鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

二次創作ーさらば宇宙戦艦ヤマト・サイドストーリー第三話

2020-02-03 11:09:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作

二次創作
さらば宇宙戦艦ヤマト・サイドストーリー

第三話




「サーベラー。」
「サーベラーは居らぬか?」何処からともなく漆黒の宇宙に、野太い声だけが聴こえて来る_。

「はい。ここに居ります。」方膝を付き、右腕を胸に当て、頭(こうべ)を垂れるサーベラー。

「サーベラーよ。」
「貴公の妹レイピアが動いているようだが、何を考えている?」
「我らを封じた楔(くさび)は解かれたとは言え、今はまだ、力を蓄える時。」
「あのテレサを押さえつける事が先決な時。」
「早々に、下がらせろ!」

「ハハッ!」

漆黒の宇宙に静けさが戻る。


※イメージ曲【さらば宇宙戦艦ヤマト・白色彗星】より、引用。


ー火星圏・アステロイドベルトエリアー






「脱走艦に告ぐ!」
「此方は地球連邦防御軍・太陽系警務艦隊旗艦グラーフ・ツェッペリン。」
「艦(ふね)を明け渡し、投降せよ。」
奪取されたプロトタイプ宇宙戦艦との距離27万キロ地点で、土方は一度、速度を落とし、プロトタイプ宇宙戦艦に対し、警告を発した。
その土方は同時に同行する古代に艦砲射撃、警告弾の発射を命じた。

「砲雷長。艦砲射撃だ。」
「警告弾を射て。」

「了解。」
「第一、第二主砲撃ち方よーい。」
「第一主砲は目標艦、右翼を掠めさせよ!」
「第二主砲は初弾装填して待機せよ!」



「艦長。これで投降するとも思えませんが。」と古代が言った時であった、広域レーダーを監視するオペレーターから「目標艦、発砲!」の報告が飛び込んだ。

「航海長!回避だ!」
「右舵15度、転舵!」その命令が発っせられると、ほぼ同時に航海長の右手は自席、右前方のキーボードを「カタカタ」と、コースを素早く打ち込み、左手で左前方のキーボードに噴射させる姿勢制御噴射ノズル番号を入力した。
コンマ2秒後、艦首の向きと艦体の角度が変わった。

「……ヤマトとは大違いだ。」船務長席を挟んで、砲雷長席に座る古代が呟くように言った。

「通信長、艦内通信。」
「管制ブリッジと航空隊控え室へ繋げ。」

「了解。」

「管制ブリッジ及び航空隊は発艦準備!」
「第一攻撃機隊、第一雷撃機隊は直ちに発艦せよ!」

慌ただしく動き出す航空隊控え室。
格納庫内の重力が無重力から三分の二の重力下に変わった。
軽くジャンプすれば「フワリ」と浮くが、暫くすると自然に降りて来る。
重さは僅かに感じる程度だ。

「雷撃機、出すって事は土方艦長、目標艦を沈める気か?」

「そうなんじゃない。」
「なんか勿体な気もするけど、こっちが沈むよりかマシなんじゃない。」

「でも、相手は地球人だろ!?」

「ほら!お前ら、私語は慎め!」
「爆装をさっさと終わらせんよ!」

「すっ!すみません!掌帆長!」掌帆長=先任伍長の叱責に甲板クルーたちは、きびきびと動き出す。

「クックックッ。」不適な笑みを浮かべる掌帆長城木の眼が赤く光る。
「雷撃機がカタパルトに接続された時が楽しみだな。」


「脱走艦!警告に従う様子は伺えない!」船務長の指原が口を開いた。
「やはり、艦長。拿捕は難しいのでは!?」

「おそらくな。はじめから投降などする気はない。」
「後ろで、おそらく何かは解らんが、大きな組織的なものが糸を引いていると思うんだが。」

「では、艦長はまだ、内部=司令部に賛同者が居ると?」
「確かに、そう考えれば辻褄は合います。」

「おそらく、このクーデターの発案者だろうな。」

そんな会話の腰を折るように広域レーダーを監視するオペレーターから新たな情報が飛び込む。

「アステロイドベルトエリアから小隕石群接近!」
「流星群!此方(グラーフ・ツェッペリン)に向かって来ます!」

「…何!?」
「奴らマグネトロンウェーブを使用したか?」

「第一攻撃機隊、発艦急げ!」
「向かって来る流星群を墜とせ!!」



「砲雷長!主砲一斉射撃!」
「目標!流星群!」
土方の命令にグラーフ・ツェッペリン両舷側に設置された六本のリニアカタパルトから3機づつ、コスモタイガー攻撃機隊が順次に発艦してゆく。
同時に艦を流星群に対し平行に舵を切り、12門の主砲を斉射させた。
第一攻撃機隊の発艦が完了、続いて脱走艦を航行不能へすべく、コスモタイガー雷撃機の発艦体制に入った。
攻撃機同様に3機づつ、リニアカタパルトへ接続されてゆく。
6機目が接続された時であった、その6機目が突如、爆発、炎上した。
グラーフ・ツェッペリンが左舷に大きく傾く。

「…何処からの攻撃だ!」
「被害状況を知らせろ!」
「艦内のダメージコントロールを急げ!」矢継ぎ早に土方の指示が飛ぶ。

目まぐるしいほどにメインブリッジも管制ブリッジ、格納庫内はダメージコントロールに追われていた。
なんとか4機目の誘爆で被害拡大を辛うじて防ぐが、あくまでも応急に過ぎない。

土方は握り拳を震わせた_。




第四話へ
つづく。


この物語りは、私設定が混ざった「さらば宇宙戦艦ヤマト」の二次創作です。
イスカンダルの航海後から白色彗星帝国出現までの約一年間の間のほんの僅かな隙間のオリジナルエピソードです。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶また、さらば宇宙戦艦ヤマトー愛の戦士たちー」等の設定資料から引用。

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