東京 新宿 バイク修理 「探求」 ガレージUCGブログ

日々GARAGE-UCGで如何なる修理や探求が行われ、どんなガレージライフを過ごしているのだろうか?

ヤマハSR400ステムベアリング交換

2009年12月22日 | SR400 SR500探求
ロングセラーなSRシリーズもインジェクション化されて新たな時代を迎えようとしている昨今。
ガレージには1980年前後の初期のモデルから、2000年以降の新しいモデルまで、様々な型式のSRが入庫している。
この入庫傾向が非常に面白い。同じマシンが固まって入庫する事が多いのである。

滅多にお目に掛かる事の出来ないような車輛も多く入庫している。いろいろ作業に追われる合間に、何気にカメラで撮影する事は意外に難しい。気づけば作業完了させている事が多いのだ。なので、このブログは、日常ガレージ業務の中の、ネタになりそうなほんの一コマ。

今回の作業はステムベアリングの交換。画像を見ればわかるが、錆だらけ。
ハンドリングにも支障を来す程ガタガタな状態であった。本来ならば、こうなる前にグリスアップと調整をしておきたいところ。それだけでも寿命が延ばせる事が大半です。

さてそんな状態の所から、今回もまた話は反れていく。

バイクに限らず、機械という物は、使い手としては、動く限り酷使されてしまう傾向にある。
よく電話相談だけで、どのくらい費用が掛かるのか?と相談される事が多いが、どんな風に乗られていたのか、どんな不具合が発生しているのか、わからないままに見積金額を提示する事は出来ない。実際に実車を確認し何が問題あるのか、それを確認して初めてコストが見えてくる。そこがまた難しい。

トラブルが複合技で発生している場合、一つ解決しても、まだ連鎖していて、悪さをしている場合も多々ある。(特に電気系統)

それとは対照的に、ステムベアリングや足回り(サスペンション)等の機能部分は、不具合もかなり判別付けやすい。
それでも、毎日乗り続けていたりすると、新車時から、乗り始めれば必ず劣化し出す方向に、徐々に慣れてしまい、年単位で見ればその状態がどれ程悪い状態になっているのか、気づかないままになっている事も多い。

ある程度の時間、走行すると、決まって腕が張る、肩が凝る等、以前とは違った疲れが感じられる場合、時にはマシンの状態を疑う事も必要である。

それらは直接的な足回りの問題だけではなく、総合的に、例えば、スロットルの引きが非常に重かったり、サスペンションに対してブレーキが強すぎたり弱すぎたり、そういったバランスを崩す要素から発生している可能性もある。

こんな相談もあります。
「なんだか変なんですよ、走り心地が・・・」
そういう良くある相談でも、気のせいじゃないですか?では済まされない事が往々にしてある。
エアゲージでタイヤ圧を測ると1kgf/cm2(=100Kpa)以下の事もしばしば。
そのエア圧が低下していただけで大変な問題を引き起こすのである。

その大変な問題とは、転倒などの重大な危険に直結する事である。
メンテナンスとは、そう言ったありとあらゆる部分の危険性を払拭し、未然に予防する為の事、または安全を継続する為の重要な作業である。

クラッシュするとその修理や買い替えには莫大な費用が掛かる事が多い。
ただ公道で走行するだけでも、四輪より遥かに条件の悪いオートバイ。しっかりした対策を行い、少しでも安全確率や安全マージンを高める事は、最大の節約に繋がる事を忘れてはいけない。それ以上に、マシンがベストな状態であったとしても、自分自身の気分が悪い時には乗らない事も一つの選択なのである。

「もうこのタイヤ(←に限らず駄目な部品)、劣化しているから交換した方が良いですよ~」
せっかくそう伝えておいたのに、交換する事無く、そのまま事故に巻き込まれてしまった乗り手もいます。
でも残念ながら、そのような状態になって、壊れたから修理して欲しいと言われたら・・・

この事は実際にもう何度かあった話。もしメカニックの立場であったならば、果たしてどう感じる事であろう。
明らかに事前に近未来を予測出来ていた事なのに残念でならない。

機械に身を委ねる事は大変な事なのである。コストの掛かる事なのである。


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