金百文著「聖書（新約）神学 天國論」

目次
Ⅰ．天国思想の由来と概念（総緒）
Ⅱ．天国教示の概念
　１．救援と天国論
　２．心霊天国論
　３．神天国論

第Ⅰ章　救援と天国論
　第１節　天国（救援）の関門
　　１．絶対的関門
　　２．相対的関門
　第２節　天国（救援）の基本律
　　１．義の性理論的　本質問題
　　　A. 義の永遠性
　　　B. 義の審判性
　　　C. 義の主管性
　　２．義の実践的　基準問題
　　　A. 立法的　法義
　　　B. 道徳的　義
　　　C. 宗教的　信義（神義）
　　３．義の人格的現実性（福の概念）
　　　A. 慕義
　　　B. 為義
　　　C. 義苦と為主
　第３節　救援の対象と原理
　　１．救援の対象問題
　　２．救援の原理（概念）
　　　A. 新生命の原因解決（対象）
　　　B. 新生命の原理、救援の永生原理
　　３．救援の結果的資格問題
　　　A. 救援の不成（事）原因
　　　B. 救援成果の差異

第Ⅱ章　心霊天国
　第１節　心霊（信仰）の基本態度
　　１．心霊の修養期
　　　A. 心霊（貧）
　　　B. 哀痛
　　　C. 温柔
　　　D. 慕義
　　　E. 慈悲
　　２．心霊の使命期
　　　A. 心清
　　　B. 和睦
　　　C. 為主と使命
　第２節　心霊天国の本質と価値
　　１．心霊天国の本質問題
　　　A. 真理の解放
　　　B. 人格的善
　　２．心霊天国の価値と栄光
　　　A. 神の子女になった栄光
　　　B. 無敵の栄光
　　　C. 不絶愛の栄光
　　　D. 神人一体の栄光
　　　　（１）神の聖殿になった心霊（神人一体の原理）
　　　　（２）三位神の証拠

第Ⅲ章　神天国論
　第１節　神天国の国体論
　　１．天国国体の構成現象
　　　A. 生（霊）物世界の構成現象
　　　　１）二十四長老
　　　　２）天軍、天使
　　　　３）四霊物
　　　　　一）内外的に満ちた目
　　　　　二）直行で回身しない霊物
　　　　　三）六翼の霊物
　　　　　四）残りの二翼で
　　　B. 天体構成
　　　　１）天城
　　　　２）天城の門
　　　　３）天城の基
　　　　４）天城の各種名称
　２．天国の組織的世界上（内容性）　
　　　A. 三層天と各級世界
　　　B. 三位一体的統一世界
　　　　１）父位神性と天国
　　　　２）子位神性と天国
　　　　３）聖霊神性と天国
　　　C. 肢体的源相世界
　３．天国の秩序制度
　　　A. 神天国の神観
　　　　１）子羊になられた神
　　　　２）アルファとオメガの神
　　　　３）人子の名義
　　　B. 神の宝座と主軸制度
　　　C. 天門の四・三制度
　第２節　天国の国権論
　　１．救援律
　　　A. 救援の自律論
　　　B. 一人単位の救援律
　　２．報償律
　　　A. 賞則
　　　B. 罰則
　　３．心霊（生命治理）
　　　A. 生命冊
　　　B. 生命樹
　　　C. 生命水
　第３節　神天国の国民論
　　１．霊人と生霊論（霊の本質的性格）
　　　A. 第一霊物
　　　B. 第二霊物
　　　C. 第三霊物
　　　D. 第四霊物
　　２．神霊と衆子論
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アダムが生まれたのはいつか？（４）～言語より～

　

左：言葉の獲得 - 咽頭の変化 - 人とサル
中：アウストラロピテクスの発声能力
右：人類の進化過程の復元予想図

 

★１-2でわかったように、人類の先祖を辿ったとしても、それが言語を使い、理解する能力が備わっていたか？という問題に辿り着く。

言語からのアプローチもまだ調査途上です。
文師の１０通りの御言葉から各時代のヒトの頭部断面図を想像してみると、人の言葉を話せるようになったのはいつ頃でしょうか？

アウストラロピテクスの化石から頭部断面図をみると、まだ人の言葉は話せなかったようです。話せるようになったのはホモサピエンスの時代に入ってから。即ちネアンデルタール人以降のようです。

しかしネアンデルタール人の前頭葉はクロマニヨン人より遥かに発達が遅れており、難しい話、倫理観、宗教性を現代人並みに理解出来ていたかどうか…

言語の獲得と人類の進化
化石から見た発声の起源
言語の起源 - Wikipedia

聖書を信じるなら、アダムは古代ヘブライ語を使っていたことになるのでしょうか？

アダムの言語 - Wikipedia

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アダムが生まれたのはいつか？（３-3）～アダムの霊人体～

●故林信子役事の説教より（'77.3）
「アダムを土から作られたのではなくて、実際には既に多くの人間がおりました。」

●第十二回「世界統一国開天日」の御言葉　1999年10月3日
「アダムにはへその緒があったので、母親がいたのです。」

現在、人類の起源は「ミトコンドリア・イブ」という学説によって12～20万年前と推定されておりますが、仮にその学説が証明されて一人の人間に辿りついたとしても、これまで見て戴いた内容から、それはアダムではないことになります。

では「アダムはどこから来たか？」「霊人体はどこから来たか？」
ここで「アダムの霊人体だけは天から来た」と言う考え方は既に文師が否定しておられます。

●史吉子先生による文師の御言葉（1999年10月）
「神様はそんな原理的でない（聖書に書いてあるように産まれた瞬間に鼻から霊人体が入る）ことはされない。精子と卵子が結合する時に『霊人体の種』ができる。」

文師が言われる「原理的」とはどういうことでしょうか？

■ミトコンドリア‐イブ【mitochondrial eve】（大辞泉））

■ミトコンドリア・イブ（Wikipedia））

■Y染色体アダム（Wikipedia））

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　　　　　　　　　　　　　【INDEX】

アダムが生まれたのはいつか？（３-2）～霊人体が入ったのはいつか？②～

史吉子先生への質問　～胎児の霊人体～

（2000年8月31日）

従来霊人体は子供が生まれ落ちる瞬間に入ると小山田副会長（当時）を初めとして指導者方から講義を受けておりました。家庭修でも、「胎児が奇形であることが分かった場合、母胎が危険にさらされる場合は中絶しても良い」と指導されました。

ところが、史吉子先生が文師に質問した時、「霊人体は精子と卵子が結合する時にできる」と言われたと知り、私は大変驚き、「これはみんな今まで大変なことをしてきたのではないか？　堕胎は殺人ではないか。」と。

 

■「胎児の霊人体」についての質問

質問：
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史吉子先生は近年韓国における説教の中で、先生に直接質問をされたときのお話をされ、史先生が「子供は産まれた瞬間に鼻から霊人体が入るのですか？」と質問したところ、先生は「神様はそんな原理的でないことはされない」と言われ、「精子と卵子が結合する時にできる」と答えられたと伺いました。

そうなりますと従来家庭部や、「伝統（第一巻）」で語られている事、更には大母様の御言葉と矛盾が生じてきますが？
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史先生：
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私がかつて米国で先生に「聖書に書いてあるように、子供は産まれた瞬間に鼻から霊人体が入るのですか？」と質問したところ、先生は「精子と卵子が結合する時に『霊人体の種』ができる。それが生まれ落ちて空気に触れ、息を吸い込む時に霊人体の成長が始まる」と言われました。
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質問：
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それでは胎教は必要ないということでしょうか？（「伝統（第一巻）」では否定されている）
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史先生：
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先生は「人間の一生が如何なるものかによって、霊界の位置が決まるように、胎中での１０ヶ月間がその人の生涯を決める。」と言われました。
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質問：
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それは「空気に触れて始めて霊人体の成長が始まる」という事と矛盾しませんか？
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史先生：
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それは私にも分かりません。清平で聞いて下さい。
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質問：
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ところで、「中絶」は理由によっては許されるのでしょうか？
それとも殺人に匹敵する罪なのでしょうか？
（「伝統（第一巻）」では容認されている）
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史先生：
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（しばらく考えられて）それは、良くないと思います。
先生は「避妊をするな」とも言われておられます。
（それ以上に関しては分からないので清平で聞いて下さいとの事でした。）
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アダムが生まれたのはいつか？（３-1）～霊人体が入ったのはいつか？①～

●故林信子役事の説教より（1977.3）

「聖書に書いてあるように、神は何もないところからアダムを土から作られたのではなくて、実際には既に多くの人間がおりました。

創世記２章２４節に『それで人はその父と母を離れて、妻と結び合い、一体となるのである。』とあるようにアダムには父母がおりました。またカインが追放された直後に突然多くの人々が登場しますね。

アダムが人類始祖というのは、神から『神の子』として初めて認定されたのがアダムだったということであって、人間自体はアダムが生まれる前から既に大勢存在していたのです。

創世記２章７節に『主なる神は土のちりで人を造り、命の息をその鼻に吹きいれられた。そこで人は生きた者となった。』と書いてあるように、このとき霊人体が入ったのです。」

即ち、一般人が生物学的、人類学的に「人」と言っているものとは根本的に定義が異なるということです。

林信子役事（通称・林ママ）
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日本統一教会本部三役事の一人。1967年6月17日、松本道子役事、金成治子役事と共に日本統一教会の三役事に決定。特に久保木会長を霊的に支える立場。知情意を代表する三人と言われる。1978年6月27日昇華。
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この林役事のお話を検証してみました。

創世 2:24　
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「それで人はその父と母を離れて、妻と結び合い、一体となるのである。」
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確かに父と母が存在したと書いてあります。

創世 4:14～16
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「あなたは、きょう、わたしを地のおもてから追放されました。わたしはあなたを離れて、地上の放浪者とならねばなりません。わたしを見付ける人はだれでもわたしを殺すでしょう」。主はカインに言われた、「いや、そうではない。だれでもカインを殺す者は七倍の復讐を受けるでしょう」。
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「わたしを見付ける人」という人間が突然登場します。この段階で人類は他にはアダムとエバの二人しかいなかった筈です。しかも「だれでも」とあるように、複数の人間が存在していることが分かります。即ち、他にも大勢の人間がこの時点で既に存在していたと思われます。

その「人」たちもアダムとエバの子だったのでしょうか？　言うまでもなく違う血統の人々であり、異邦人でしょう。即ち、アダムの時代に既にアダムの血統以外の「人」が多く存在していたことになります。

創世 4:16
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カインは主の前を去って、エデンの東、ノドの地に住んだ。 カインはその妻を知った。彼女はみごもってエノクを産んだ。カインは町を建て、その町の名をその子の名にしたがって、エノクと名づけた。」
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ここでも突然「妻」が登場します。その人物は当然、アダムとエバの子ではない「人」であり、異邦人でしょう。また「町を建てた」と言うことは、無人の原野に一家族が家を建てただけでは使わない言葉です。これは言うまでもなく、多くの異邦人を従わせて町の長となったということでしょう。 

この林役事のお話に代表されるような解釈が私が７０年代、幹部や先輩方から聞き、当然のこととして理解していた解釈です。

 

●胎児の霊人体はいつ入るか？

因みに「胎児の霊人体はいつ入るか？」についてはどのように教えられて来たか？

　1980.9　小山田先生
　「胎児は生れ落ちた直後、最初に息をする時に霊人体が入る」

ここで問題になったのが、

①堕落人間が堕落の血統から生まれて来るというなら、ではこの時、天から来る霊人体は、いつ堕落したのか？

②堕胎（中絶）しても良いか、悪いか？

　「流産、死産した胎児には霊人体は入っていない。
　だから事情があれば中絶しても良い。
　名前はつけない。埋葬する必要はない。」

これが長らく統一教会（特に家庭部）の理念として指導されてきました。
ところが後に、これとはかなり異なる御言葉が登場します。

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