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鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2220ー雪・生還編ー第二話

2020-02-13 21:19:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



宇宙戦艦ヤマト復活編二次創作

宇宙戦艦ヤマト2220ー雪・生還編ー

第二話



【ガトランティス残党軍ハウンド・ドッグ級潜宙一番艦=ハウンド・ドッグ】

「艦長!亜空間魚雷装填完了!」

「うむ。」
「操舵士!亜空間深度100。潜航はじめ!」
「砲雷士!亜空間深度100に到達と同時に全門発射だ!」

「了解!」


古代の計らいで開催された銀河中心部赤道祭の盛り上がりも、最高潮に達した頃、けたたましく警戒アラートが全艦に響き渡った。
オートに切り替えての航行だが、それを補う為、古代はコルンにメインレーダーに同調させ、警戒に当たらせていたのだ。

「全艦、警戒セヨ!繰り返す全艦、警戒セヨ!」
「雷跡4!急接近!!」

「オイ、オイ、オイ!これからか盛り上がりだって時に!!」
「天城姐さんのコスプレ、ポールダンスなんて、そうそう観れるもんじゃないんだぜ!」

「…てか、貴方たち警戒アラートが鳴ってるんだから気持ち切り替えなさいよ!」ダラダラとぼやく海兵クルーたちに、折原は"カチン!"と来た様子を覗かせ、注意を促した。

「ん!?あんだぁ
「止めておけよ。ここは気高きヤマト様だせ。」

「その士官の言う通りだよ!」
「神楽坂曹長!からかうんじゃないよ!ポールダンスなら特別に作戦終了後にまた、観せてやるから。」そう叱責を飛ばすのは、少し説得力に欠けるかも的な猫耳飾りでチャイナドレスにコスプレした天城だった。

だが、そのタイミングでヤマトは爆音と共に、大きく揺れた。

「おおっと!」

「きゃぁぁぁっ!」

「…曹長。その手を速やかに退けろ。」

その場に居合わせた全員が床に投げ出された。

「神楽坂曹長は部下を纏めて、艦首格納庫のアレで待機!」
「折原チーフナビゲーターは、私と第一艦橋へ!」

「了解!!」


※イメージ曲【宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟(ヤマト渦中へ)】より、引用。

二分後、第一艦橋に姿を表した天城と折原は現状の報告を聞いた。

「…天城一等空佐。その格好は……。」

「古代艦長!お叱りは後程、伺います!」
「状況報告を願います!」

面を食らった古代ではあったが、状況を説明した。

「コルン!雷跡のトレースは出来ているか?」

「ハイ。夕貴サン。」

「…艦長!通常の空間魚雷じゃない、亜空間からの雷撃です!」
天城がそう告げた時であったコルンと交代した桜井が「雷跡4本!」を告げた。

「機関長!右舷、補助エンジン停止!艦首左舷、姿勢制御スラスター全開で噴射!」
「左舵90度ッ!!」

古代はこの天城の操艦に、今は亡き島の姿をダブらせていた_。



約70.000トンも有る巨体な船体が、まるでラリーカーのように宇宙の海をスライドさせてゆく。

「機関長!補助エンジン停止!」

「…停止!?」

「機関長!沈みたくはないでしょ?10秒で停止して!」

「り、了解!!」額に袖捲りした腕をあてがい、汗を拭う太助。

90度ターンしたヤマトは、急制動した。
艦内のほとんどのクルーが床に投げ出された。
そんな中、冷静にコルンだけは淡々と状況を報告した。

「夕貴サン。お見事!」
「ホーミング魚雷を含む亜空間魚雷4本は、交わしマシタ。」

「ふぅ~。」と息を吐き出す天城。

「第三波来ます!」
交わした安堵も束の間、間髪入れずに第三波亜空間魚雷攻撃に曝(さら)されるヤマトとクルーたち。

「折原!中央電算室で潜宙艦の居場所を割り出せ!」古代は折原に命じた。

「了解!」

そんな中、天城は意見具申した。
「艦長!そうそう何度も、亜空間魚雷を効せません!ですが、彼ら海兵隊に陽動させたいと思います!本来の使い方ではありませんが。」
「その間に居場所の特定を!」

「……強襲揚陸艇=ワスプを?海兵隊の発艦準備がまだだ。」

「それでしたらもう、準備は出来ています!」
「あとは、発艦命令だけです!」

「…流石だな。」
「よし。強襲揚陸艇ワスプは直ちに発艦せよ!」

ヤマト艦首格納庫のハッチが左右に開き、固定しているガントリーロックが解除され、一度、喫水線の辺りまで沈み込んだワスプは、元の喫水線まで浮かび上がると、降下用姿勢制御スラスターを吹かしながら、ゆっくりと降下、強襲揚陸艇ワスプが発艦した。

【強襲揚陸艇ワスプ】
※突撃揚陸艇:信濃の後続艇。
艇型はマッコウクジラにヤマトの安定翼を付けたような形である。
ブリッジは無く、ダブルデッキコックピットが艇首上部に設置されている。
(上段に操縦席×1・レーダー及び通信席×3・キャプテンシート×・1下段にCIC席×1)
これは、高機動力を優先し、上部構造物を無くす事で、被弾率を軽減する狙いがある。
突撃揚陸艇:信濃とは違い、本来の揚陸を目的として再開発された小型特務艇。
多脚戦車(重戦車)三両まで搭載可能。
(小型車両タイプ五台まで可能)
艇前部に格納庫、中部に武器・弾薬庫及びクルー待機室、後部に機関部を設ける。

全長:80m

武装
対艦ミサイル発射管×4門
対空ミサイルランチャー×2基
艇底部対艦・潜魚雷発射管×4門
十六連装波動爆雷投射基×1基
空間・亜空間ピンガー弾発射基×1基
25mm単装陽電子機関砲×8基

乗員:50名まで可能。


海兵隊。
対白色彗星帝国ガトランティス戦において、空間騎兵隊が事実上壊滅した為、新たに創設された部隊である。
基本的には旧空間騎兵隊と変わらない。
但し、隊員はパイロットの訓練を必ず受講しなければならない。
また、小型船舶以上の資格修得が義務付けられている。
これは万が一、正規パイロット又は航海士が負傷した場合でも、代わりに飛行又は操舵を可能にする為である。


「一丁、暴れるとするか!」
「柳伍長。亜空間ピンガー弾を一発、くれてやれ!」
「その後に、間髪入れずに波動爆雷初弾投下だ!」

「了解ッス!」

艇の中腹辺りから直径20Cm長さ50Cm程の筒が筍のように突出しすると、蒼白い光を纏った光弾が射出された。
その蒼白い光弾は宇宙空間を融解するように、ジワッとゆっくりと、別次元へ墜ちてゆく。

「カーーーン!」と数秒後、反響音が返って来る。
神楽坂曹長は急(す)かさず、波動爆雷投下を命じた。

「CIC!波動爆雷、第一波を投下せよ!」

「来た来た!了解!」柳はまるで子供が欲しくてたまらなかったオモチャを買って貰ったかのように、はしゃぎ気味に返答した。

ダブルデッキコックピット後方に八連装で二段で格納式に装備された波動爆雷投射基が、せりあがり16発の爆雷を上方に向かって射出、30mくらい舞い上がったところで落下、蒼白い光に包まれ、亜空間へと沈んでゆく。

数秒から数十秒の間の時間差で16個の光の輪が空間に浮かび上がる。

「曹長!亜空間深度5から100の間で波動爆雷の爆発を確認!」ソナー・レーダーを担当する一人、カティー・ヒロスエ軍曹が報告した。

「うむ。他に何か拾えたものは無いか?」

「…今のところ、何も。」ヘッドホンに手をあてがいながらカティー軍曹は返答した。

「よ~し。柳伍長!今度は波動爆雷と亜空間深度100にセットした亜空間魚雷二本を反響音が確認取れた場合に墜とすぞ!」
「カティー軍曹!動きを感知したら音紋を取れ!」

「了解!!」

その時であった、広域レーダーを監視する濱田軍曹が慌てて告げて来る。

「曹長!雷跡4本!ヤマトへ急接近!!」

「やはりな。奴は焦ってやがる。」
「潜望鏡深度に浮上して、状況を確認出来ずだ!」
「この空間にはヤマトしか存在しないと思い込んでやがる!」

だが、曹長の"勘"とは裏腹にワスプに向かって亜空間魚雷二本が迫っていた。

「……ん!?」
「空間境界面に雷跡二つ!!」
「コッチに向かって来ます!」

「なっ!?何ッ!」
「澤田!回避だ!」

「かっ、回頭、間に合わない!」その言葉と同時に、爆発音に包まれワスプは大きく揺れた。
乗艇する皆が、直撃を覚悟し備えていた。
だが、一向に沈む気配を感じない。
神楽坂は、そろりと瞑(つむ)る眼を片方だけ開けた。

「……助かった…のか!?」



「パルスレーザー掃射開始!!亜空間魚雷を撃ち落とせ!!」




「古代艦長。どうやら間に合ったようです。」

ワスプが射ち放ったピンガーによる反響音から折原もまた、潜宙艦の位置を逆探に成功、ヤマトはワスプの発進に合わせ、亜空間魚雷を射ち放っていたのだ。
これは、相手に亜空間魚雷の発射音を察知させない為だ。
それによって陽動するワスプは救われ、またガトランティス残党軍潜宙艦ハウンド・ドッグを亜空間の藻屑にしたのだ。
だが、この勝利の喜びも束の間、ヤマトのゆく手に憚(はばか)る超巨大な浮遊物体をヤマトのメインレーダーは捉えていた。
それは目視でも確認出来る程の超巨大な浮遊物体であった。




「前方より、十字架を逆さにしたような小惑星、接近!」
「…ん!?接近!?」メインレーダーを監視する桜井が報告を入れようとしたが、被せるように古代が、口を開いた。

「桜井!良く見てみろ!」
「あれは小惑星何かじゃない!」
「あれは…あれは超巨大戦艦ガトランティスだ!!」


※イメージ曲【宇宙戦艦ヤマト2199~星巡る方舟(蛮族襲来)】より、引用。

「…超巨大戦艦ガトランティス!?」
「当の昔に沈んだと言うか、消滅したはずでは!?」古代と桜井のやり取りに口を挟む上條。

「ああ。上條。お前の言う通り、19年前にその姿は女神テレサと共に消滅した!」
「だが、あれは間違いなく、あのガトランティスの巨大戦艦、おそらく同型艦だ!」

「いや、しかし、艦長!ガトランティスは消滅と同時に滅んだのではないのですか?」

「ああ。滅んださ。だが、滅んだのは言われる"本隊"であって、残党が居たと考えるのが妥当だ!」
「ガトランティスは、この銀河系に植民地惑星を幾つも、保有していた。」
「当時は植民地惑星の事など、眼中に無かった……。」
「俺たちは当時のヤマトのクルーや地球連邦政府ならびに防衛軍は、目の前の敵の排除だけしか考える余裕が無かった……。」古代はうつむき、拳を握りしめた。

「ガトランティス本隊が地球圏から姿を消して、すぐに暗黒星団帝国の出現、地球の占領等と、たて続いた事でガトランティス残党を見落としていた。」
「例え、残党が居残っていたとしても、ガルマン・ガミラスやボラー連邦と言った星間国家が睨みを効かせていた。」
「時が来れば……なんて思いもあったかも知れん。」
「今、悔やんでも仕方ない事なんだがな。」古代は自分に言い聞かせるように呟いた。

「それより、あの逆十字架の意味が解ったよ。」
「上條、十字架が意味するもの何だ?」

「…十字架と言えば神ですか?」

「そうだ。神だ。だが、奴らガトランティス残党が神ではない。」
古代はタブレットを開き、何やら書きはじめた。

【十字架→神→GOD→逆十字架→DOG→犬。即ち、地獄の番犬=ケロベロスだ! 】

「地獄の番犬=ケロベロス…ですか!?」

「上條、あの超巨大戦艦ガトランティスの奥をよく観てみろ!光点が在るのが解るか?」

「…あっ!解ります!」

「あれが、メッツラーを媒体とした=あの思考ホログラムの言っていた別次元の門だろう!」
「あの門の先に太陽系の星々も、雪も存在する!」


第三話へ
つづく。


この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より、引用した画像でイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。

宇宙戦艦ヤマト復活編ー雪生還編ー第一話②

2020-02-12 23:44:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作





宇宙戦艦ヤマト復活編ー雪生還編ー

第一話②

「ワープアウト!」 「艦内外に異常を認めず。」 「これより、通常航行に移行する。」

「うむ。」

「中西通信長。全艦に通達。」 「各部署は、オートに切り替え、全クルーは大展望室に集合せよ。以上だ。」 中西は艦長古代に言われるがままを通達した。 ざわざわと全クルーがところ狭しと、半鮨詰め状態で、大展望室に集合した。

一分後、艦長古代が姿を現した。

「ヤマトクルーの諸君。」 「これより、ヤマトは赤道祭を行う。」 「諸君らには24時間の休息を与える。」 「その前に、自分から一つ提案したい事を伝える。」

「それは、着任した新たな航海長天城二等空佐に、不在する船務長を兼任して貰いたいと考えている。」

「…艦長。お話中に申し訳ございません。」 「私より、年下ではありますが、上條一等空佐が階級は上です。」 「上條一等空佐が適任かと。」

「その事なんだが、本作戦終了まで、艦長特権により、君を一階級昇進させ、一等空佐と考えている。」 「我々、ヤマトのクルーは本作戦を遂行するにあたり、一枚岩に成らなくては成らないと考えている。」 「是非、君には受けて貰いたいと思う。」

「自分なら構いませんよ。ただし、戦術にあまり口出ししなければですが。」その場の空気をヒンヤリさせる発言をしたのは戦術長の上條であった。

「上條。君の意見は分かった。」 「だが、先ほども述べたように一枚岩が欠かせない。」 「素早い判断、素早い行動が不可欠である。」 「どんなに優れた戦術でも、それを判断し、行動出来なければ、ヤマトに限らず負ける。」 「一枚岩に成るには全クルーの判断が不可欠と思う。」 「自分が提案した天城二等空佐の船務長兼任に賛成か反対かを聞かせて欲しい。」

「自分は賛成です。」最初に口を開いたのは、機関部を預かる徳川機関長だった。

「自分等は賛成する。」

「俺たちも構わないぜ。賛成だ。元々、部下だったからって訳ではないが。」新たに着任した海兵クルーと甲板クルーが賛同した。

「賛成します。」折原が続いた。

「私も賛成。俺も。」コスモパルサー隊隊長の小林、艦医を兼任する佐々木もまた、賛同した。 ポツリポツリと賛同する声が上がった。 古代は、ゆっくりと全体を見回した。

「反対する者は?」古代がそう問いかけた時であった、佐々木艦医の影から声が上がった。

「…わたしも賛成。」

古代美雪の声であった。 地球を脱出する際に一時は拒んでいた美雪だが、「お母さんを助けよう。」と父である進の言葉に、進が搭乗するコスモゼロで脱出し、そのままヤマトに乗艦、元艦医の佐渡の経営するフィールドパークで過ごしていた事もあり、簡単な手当ては心得ていた。 その為、進は佐々木艦医に頭を下げ、そばに置いて貰っていたのだ。

進は軽く笑みを浮かべて見せた。

「反対者、無し。よって天城二等空佐を現時点を持って本作戦終了まで、一等空佐に昇進、船務長と航海長を兼任して頂く。」

「天城一等空佐。引き受けて貰えるか?」

天城は一瞬、眼を閉じ、ゆっくりと深呼吸し、再び眼を開け、「解りました。船務長兼任を拝命します。」

「うむ。」 「これより、天城一等空佐は船務長を兼任する事と成った。」 「諸君らの協力に期待する。この件については以上だ。」

「これより24時間の赤道祭を開催する。」 「諸君らも知っての通り、この宙域には赤道はないが、およそ24時間後、ヤマトは、この銀河中心外縁部を超え、中心部へと突入する。」 「その境目であるこの外縁部を赤道に見立て、本作戦の成功させる為、赤道祭を開催する。」

「解散!十二分に鋭気を養い、赤道祭を楽しめ以上だ。」

酒を嗜(たしな)む者、歌を披露する者やものまねをする者、食事に専念する者、筋トレする者、コスプレする者と、それぞれが赤道祭を満喫していた。

だが、そんなヤマトは付かず離れずの距離を保ち、通常のレーダーからは捉えにくい亜空間から監視されていた。

「我が領内に入り込んで来るとはな。」

「通信士。地獄の番犬(ケロベロス)に超亜空間通信にて、報告せよ。」 「ヤマトが我が領内に出現したとな。」

「了解。」

第二話へつづく。


宇宙戦艦ヤマト復活編ー雪生還編ー第一話

2020-02-12 23:33:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作

古代らヤマトのクルーたちの前にメッツラーを媒体とし、再び浮かび上がる異次元の思考ホログラム。

メッツラーは、自分が異なる次元の民であること、その次元には資源が少ないため生きる糧を他の次元に求めていたこと、そしてカスケードブラックホールの正体が他次元から資源となる星々を奪い取るための巨大な次元転移装置であることを暴露し、古代たちを嘲笑いながら去っていった_。

しかし、人工物であることに活路を見出した古代は、次元転移装置の本体を発見させ、トランジッション波動砲6発を一斉射でこれを破壊する。 カスケードブラックホールは消滅し、地球は救われるかに思われた_。

だが、それは違っていた………。

ヤマト乗組員に敬礼を持って見送られながら、地球はカスケードブラックホールに飲み込まれ消滅した。 その後、残存地球人類の救助に当たっていた防衛軍旗艦ブルーアースから入電、観測の結果、地球は銀河中心部の巨大ブラックホールに飲み込まれたことが判明したと告げらた。

「古代艦長。長らく銀河中心部に調査に赴いていた波動実験艦武蔵の報告を纏めたデータが、ここにある。」 ブルーアース艦長から直々にタブレットを観せられた古代。 はじめは動画をサラッと眺めるように観ていたが、所々で気になった場面が存在した。 古代は動画を一時停止しては、気になった場面を人差し指と親指で軽く摘まむように押さえ、上下左右に拡げ、拡大、食い入るように覗き込んだ。

「……これは」と言葉には出さず、古代は心の中で呟いた。

宇宙戦艦ヤマト復活編二次創作

宇宙戦艦ヤマト2220ー雪・生還編ー

前編



残存地球防衛艦隊と合流した宇宙戦艦ヤマトは、物質の補給と修復を終え、何かに気付いた様子の古代は、ブルーアースに地球の最期を見届けると告げ、単艦にてヤマトを銀河系中心部へと発進させようとした。

「古代艦長。待ってください。」少し慌てた様子で、レーダーパネルを覗く桜井が告げてくる。

「何か?」

「ブルーアースより、強襲揚陸艇を曳航する内火艇二隻、接近。」

「その内火艇より、乗艦許可の申請あり。」通信長の中西が桜井の後を追うように告げてくる。

「うむ。回線を繋げ。」

「此方、ブルーアース艦長を兼任する艦隊司令より、貴艦ヤマトへ転属、古代艦長の指揮下へ入るよう命じられた天城二等空佐以下二十名。乗艦を許可されたし。」

「……司令。」

「中西。乗艦許可をだせ。」

「了解。」

こうして、新たに二十名のクルーが加わる事と成り、ヤマト艦内の人事が急遽、行われた。

大きく変わった人事は、航海長とコスモパルサー・チーフパイロットを兼任する小林をコスモパルサー隊隊長とし、航海長を着任した天城二等空佐を選出した。

「小林。君にはコスモパルサー隊隊長に専念して貰いたい。」

「まぁ。俺も兼任は疲れちまうから、了解っス。」

その返事に少し、呆れ顔を覗かせる天城。

天城夕貴(あまぎゆうき)24歳。女性。独身。 現在、艦長職を目指している中、この異常事態に遭遇、昇進試験前に実戦配置されブルーアースの副航海士(長)を務めていた。 今回、急遽、ヤマト転属と成る。 髪はショートカットで黒髪。 日本出身。眼は僅かにつり目で瞳は茶系、赤いルージュが好み。 どちらかと言うと、"姐さん"タイプ。 コスプレが趣味でポールダンスが得意という一面も持ち合わす。 身長は佐々木艦医より、少し高い170Cmであるが、艦内ブーツの踵高を合わせると175Cmと高身長の持ち主。 同乗したコルン=万能ロボットと仲が良い。 一等空佐の昇格試験に一度は合格するも、その祝いの席で酔って絡む上官を失神させ、保留にされた。 原因は、今の時代では珍しい合気道の段を所持しているのにも関わらず、手加減しなかった為とされている。 黒帯を剥奪する事も検討されたが、"護身術"まで取り上げるのはと当時、長官に就任した真田に救われた過去を持つ。 古代がパトロール艇艇長時代に着ていた丈の短い艦長コート、色はライトグレーを基調にブルーの縁、脚にピッタリフィットする白を基調としたパンツタイプをブーツイン。ブーツ色は黒である。 ブルーアースのイメージカラーを制服にした感じてある。 そして、アナライザーとは異なるタイプの自立型ロボット=コルンが佐々木艦医のサポートとして配置された。 コルンは二足歩行タイプで、どちらかと言えばアンドロイドに近い。 佐々木艦医がパイロットとして艦内に不在時、艦医代行を務める。 アナライザーほど砕けた性格は持ち合わせていない。 五指それぞれが更に五本づつに分かれ、端末間入力や手術を行う事が可能。 誰に教わった(インプット)のかは、解らないが、「次はお仕置きよ。」が、口癖である。 指先から超低周波から気でつさせるくらいの電流を放電する事が出来る。 過去にブルーアース内で、セクハラに値するとして、男性クルーに放電、失禁させた事がある。 以後、警告した後、それでも止めない時に放電レベルを上げる事にしている。 身長は165Cm。 女性型二足歩行タイプ万能ロボット。 「コルン」と言う名前は製作者が歴史を勉強中に"アイドル"というものに興味が沸き、そのアイドルに似せて造った為、「コルン」と名付けた。 天城夕貴二等空佐をケアする事が日課に成っている。

この他、陸戦もこなせる海兵クルー11名、甲板クルー8名、合わせて19名が着任した。

「…と言う訳だ。佐々木艦医も協力して貰えるかな?」

「了解。」 「私はパイロットをやれれば、それでいい。」

「コルンには艦橋への入出の許可を与える。以上だ。」

「天城航海長。早速だが、ワープ準備に入ってくれ。」 「目的地は銀河中心部だ!」

「了解。」

「全艦に通達。航海長の天城だ。」 「これよりヤマトはワープに入る。」 「30秒後、ワープに入る。各位、ワープに備えよ。」 着座するとすぐに右前方に設置されたキーボードをカタカタと打ち込み、ワープカウンターに合わせ、操縦悍をクイッと押し倒した。

「ワープ!」

連続ワープによって約1500光年を飛躍したヤマトは、銀河中心部まで2万光年付近に到達した。

第一話②へつづく。



二次創作ーさらば宇宙戦艦ヤマト・サイドストーリー第四話

2020-02-06 00:00:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作

二次創作
さらば宇宙戦艦ヤマト・サイドストーリー

第四話


「左舷のカタパルトデッキは三本とも使用不可!管制ブリッジも…絶望的……」

「格納区、第三、第四、第五ブロック閉鎖!」

「第二航空隊控え室の火災鎮火!しかし、尚も火災の火種は機関区へ移動中!」

「火災の拡大を防ぐ!格納区から機関区を真空化する!」
「待避せよ!繰り返す。格納区から機関区を真空化する!待避せよ!」

緊急アラート、乱立する現場の指示、負傷者の叫び、怒号が飛び交う損傷区画。

そんな事はお構い無しに、射ち漏らしや回避仕切れない流星群にグラーフ・ツェッペリンは、襲われていた。



「窮鼠猫を噛む…噛まれたな。」

「通信長。全艦に通達。」
「これより、我がグラーフ・ツェッペリンは脱走艦撃沈に移行する。」

「古代砲雷長。現時点を持って砲雷長の任を解く。
「新たに特務隊隊長の任を与える。」
「航空隊隊員から数名を選出、先任伍長の城木を逮捕せよ。」

「えっ!?先任伍長をですか?」

「そうだ。この録画を観てみろ。」

艦長席に設置された小型モニタを古代は、覗き込んだ。
作戦開始から三十分程、過ぎた格納庫内の映像が映し出されていた。
甲板クルーたちが、コスモタイガーの最終チェック作業や雷撃機への爆装作業の様子が、映し出されていた。
これと言って変わった様子は伺えないように見えた。
だが、城木先任伍長が映し出された時、一瞬だが、"密航者"と会話している場面が映り込んでいたのだ。
その会話がハッキリと読み取れた。

「破壊しろ。」「分かりました。」である。
勿論、映像には音声までは録音されていないのだが。
読話術を専門としない素人が、観ても解るほどスローで会話している映像だ。



「しかし、この密航者は一体……。」

「その事を含めて尋問する。」
「時間に余裕がない。迅速に頼んだぞ。古代。」
「中と外からの攻撃に、そう長くは持ちこたえられんからな。」
「とは言え、先任伍長に悟られるなよ。」

「了解しました。」

古代に特命を伝えた土方は、古代を支援する為、艦内通信を行わせた。

「通信長。艦内通信だ。」

「格納庫と第一航空隊控え室に繋げ。」

「り…格納庫も、でありますか?」

「そうだ。」

「了解。」

「航空隊隊員。聴こえているか?」
「艦長の土方だ。」
「これより、数名を選出する。古代が指揮を取る。」
「上陸用舟艇に搭乗するメンバーを選出する。選出されたメンバーは古代に従え。」
「上陸用舟艇は着艦口から発艦させる。以上だ。」

「船務長。船務長は砲雷長を兼任せよ。」

「了解。」

「通信長。第一攻撃機隊に通達。」
「流星群への攻撃を中止、別命あるまで、散開して待機せよ。」

「了解。」

先の艦内通信に「マジ」かよと、格納庫のクルーたちは顔を覗かせていた。

「どんな作戦を考えたんだ艦長は?」

「知らんよ。俺に聞いて解るかよ!」

「確かに。だけど、カタパルトも無いのに、どうやって発艦させんだ?」

「はぁ!?お前、知らんのか?」
「上陸用舟艇は、垂直離陸が可能でホバリングも可能な優れ物だぞ。」
「空間騎兵隊が使っての観た事あんだろ!?」
「ガミラスと戦ってた頃、まだヤマトが完成するかしないかの頃、迎撃に失敗した遊星爆弾が、月面基地に落ちて来た時に、お前も乗っただろ。俺と一緒によ。」

「ああ。アレっすか!」

「そうだよ。アレだよ。」





「あん時の隊長さん。元気にしてるんスかね?」

「第十一番惑星で守備隊の隊長やってるって言ってたな。」
「そんな事よか、発艦に備えねぇと、このままじゃ、マジ沈むぜ。」






「レイピア。また勝手な行動を。」
「大帝からの伝言を伝える。早々に、引き上げよ。」

「お姉様。お言葉ですが、地球を我が帝国の"献上品"に、あと一歩のところです。」
「あと少し、お待ち下さいませ。」

「……戯(たわ)けた者!」
「今はまだ、力を蓄える時ぞ!」
「他次元の力を借りたに過ぎんのだ。」
「聞き分けろ!レイピア!」

「………。」

「!?どうした?超空間通信が途切れたぞ。」

「サーベラー様。申し訳ございません。」
「超空間通信はレイピア様がお切りに成りました。」
サーベラーの側近、ゲーニッヒ参謀が頭(こうべ)を垂れ、告げた。

「戯(たわ)けた事を…。」


第五話へ
つづく。


この物語りは、私設定が混ざった「さらば宇宙戦艦ヤマト」の二次創作です。
イスカンダルの航海後から白色彗星帝国出現までの約一年間の間のほんの僅かな隙間のオリジナルエピソードです。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶また、さらば宇宙戦艦ヤマトー愛の戦士たちー」等の設定資料から引用。

二次創作ーさらば宇宙戦艦ヤマト・サイドストーリー第三話

2020-02-03 11:09:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作

二次創作
さらば宇宙戦艦ヤマト・サイドストーリー

第三話




「サーベラー。」
「サーベラーは居らぬか?」何処からともなく漆黒の宇宙に、野太い声だけが聴こえて来る_。

「はい。ここに居ります。」方膝を付き、右腕を胸に当て、頭(こうべ)を垂れるサーベラー。

「サーベラーよ。」
「貴公の妹レイピアが動いているようだが、何を考えている?」
「我らを封じた楔(くさび)は解かれたとは言え、今はまだ、力を蓄える時。」
「あのテレサを押さえつける事が先決な時。」
「早々に、下がらせろ!」

「ハハッ!」

漆黒の宇宙に静けさが戻る。


※イメージ曲【さらば宇宙戦艦ヤマト・白色彗星】より、引用。


ー火星圏・アステロイドベルトエリアー






「脱走艦に告ぐ!」
「此方は地球連邦防御軍・太陽系警務艦隊旗艦グラーフ・ツェッペリン。」
「艦(ふね)を明け渡し、投降せよ。」
奪取されたプロトタイプ宇宙戦艦との距離27万キロ地点で、土方は一度、速度を落とし、プロトタイプ宇宙戦艦に対し、警告を発した。
その土方は同時に同行する古代に艦砲射撃、警告弾の発射を命じた。

「砲雷長。艦砲射撃だ。」
「警告弾を射て。」

「了解。」
「第一、第二主砲撃ち方よーい。」
「第一主砲は目標艦、右翼を掠めさせよ!」
「第二主砲は初弾装填して待機せよ!」



「艦長。これで投降するとも思えませんが。」と古代が言った時であった、広域レーダーを監視するオペレーターから「目標艦、発砲!」の報告が飛び込んだ。

「航海長!回避だ!」
「右舵15度、転舵!」その命令が発っせられると、ほぼ同時に航海長の右手は自席、右前方のキーボードを「カタカタ」と、コースを素早く打ち込み、左手で左前方のキーボードに噴射させる姿勢制御噴射ノズル番号を入力した。
コンマ2秒後、艦首の向きと艦体の角度が変わった。

「……ヤマトとは大違いだ。」船務長席を挟んで、砲雷長席に座る古代が呟くように言った。

「通信長、艦内通信。」
「管制ブリッジと航空隊控え室へ繋げ。」

「了解。」

「管制ブリッジ及び航空隊は発艦準備!」
「第一攻撃機隊、第一雷撃機隊は直ちに発艦せよ!」

慌ただしく動き出す航空隊控え室。
格納庫内の重力が無重力から三分の二の重力下に変わった。
軽くジャンプすれば「フワリ」と浮くが、暫くすると自然に降りて来る。
重さは僅かに感じる程度だ。

「雷撃機、出すって事は土方艦長、目標艦を沈める気か?」

「そうなんじゃない。」
「なんか勿体な気もするけど、こっちが沈むよりかマシなんじゃない。」

「でも、相手は地球人だろ!?」

「ほら!お前ら、私語は慎め!」
「爆装をさっさと終わらせんよ!」

「すっ!すみません!掌帆長!」掌帆長=先任伍長の叱責に甲板クルーたちは、きびきびと動き出す。

「クックックッ。」不適な笑みを浮かべる掌帆長城木の眼が赤く光る。
「雷撃機がカタパルトに接続された時が楽しみだな。」


「脱走艦!警告に従う様子は伺えない!」船務長の指原が口を開いた。
「やはり、艦長。拿捕は難しいのでは!?」

「おそらくな。はじめから投降などする気はない。」
「後ろで、おそらく何かは解らんが、大きな組織的なものが糸を引いていると思うんだが。」

「では、艦長はまだ、内部=司令部に賛同者が居ると?」
「確かに、そう考えれば辻褄は合います。」

「おそらく、このクーデターの発案者だろうな。」

そんな会話の腰を折るように広域レーダーを監視するオペレーターから新たな情報が飛び込む。

「アステロイドベルトエリアから小隕石群接近!」
「流星群!此方(グラーフ・ツェッペリン)に向かって来ます!」

「…何!?」
「奴らマグネトロンウェーブを使用したか?」

「第一攻撃機隊、発艦急げ!」
「向かって来る流星群を墜とせ!!」



「砲雷長!主砲一斉射撃!」
「目標!流星群!」
土方の命令にグラーフ・ツェッペリン両舷側に設置された六本のリニアカタパルトから3機づつ、コスモタイガー攻撃機隊が順次に発艦してゆく。
同時に艦を流星群に対し平行に舵を切り、12門の主砲を斉射させた。
第一攻撃機隊の発艦が完了、続いて脱走艦を航行不能へすべく、コスモタイガー雷撃機の発艦体制に入った。
攻撃機同様に3機づつ、リニアカタパルトへ接続されてゆく。
6機目が接続された時であった、その6機目が突如、爆発、炎上した。
グラーフ・ツェッペリンが左舷に大きく傾く。

「…何処からの攻撃だ!」
「被害状況を知らせろ!」
「艦内のダメージコントロールを急げ!」矢継ぎ早に土方の指示が飛ぶ。

目まぐるしいほどにメインブリッジも管制ブリッジ、格納庫内はダメージコントロールに追われていた。
なんとか4機目の誘爆で被害拡大を辛うじて防ぐが、あくまでも応急に過ぎない。

土方は握り拳を震わせた_。




第四話へ
つづく。


この物語りは、私設定が混ざった「さらば宇宙戦艦ヤマト」の二次創作です。
イスカンダルの航海後から白色彗星帝国出現までの約一年間の間のほんの僅かな隙間のオリジナルエピソードです。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶また、さらば宇宙戦艦ヤマトー愛の戦士たちー」等の設定資料から引用。