2011年のノーベル平和賞の授与式が10日ノルウェーのオスロで
行われました。
ノルウェーといえば、今年の夏、オスロ近郊のウトヤ島で研修中の10代の
青年たち69名が虐殺されるという銃乱射事件がありました。
犯人は、結局、妄想性の統合失調症で意思能力がないとして
犯罪に問われることはないとの判断がなされたばかりでした。
それはそれとして、今年の受賞者は、リベリアのエレン・サーリーフ(Ellen Sirleaf)
大統領、同じくリベリアの平和活動家リーマ・ボウイー(Leymah Gbowee)氏、
イエメンの人権活動家タワックル・カルマン(Tawakkul Karman)氏でした。
リベリアの2人については、達成したものがあります。アフリカで初めての選挙をし
その選挙でサーリーフ氏はアフリカ初の女性大統領になったのですし、また、
受賞が決まった直後の選挙で、再選を果たしています。
ボウイー氏は、このような民主化に、活動家として大きな役割を果たしていたのです。
イエメンのカルマン氏はというと、期待の方が大きいかも知れません。
32歳、ノーベル平和賞受賞の最年少記録です。
勿論、30年以上も続いたサレハ大統領の辞任を求める運動は2月から
始まり、結局、大統領の辞任宣言まで追い込みました。
カルマン氏の活動があったからです。
ノーベル平和賞授賞式に合わせるかのように同じ10日に、来年2月21日に
実施される大統領選までの3か月の移行期間中の暫定政権・
挙国一致内閣の宣誓就任式が行われました。
カルマン氏のノーベル平和賞効果もあると思います。
本番はこれからです。
インタビューで大統領選挙に出るつもりがあるかと質問をされていたのは
こういう事情からでしょう。
イエメンは世界でも最も貧しい国の一つと言われています。
またアルカイダがここを根拠地としています。
ただ、国が小さいということは小回りがきくということでもあるので、
何かできるかもしれません。
また、カルマン氏の平和賞はアラブの春に対するエールでもあると思います。
今年のノーベル平和賞には、小さな夢があるように思います。
「ローソクの灯り」のような感じです。
(当事者には生きるか死ぬかの過酷な状況でしょうが)
授賞式の様子はBBCのビデオをご覧ください。ここからどうぞ。
カルマン氏の挨拶にはスタンドオーベンションがあったりして、和やか
な雰囲気です。
背景事情等を含めた記事やビデオはCNNの日本語版をご覧ください。
ここもどうぞ。