ビルマのロヒンギャ難民、アンワール・フセインさんは東京入局管理局で収容中に倒れ、ずさんとも思われる医療体制が原因で死亡した。2013年11月20日、日本人支援者と、韓国人、中国人、スリランカ人、バングラデシュ人、パキスタン人、フィリピン人などの難民申請者が品川駅から東京入国管理局へと抗議のデモを行った。デモ用のフセインさんの写真と花輪と棺。(photo by Fuminori Sato with iphone)
2013年10月9日、東京入国管理局(東京都港区)に再収容されたビルマのロヒンギャ難民、アンワール・フセイン氏(57歳)は、その日の午前から身体の不調を訴えていた。フセインさんは正午頃、突然倒れ、意識を失った。異変に気付いた同房の収容者たちは即座に職員に助けを求めたが、適切な処置を施されることなく、50分ほど放置された。その後、救急車が呼ばれ、病院に到着した時には、発症から約一時間半が過ぎていた。医者の治療にも拘らず、フセインさんは5日後の10月14日、病院で亡くなった。
死因は「くも膜下出血」。「くも膜下出血」は発症すると死亡率が高い疾患だが、早期に適切な治療を受ければ助かる可能性は高くなる。発症直後、フセインさんに適切な治療が行なわれることなく、直ぐに救急車も呼ばれることもなく、なぜ50分も放置されたのか。当時、職員はどのように対処したのか、現場に医者がいたのかなど、詳細はよく分かっていない。だが、急病人に、50分も放置するなど、あってはならないことだ。フセインさんの症状がひどく、職員の手に終えなければ、医者を呼ぶ。医者がいなければ、すぐに救急車を呼ぶ。ただ、それだけのことだ。迅速に、対処していれば、フセインさんが命を取り留めた可能性は高く、入管の責任は重い。
入国管理局はフセインさんを含め収容者たちの健康を管理し、保障する義務と責任がある。ビルマを逃れ、日本に安住の地を求めたフセインさんにとっては、無念の死だったと思う。ロヒンギャ民族は「無国籍の民」と言われ、ビルマでは「不法移民」扱いされている。国連はロヒンギャ族に市民権を与えるように求めてきたが、ビルマ政府はこれを拒否し続けている。
詳細は仮放免者の会 http://praj-praj.blogspot.jp/