「こんにちは。」
「こんにちは。いらっしゃいませ。
お掛けください。ハイ、お茶をどうぞ。」
「いつもありがとうございます。
ご当地の銘菓まで頂いちゃって。」
「あれから、消費生活センター行った？」
「うん。行って 絞られた。
だけど、踊りの先生に 無料着付け教室で出会った事も。
出会ったその日、最初のレッスン日に
日本舞踊教室に誘われた事も言えたから、良かった。
それに 無料着付け教室で買った着物も、
先生から買った着物も、クーリングオフ出来て良かった。」
「踊りの先生、旦那さんはヤクザだよ。」
「え！店長。どうしよう。」
「もう、無料着付け教室も 踊りのお稽古も 辞めるんだね。」
「…そうか…
この間、ボランティア団体の山登りに行ったのよ。
遅くなって、足手まといになっちゃいけないって思って、
先頭の人にくっついて、二番目に登って
頂上についたとたん、メンバーの女性に
『勝手な行動しないでよ！』って怒鳴られて…
どうして怒鳴られたんだか、
何が勝手な行動なのか、分からないのよ。
チョクチョク そういう事があるのよ。
落ち込むわぁ…」
┐(´д｀)┌ﾔﾚﾔﾚ
「ミッチャン、どうしよう。
踊りの先生が『餅まきしてもらう』って言うの。」
「踊りのお稽古始めたばかりでしょ？」
「そうなのよ。それも お稽古に行っても
先生のおしゃべり聞いているだけで
踊りのお稽古なんて一度もしていないのよ。
大体 餅まきって なぁに？」
「普通、名取とかなった時の お披露目会で配るのよ。」
「なんか…その先生変だな…」
「店長もそう思う？
この写真見て。この間 お食事会に行きましょうって 言われて、
大勢で ホテルのランチに行ったんだけれど、
先生が沢山 写真撮ってくれて、
手振れ写真も ピンぼけ写真もみんな
自分が写ってれば 買わせるの。
先生が『はい○○さん、○○円。はい△△さん△△円。』って渡すから
他の生徒さんも みんな買っていたの。
それも一枚40円。」
「それは高いな、今 現像しても一枚25円だよ。」
「店長そうなのよ。」
「先生はどの人？」
「この方。」
「これは美人だ。写真にこれだけで写るんだから…」
「それは美人。それで私も惚れこんじゃって…」
「先生に勧められて、着物買ったんじゃないでしょうね？」
「…」
「買ったんだな？着物は、うちで買ってよ。」
「ミッチャン、先生から勧められたら 断れないじゃん。」
「すぐに消費生活センターに行きなさい。」
「店長 そうした方がいいかなぁ…」
「欲しくない買い物でしょう？」
「じゃぁ、このニシキ呉服店の帰りに行ってみる…」
「早い方がいい。すぐに行きなさいよ。」
「ハイ、ミッチャンありがとう。また、来るね。」
「あ 先生の名前 教えてくれる？」
「ハイ、店長 先生のお名前はね…」
┐(´д｀)┌ﾔﾚﾔﾚ
「きーちゃんに呼び出されて…」
「え！お父さんとお母さんが？」
「そうなのよ。アパートに行ったら、
キーちゃんのお父さんとお母さんも いらしてて、」
「ヤッパリ 呼び出されたのかな？」
「そうだと思う。キーちゃんが涙ながらに語るのよ。」
「弟の事を？」
「そう。そうれはもう延々と、
あんなこと言った、こんな事をしたって、
泣きながら…
それから謝って…」
「弟が謝ったの？」
「もう何回も誤ってんだけど…」
「だけど、どうしてFXなんて始めたんだろう？
どうして一千万円つぎ込む前に辞めなかったんだろう？
私たちが誘われなかったでけでも良かったと思わなきゃ。
この間は、お義父さんとお義母さんが
甥っ子二人連れて 泊りに来てくれて言うには、
地主さんが、借地を買ってくれって、
言ってきてるって、
今すぐじゃないけれど、
初めは長男のお義兄さんに
買ってもらいたいって話したんだけど、
何しろ、お兄さんはいまだに
新しい証券会社作るって言ってるくらいで
お金がなくて土地なんか買えないのよ
それで次男の我が夫に言ってきたみたい。」
「どうするの？」
「転勤が長くなるのか、分からないしねぇ…」
┐(´д｀)┌ﾔﾚﾔﾚ
