

「自分等は賛成する。」

「俺たちも構わないぜ。賛成だ。元々、部下だったからって訳ではないが。」新たに着任した海兵クルーと甲板クルーが賛同した。

「賛成します。」折原が続いた。

「私も賛成。俺も。」コスモパルサー隊隊長の小林、艦医を兼任する佐々木もまた、賛同した。 ポツリポツリと賛同する声が上がった。 古代は、ゆっくりと全体を見回した。

「反対する者は?」古代がそう問いかけた時であった、佐々木艦医の影から声が上がった。

「…わたしも賛成。」

古代美雪の声であった。 地球を脱出する際に一時は拒んでいた美雪だが、「お母さんを助けよう。」と父である進の言葉に、進が搭乗するコスモゼロで脱出し、そのままヤマトに乗艦、元艦医の佐渡の経営するフィールドパークで過ごしていた事もあり、簡単な手当ては心得ていた。 その為、進は佐々木艦医に頭を下げ、そばに置いて貰っていたのだ。

進は軽く笑みを浮かべて見せた。

「反対者、無し。よって天城二等空佐を現時点を持って本作戦終了まで、一等空佐に昇進、船務長と航海長を兼任して頂く。」

「天城一等空佐。引き受けて貰えるか?」

天城は一瞬、眼を閉じ、ゆっくりと深呼吸し、再び眼を開け、「解りました。船務長兼任を拝命します。」

「うむ。」 「これより、天城一等空佐は船務長を兼任する事と成った。」 「諸君らの協力に期待する。この件については以上だ。」

「これより24時間の赤道祭を開催する。」 「諸君らも知っての通り、この宙域には赤道はないが、およそ24時間後、ヤマトは、この銀河中心外縁部を超え、中心部へと突入する。」 「その境目であるこの外縁部を赤道に見立て、本作戦の成功させる為、赤道祭を開催する。」

「解散!十二分に鋭気を養い、赤道祭を楽しめ以上だ。」

酒を嗜(たしな)む者、歌を披露する者やものまねをする者、食事に専念する者、筋トレする者、コスプレする者と、それぞれが赤道祭を満喫していた。

だが、そんなヤマトは付かず離れずの距離を保ち、通常のレーダーからは捉えにくい亜空間から監視されていた。

「我が領内に入り込んで来るとはな。」

「通信士。地獄の番犬(ケロベロス)に超亜空間通信にて、報告せよ。」 「ヤマトが我が領内に出現したとな。」

「了解。」

第二話へつづく。


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