「原理講論」の誤謬と正解

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金東俊教授の指摘(1)「蕩減」と「容赦」

2024年02月14日 | 資料

※金東俊神田外大名誉教授(文学博士。NHKハングル講座元講師)
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■辞書は必ずしも理想的ではない

金教授に
「『蕩減』は韓日辞書に『帳消し』と書いてあります。」
と申し上げると先生は、

「『帳消し』と言えば全額免除するという意味になります。
『蕩減』は『減額』です。100万円借金があるとすれば、それを50万にすると言うような」

このことは度々強調しておられました。
このことを通して「蕩減」とは辞書に一言で書き表せるようなものではなく、
辞書ですら必ずしも十分でないことを初めて知りました。

■「ゆるし」の韓国語訳

更に金教授に
「『蕩減』と言う言葉が聖書の中で、『罪の赦し』の比喩として出てくるのです。」
と申し上げると先生は、

「『蕩減』は金銭的な時にしか使いません。こういう場合(聖書)には、
『용서(容赦)』と言います。」

確かに韓国語聖書に使われている「ゆるし」の訳は、多い順番に、

「용서(容赦) =赦し 」37箇所、

「면제(免除) =免除」6箇所、

「탕감(蕩減)=帳消し」5箇所

となっております。
キリスト教で「罪の赦し」という場合、主に「용서(容赦) 」が使われますが、
確かに心情的な意味は「탕감(蕩減)」では表しにくいのではないでしょうか。

■韓国語聖書のルーツ

金教授
「キリスト教が中国から韓国に入って来たとき、韓国の聖書は中国の漢文から訳された。」

そこで韓国語聖書で「蕩減」と訳されている部分を中国語聖書で見ると「債的追討」、
「恩免」、「免了」となっております。

特に新約聖書マタイ18/32で「蕩減」が登場する部分の中国語は「免了」です。
これは「免除」の意味です。これも負債を完全に免除するというニュアンスになります。
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