「ヨブ記ほど ひどい話はないと、私は思うのです。」
「どうぞ、続けてください。」
「ハイ、ありがとうございます。
サタンが主に ヨブの信仰を試そうと 言います。
ここで私は、主に言って欲しかったです。
『サタンよ去れ!
愛は寛容であり。愛は情け深い。
また、ねたむことをしない。
愛はたかぶらない。誇らない。
不作法をしない。
自分の利益を求めない。
いらだたない。恨みをいだかない。
神は愛である。ゆえに 人を試すようなことはしない。』と。
でも、これは ここに 置いておくとして。
主はサタンに言われるまま、ヨブの財産を奪います。
それでもヨブは信仰を捨てませんでした。
サタンは主にもっと大事なものを奪ってみたら?と言って
主は子供たちを奪います。確か7人の男の子と3人の女の子を奪いました。
私は子供たちが何歳だったのか知りません。
でも一人一人がキット毎日 主に祈っていたはずです。
「御国を来たらせ給え、御心の天になるごとく
地にもなさせ給え。我らに罪を犯すものを
我らが許す如く、我らの罪をも許したまえ。』と
その罪もない子たちを奪われた、
でも これも ここに 置いておくとして。
ヨブはそれでも信仰を捨てなかった。
サタンはヨブを病気にしてみたら?と言います。
私は主はサタンの言いなりか?と 思ってしまいますが…
主はヨブを重病にします。
ここにお友達がお見舞いにやって来ます。
ひどいと思うのは、お見舞いの言葉も無くすほどの
重病人を、信仰が足りなかったのだ と言って責めます。
でも これも ここに 置いておくとして。
それでも、ヨブは信仰を捨てませんでした。
そこで、主はヨブに奪った財産以上の財産を与えます。
子供も 7人の男の子と3人の女の子をもうけます。
ひどいと思うのは、命は唯一つのかけがえのないものです。
10人無くしたから、10人与えれば良いと言う訳では無いと
思うのです。また、20人の子供を産む奥さんの事も
考えたら、ひどい話だと 私は思うのです。」
┐(´д`)┌ヤレヤレ
「こんにちは はじめまして。
突然お邪魔してすみません。」
「こんにちは どうぞお入り下さい。」
「私 主人の転勤でこちらに引っ越して来ました。
小学校からキリスト教の学校に通ったので
教会が懐かしくて 入って来てしまいました。」
「どうぞ いつでも いらしてください。
お時間が有りましたら 中でお茶でもいかがです?」
「それは、有り難いです。
こちらに友人・知人・親戚 一人もいなくて
おしゃべりが誰とも出来ないのは 淋しいものです。」
「どうぞ お掛けください。」
「ありがとうございます。
学校では 礼拝から始まる毎日でした。
まず覚えたのが『主の祈り』です。
『天に増します 我らが神よ
神名をあがめさせたまえ
御国を来たらせたまえ
我らを試みに合わせず
悪より救い出し給え』
毎日祈るようにと教えられました。
どうして神はお試しになるのでしょうねぇ?
ハハハ
突然お邪魔して こんな事を言って…
ごめんなさい。」
「いいえ どうぞ どうぞ、
教会はその為にあります。
なにかありましたか?」
「どこにでもある よくある話です。
結婚しても私の実家に同居させて
もらっていましたが、同居11年で父に
『出て行け!』と言われてしまいまして、
2人の子供を転校させてまで 出て来ました。
行った先は主人の実家で 同居3年で
義父に『出て行け!』と言われました。
私は毎晩 父母の健康と幸せ そして
どうか仲良く いつまでも一緒に
暮していけますようにと、祈りました。
でも、大好きな父に『出て行け!』と
怒鳴らられるのは それは 私にとっては
辛いことです。」
「そうですね。
『主は与え、主は奪う』…」
「『主の御名はほめたえられよ』
ヨブ記、ですね。」
┐(´д`)┌ヤレヤレ
「先生、私の方向音痴 なんとかなりませんか?
距離感覚も、時間の感覚も、金銭感覚も、おかしいんです。」
「なるほど、精神安定剤を替えてみますか?
今は、以前お住まいだった所の病院でお出ししていた
お薬と変えずに処方していますが。」
「精神安定剤では治りませんよね。」
「ううん。鷹之羽さんは それに気が付いているだけ
良いですよ。我々精神科医が 患者さんに
ご自分の事に気が付いていただくのに
どれだけ苦労する事か。まず分かっていただくのが
第一歩なんです。鷹之羽さんは気が付かれていらっしゃる。
素晴らしいです。」
「そうですか、薬は今までのままで良いです。」
「では、次回の予約をお取りします。
お大事に。」
「ありがとうございます。」
┐(´д`)┌ヤレヤレ