
知念実希人 著 角川文庫 令和3年 2月25日
知念作品はほとんど病院が舞台で、この作品も例外ではありません。
新米医師が、初期臨床研修で2年間、いろいろな科を回って指導医から教わってみたり、自分で考えてよりよい方向(必ずしも治療ではない)を見つけ出す。
5つの短編とエピローグ。
最終的に、主人公諏訪野良太が何科の専門医を目指すか。 そこまでの物語です。
読んでいて思うのは、著者の知念さんは諏訪野良太に自分の理想とする医師の姿を重ねているんじゃないか、ということ。
諏訪野良太は医師としては新米だから、そりゃあ経験豊かな指導医やベテラン看護師には技術的に劣っているかもしれないけれど、その分、ベテランの医師や看護師が忘れてしまった『初心』や、忙しさゆえに機械的な作業に陥っている現実とは少し違って、患者の話をよく聞いてみたりカルテから読み取れる患者のバックボーンに気づくことができる。
もうずいぶん前になる。
父が大腸がんで入退院を繰り返していた某大学病院は主治医との接触は少なかったと思う。
途中から替わった主治医がとても冷たいと母が嘆いていたこともあった。
大勢の患者を診る医師には大勢の患者の中の一人かも知れないけれど、患者からすればたった一人の頼れる主治医、というのをその時の担当医は分かっていたのかどうか。
また、今わたしがお世話になっている整形外科の医師も、私の顔を見て話をするのとパソコン入力の時間とどっちが多い?というぐらい画面に向かっては正面、患者には回転いすをすこし回して斜めから、、、というような有様。
なんだかなーという思いにかられる時もある。
そんな現状を現役のドクターだから知っているわけで、敢えて、ひとりひとりの患者と向き合おうとしているこの諏訪野の姿に、忙しさに紛れてしまった業務の本来のあるべき姿を投影しているのでは?と思ったりしている。
知念作品はほとんど病院が舞台で、この作品も例外ではありません。
新米医師が、初期臨床研修で2年間、いろいろな科を回って指導医から教わってみたり、自分で考えてよりよい方向(必ずしも治療ではない)を見つけ出す。
5つの短編とエピローグ。
最終的に、主人公諏訪野良太が何科の専門医を目指すか。 そこまでの物語です。
読んでいて思うのは、著者の知念さんは諏訪野良太に自分の理想とする医師の姿を重ねているんじゃないか、ということ。
諏訪野良太は医師としては新米だから、そりゃあ経験豊かな指導医やベテラン看護師には技術的に劣っているかもしれないけれど、その分、ベテランの医師や看護師が忘れてしまった『初心』や、忙しさゆえに機械的な作業に陥っている現実とは少し違って、患者の話をよく聞いてみたりカルテから読み取れる患者のバックボーンに気づくことができる。
もうずいぶん前になる。
父が大腸がんで入退院を繰り返していた某大学病院は主治医との接触は少なかったと思う。
途中から替わった主治医がとても冷たいと母が嘆いていたこともあった。
大勢の患者を診る医師には大勢の患者の中の一人かも知れないけれど、患者からすればたった一人の頼れる主治医、というのをその時の担当医は分かっていたのかどうか。
また、今わたしがお世話になっている整形外科の医師も、私の顔を見て話をするのとパソコン入力の時間とどっちが多い?というぐらい画面に向かっては正面、患者には回転いすをすこし回して斜めから、、、というような有様。
なんだかなーという思いにかられる時もある。
そんな現状を現役のドクターだから知っているわけで、敢えて、ひとりひとりの患者と向き合おうとしているこの諏訪野の姿に、忙しさに紛れてしまった業務の本来のあるべき姿を投影しているのでは?と思ったりしている。
検査結果や前の診察記録のパソコン画面で見ながら話すって感じが多い
患者との相性みたいなものもあるかも?だけど、もう少し向き合って欲しいと私も思います
診察室に患者が入ってきた時の顔色観察からが診察だ、というのは大昔の常識になったのでしょうか。
整形のドクターはパソコン入力も手慣れていて早いんですが、たまーにすごい下手な医師がいると、変わってあげよか?って思いますねぇ(笑)