「原理講論」の誤謬と正解

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原理講義の間違い例「生めよ(פרו)」

2024年04月15日 | 検証・解説

④ 『生めよ』         画像クリックで動画起動

統一原理講座 第4講「創造原理3 創造目的」   (7:35~)

「『生めよ』、英語の聖書では『Be fruitful』、訳せば『熟しなさい』
 つまり『人間として成熟』しなさい。個性や人格を完成するということです。」

★ ヘブライ語「生めよ(פרו ペルー)」は「人格完成せよ」という意味にはならない。

創世記1章28節
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神は彼らを祝福して言われた、「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ。また海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての生き物とを治めよ」。
ויברך אתם אלהים ויאמר להם אלהים פרו ורבו ומלאו את הארץ וכבשה ורדו בדגת הים ובעוף השמים ובכל חיה הרמשת על הארץ
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ユダヤ教正統派信者との質疑応答記録

質問:「פרו ペルー)」(創世記1/28)の意味は?。
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ヘブライ語聖書(旧約聖書)の中で神が人間に対して最初に発した命令は創世記1章28節の
ヘブライ語で「ペルー(実を結べ)」です。一般に英語で「Be fruitful」、日本語で「生めよ」と
訳されております。これを「(人格的に)成熟せよ」と解釈することは可能なのでしょうか?
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ユダヤ教正統派信者からの回答
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ヘブライ語「ペルー」(命令形)は直訳すると「自分自身フルーツのようになりなさい」、
即ち「フルーツのように実り多く増えなさい」という意味です。
「成熟せよ」という解釈があるとすれば、ユダヤ教の解釈じゃないですね。

ユダヤ教のトーラ(フマッシュ)の英語版(ストーン版)の解説は、「…神の御意志に従って、
世界に人間が増えることになる。これを怠る者は肯定的(ポジティブな)戒律を無効にすると
いうことで大きな罰を受ける。

その行為(子供を故意に持たないということ)は世界に人間を増やすという神の御意志に
従いたくないという気持ちの表れだからである」とあります。

ユダヤ教ではトーラの内容は書いてある通り理解しなければならず、個人による意味の解釈
は禁止されています。

解釈の違いによって宗派が続々誕生したキリスト教との違い、ユダヤ教は
「トーラの内容は付け加えても削ってもならない」という原則のもと5000年以上分裂せずに
存続し続けているわけです。
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ユダヤ教でヘブライ語「ペルー(実を結べ)」は文字通り「子を生め」ということだ。
 また、第二章「堕落論」で「木」は人を象徴するなら、実るのは「子」となる。
 更に下記のことからも判る。

「生めよ」はアダム以外にも発せられている
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1.鳥や魚たちに対して 創世記1章21節
「神はこれらを祝福して言われた、「生めよ、ふえよ、海の水に満ちよ、また鳥は地にふえよ』」。
ויברך אתם אלהים לאמר פרו ורבו ומלאו את המים בימים והעוף ירב בארץ

2.人に対して 創世記1章28節
「神は彼らを祝福して言われた、「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ。』」
ויברך אתם אלהים ויאמר להם אלהים פרו ורבו ומלאו את הארץ וכבשה ורדו בדגת הים ובעוף השמים ובכל חיה הרמשת על הארץ

3.ノアとその子らに対して 創世記9章1節
「神はノアとその子らとを祝福して彼らに言われた、『生めよ、ふえよ、地に満ちよ。』」
ויברך אלהים את נח ואת בניו ויאמר להם פרו ורבו ומלאו את הארץ׃
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★ 鳥や魚、ノアとその子らに対しても「個性完成せよ」と神が言ったことになる


 因みに話は異なるが、「ノアはその時代の人々の中で正しく、かつ全き人であった」とあるが、
 これは「完全な人」という意味ではない。

ノアは「全き人」の意味
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創世記6章9節
「ノアの系図は次のとおりである。ノアはその時代の人々の中で正しく、かつ全き人であった。ノアは神とともに歩んだ。」
「אלה תולדת נח נח איש צדיק תמים היה בדרתיו את האלהים התהלך נח」

日本語聖書「全き人」のヘブライ語「תמים(タミーム)」の正確な意味は「きずのない、健全な、純情な」の意味
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