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ヨット屋のブログです

ヨットを造ったりヨットに乗ったりします
http://ikegawa-yacht.com/

残り6本

2016-12-21 06:11:51 | 日記

 

不足したワイヤーを再発注し
再びワイヤースプライスを始めた

時間はかかるが大分慣れてきたので綺麗なスプライスが出来る様になる

3回転ほど無理やりワイヤーのよりを戻し固定しておいてから
スパイキを差し込むと簡単に通る

差し込む場所と順番と巻き付ける方向もほぼ間違わなくなった

12ミリステンレスボルトをグラインダーで整形して作ったスパイキが大活躍
スパイキが2つあると随分楽に仕事が進む

それにスパイキの先は少し平たい方が通しやすいので円錐ではなく少し平たくした

12年前に初めてマストを支えるワイヤー類を作った時も
出来る様になった頃に全てが終わったことを思い出す

次回は長距離航海をやらないだろうからスエージングで良いかとも思う


船底塗料を剥がした「花丸」

2016-12-20 07:01:52 | 日記

 

進水してから12年間船底塗料は上塗りを重ねていたが
だんだん凸凹してきたので全体を剥がした

カッターの刃が付いたようなスクレーパーで思い切り押すとパラパラ剥がれる
両腕を上げてずっと力を入れっぱなしなので大変な仕事だ

真澄人君にも手伝ってもらい全部剥がすのに一日がかり

それからワイヤーの仕事でずっと放りっぱなしだったが
「花丸」は何事もなく船体の補修を待っている

不足したワイヤーが来るまで船体の補修にかかるつもりだ
バラスト部分の船底塗料剥がしからかかる

今日から小雨が降り始めるらしいがやれることからやることにする


バルカンデルタアンカー4種

2016-12-19 05:53:24 | 日記

 

中村技研工業のバルカンデルタアンカー4種を整備

その良さを知りアンカーを打つ場所の低質により「花丸」には4種類とも積んである

保管が悪くてドブ付け亜鉛メッキが剥がれて錆が浮いて来たのでジンクスプレーで塗り直した

海の広場でも紹介したことがある今までのアンカーとは全く違う考え方のアンカーです

新しく手に入れようとしても残念なことに中村技研工業は小型船向けのアンカーを作らなくなってしまった

日本ではアンカーで振り回しで船を止められるような場所は少ないのであまりアンカーを使う機会は無い

せいぜいスターンアンカーで岸壁に槍付けするくらいだろうが
ほとんどのヨットは浮き桟橋に横付けという停泊が出来る所へしか遊びに行かない

外洋航海に出ればそんな停泊方法が出来る事は少ないと思わないといけない
ということは軽くて丈夫で確実に効くアンカーが重要になってくる


ガフブームハリヤード

2016-12-18 04:59:12 | 日記

 

ガフブームをスプレッダーの下まで持ち上げ
ガフブームエンドをそれよりも立ち上げる為

メインマストピークから5個の滑車でテークルを組み
1/4の力でガフブームハリヤードを引くようになっている

それらの滑車はワイヤーアイスプライスでマストとガフブームに固定していたが
ステンレスワイヤーは曲げ戻しに弱く金属疲労で切れる

今度は布ベルトでブ滑車をマストとガフブームに固定する事にした

基本的に金属は一方向以外に曲げたり戻したりの力がかかる所には使ってはいけない
そんな事もここ12年の航海でハッキリした

「花丸」を作ってから12年間はシェークダウンの期間だったと思う
悪いところはみんな壊れた

全て補修して次の航海に備える


残り10本

2016-12-17 07:26:22 | 日記

 

マストを支えるワイヤーを1本ずつスプライスしながら作っている

荷札が取りつけてあり1本作る度に荷札を新しいステーに付け替えて古いのは巻き取っている

ランニングバックステーの分を計測に入れていなかったのと
失敗しては切り飛ばしたので随分ワイヤーが不足して最発注した

昨日も朝井さんが手伝いに来てくれて
一番太い8ミリワイヤーのシンプル入りアイスプライスをやり終えた
1箇所だがその部分が一番難しい所だった

およそ2/3のワイヤー加工が終わりいよいよスプレッダーの修理の方に頭が向いた
ワイヤー加工をしながら色々考えていた
低粘度エポキシにガラスチップを混ぜたもので修理することにする

今日 先ずは1箇所試してみることにする


オークレット26

2016-12-16 07:05:10 | 日記

 

三瓶というところに停泊しているオークレット26

スタックバックを新調したいと言うことで三瓶へ採寸に行きました

オークレットという艇種のヨットは初めて見たのですが
横幅が広く26フィートのヨットとは思えない居心地の良い船でした

船内の明かりはベルトになったLEDライトが使われ
明るくて出っ張っていないので邪魔にならず花丸も直ぐにまねる気になりました

どんな船を見ても必ず良い所や工夫が見えるものです
オーナーのセンスや工夫の跡を見るのは参考にもなり楽しいのです

走らせてみないと解りませんが
船の性能が良いか悪いかや走りの個性も色々有ります
出来るだけ違う船にも乗ってみたいと思います


スプライス失敗

2016-12-14 07:19:32 | 日記

 

ワイヤースプライスを失敗して切り飛ばしたワイヤーを集めた

9箇所分有った

ワイヤーそのものは惜しいとは思わないがこれに使われた時間は何日分になるのだろう
どんな小さい技術でも技術の習得には時間が必要だ

ワイヤースプライスのようなマストを支えるワイヤーを作るというヨットにとって一番と言って良いくらいの技術は
機械に取って代わられる

昔苦労して手に入れた技術も使わないと忘れてしまい伝承者も居なくなる

ヨットに関する沢山の技術がバブル崩壊で日本では失われつつある
日本人がヨットを知ってほんの100年
作る技術も乗る技術もここに来て途絶えそうだ

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工房中が散らかる

2016-12-13 04:52:33 | 日記

 

 

床と作業机と万力のあるテーブルと工房中散らかり放題

昨日も朝井さんが手伝いに来てくれてワイヤーのスプライスをする

一番太い8ミリワイヤーのワイヤーループを6本作り
その後マストに通す先端のアイスプライスを2箇所して昨日の仕事は終了

日頃使わない腕や手の筋肉を酷使したので筋肉が悲鳴を上げている

それでもやっと先が見えて来た

計算間違いと何度も失敗しては切り飛ばしたので5ミリワイヤーが不足している事が判明
昨日の8ミリワイヤー分はぴったりの長さだったが
まだやっていない6ミリワイヤー分をやり終えてから不足分を発注する事にする

毎日ワイヤーの仕事だけというのもしんどいので船体の方にもかかろうと思う

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ミズンマストのステー

2016-12-12 07:03:16 | 日記

 

荷札を付けた古いステーと同じ長さのステーを作っては荷札を付け替えている

写真は出来上がったミズンマストのアッパーステー

これだけの物を作るのに5時間くらいかかる

いつもは使わない力を入れるので腕が痛くなり筋肉がはっている
今朝は起きだした時に手の平全体が痺れていた

晩酌を長年やっているが酒を飲まないでも充分疲れて眠ることが出来る
というより飲む元気が残っていない

まだミズンマスト分半分くらいしかできていないので
メインマストやバウスプリット分もあり今年いっぱいはワイヤースプライスにかかりそうだ

多分ワイヤースプライスが完璧に出来だした頃この仕事は終わりそうだ
そして又年月が経てば完璧に忘れており最初からやり直しかな


ワイヤーシージング

2016-12-10 08:29:00 | 日記

 

ワイヤー保護のためと 撚りが戻らないようにワイヤーに細いロープを巻く

硬いカシの木で作った柄の短いハンマーの頭部分を凹ませたような道具を使い
これでもかと言うくらい強くロープをワイヤーに巻き付ける

巻き終わるとワイヤーが硬くなったように感じ曲げにくいが
無理に曲げてデッドアイを固定する

スエージングとターンバックルを使う様になる以前の帆船時代は
ワイヤースエージとデッドアイでマストを支えるワイヤーを作っていた

今更こんな古典的な方法でリギン(マストを支えるワイヤー)を作るヨットは無いだろう

別に古いものへの憧れのようなものでこんな事をするのではない

「花丸」の設計を発注した当時は南太平洋の島々では交通の便も悪く
通信手段もまともではなくヨットは全て何もかも自分で補修が聞くやり方でないと駄目だと思ったからだ