地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

ナポリの研究所

2009-10-11 | ひと
遺跡での調査の合間に,ナポリ市内にあるリモートセンシングの研究所に行きました.先日,台湾で,斜面崩壊の研究で有名なFausto Guzzettiに会った際に,ナポリに知り合いのRiccardo Lanariがいるので,会ってみたらと言われました.そこで,FaustoからRiccardoに連絡をとってもらいました.

Riccardo(写真の左から2人目)は合成開口レーダー(SAR)の専門家で,地殻変動の検出などの地学的な応用を行っています.スペースシャトルが取得した世界の地形データ(SRTM)の初期処理にも関与した人で,その際にNASAから贈られた感謝状が彼の部屋に飾ってありました.

最初に,彼のグループのメンバーの前で僕がプレゼンをしました.陰影図を用いた活断層の認定に関する研究で,金沢大の青木君や国立台湾大の松多君と行ったものです.途中のジョークで,元ローマ教皇のヨハネ・パウロ二世の写真を出したところ,とてもウケました.これは以前にイギリスでも試したジョークですが,やはりイタリアの方が反応が良好でした.

次にRiccardoが,イタリアやカリフォルニアを対象とした研究を発表してくれました.最近,日本でもALOS衛星(だいち)のSARを用いた地盤変動の検出がしばしば行われますが,この分野はヨーロッパの方が活発といえます.検出の時空間解像度の高さに感心させられました.

その後,Riccardoが同じビルの中にある「ヴェスヴィオ火山観測所」に連れて行ってくれました.この観測所は,元々はヴェスヴィオ山の中腹に1845年に設置され,世界最古の火山観測所として知られています.今はナポリ市内に移りましたが,名前は維持されています.ここには,ヴェスヴィオ,エトナ,ストロンボリといった火山に設置された地震計のデータが,リアルタイムで送られてきており,写真のように多数のスクリーンに表示されています.火山性地震,斜面崩壊による震動,および車の通行による震動の波形の違いを教えてもらいました.

And earthquakes are to a girl's guitar.
They're just another good vibration.
(Californication / Red Hot Chili Peppers)

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