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エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 毎日更新しています。気候の良い時期は地元(京都)の寺社散策に励みます。

優しい死神の飼い方

2018-02-03 08:28:13 | 
知念実希人 著  光文社文庫 2017年11月30日 第13刷

順番が逆になってしまったのだけど、先日の『黒猫の小夜曲』より以前の死神シリーズの第一弾作品。

我が主様から命じられて亡くなった人たちの魂を主の元に届ける『道案内』から、人間の世界に降りてきて、地縛霊となっている魂や地縛霊予備軍ともいえるこの世に未練たっぷりの余命いくばくもない人々の執着を解き明かし、地縛霊になるのを防ぐ役割を負った・・・高貴な霊的存在・・・の物語。

先の作品はクロと名付けられた黒猫。
第一弾の作品はレオという名のゴールデンレトリバー。

丘の上のホスピスが舞台。
もともとここは戦前からあった大金持ちの豪邸。
それが時代を経てホスピスになっている。

ホスピスというからには、病気の末期患者の緩和病院で、積極的な治療はしない。
そこに集う3人の患者たちには共通のとある事件があり、もうすぐ命の灯が消えようとする今、その事件がらみで平穏でない心の中に、未練がたっぷりと詰まっていた。

レオという仮の姿に閉じ込められた・・・高貴な霊的存在・・・が、死神の力と能力を活用して彼らの未練を解消していく。

行き倒れ同然だった犬(その時はまだレオという名がない)を助けてくれたのが、このホスピスの看護師。 彼女も病魔に蝕まれていた。

クロが活躍した第二弾は大学の研究室と製薬会社に関係した人々の話だったけれど、今度はダイヤにまつわる話。
これまたよく練られた話で、患者3人と看護師ひとり、4人の魂を救ったレオ・・・高貴な霊的存在・・・の成長談でもある。

死神は、2作ともじつは天使なのだ、という話で、これも涙腺の弱い私は涙なくしては読めない物語だった。


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