地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

信州ソーヴィニヨン・ブラン

2010-05-28 | お酒
世界のワインを紹介する有名な本,Hugh Johnson's Pocket Wine Bookには,日本のワインに関する簡単な記述があります.そこでは主要なワイン産地として,最初に山梨と長野が記されており,次に山形と北海道が記されています.

山梨と長野では,内陸で相対的に乾燥した気候とともに,火山灰に覆われた扇状地の存在がブドウの栽培に寄与しています.15年くらい前に,アメリカとヨーロッパの地形学者を塩尻市の扇状地に連れて行き,最終氷期に形成された地形面を見せました.その時に,面の上のワイナリーに行って「五一ワイン」を買いました.日本の昔のワインで多かった,マスカット系の超甘口でしたが,外国人も「これはこれで良い」という感じで飲んでいました.

最近は辛口の日本ワインが増え,質も向上しています.とくに甲州種の白ワインの進歩が顕著です.しかし,僕が個人的に好きなソーヴィニヨン・ブランの白ワインは,ほとんど見たことがありませんでした.

ところが連休に実家に帰省した際に,近くのデパートでハーフ・ボトルの「信州ソーヴィニヨン・ブラン」をみつけました.産地は松本市の北方にある池田町で,僕の修論の調査地です.さっそく購入し,実家でいただきました.味は紛れもなくソーヴィニヨン・ブランでした.ニュージーランド産やチリ産の風味とは異なりましたが,よくここまで頑張ったと思いました.

ネットで調べたところ,山梨や長野で,ソーヴィニヨン・ブランのワインが少しずつ生産されているようです.日本の自然条件に適しているのかはわかりませんが,困難があっても日本人のお家芸である繊細な工夫により,質が上がっていくのではと期待しています.

Where is the wine.
The new wine.
(An American Prayer / Doors)

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