「近くのお寺の掲示板に
『悟りということは、いかなる場合でも平気で死ねる事と思っていたのは
まちがいで 悟りということは
いかなる場合でも平気で生きて居る事であった。正岡子規』ってあったよ。
お母さん なんで白内障の手術するの
私に教えてくれなかったの？
追出された娘だから 話してくれない
って、ひがんじゃうよ…」
「大した病気では無いもの…
きいチャン、この間 救急車呼ぶは、緊急入院するは 大変だったよ。」
「弟のお嫁さん？」
「そう、子供が小学校に通うように
なったからって…過呼吸だって。」
「お義兄さんの所も 子供が小学校に
通うようになって、お義姉さんが
学校から帰ってくると、まず 玄関で
子供の洋服を脱がせるんだって。
男の子だから、汚すでしょ。まず風呂に入れて、それからじゃないと 家に入れないんだって。
家も 押し入れは湿気るからって
押し入れに 物は仕舞わないんだって。
義母が文句を言われたのが悔しいのか
アパートをリホームするって。
お義姉さん 家賃ただにしてもらって居るのにね…」
「鷹乃羽荘は 日当たりも良いし
風通しが良い所だよね。
ケメコちゃん、住んでて湿気たの？」
「湿気るなんて 思った事も無いよ。
お義兄さん 車も手放したよ。私達みたいに 初めから免許も無くて、
車生活じゃなければ、辛くもないけど、
どこに行くのも車だった人が、車を
手放すのは辛いでしょう…
お義兄さん、仕事は また新しく証券会社を作るって言ってる…」
「この間も 新しく証券会社作るって
言ってたよね。」
「いつ会っても そう言ってるのよ。」
┐(´д｀)┌ﾔﾚﾔﾚ