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生理心理学4:脳波の話をしました

2010-10-16 10:07:21 | Weblog
2010年10月15日開講の生理心理学で使った資料です。

アップロードが一日遅れたことをお詫びします。

脳波は生理心理学の研究者にとっては思い入れの強い生体反応。

単に生体反応といっても、脳=中枢神経から出てくる電気現象ですから、やっぱり脳の活動を表しているとおもいやすいですよね。

ハンス・ベルガーが脳波を発見した話をしました。

電気工作の好きなお医者様で、自分でラジオにつかう真空管やトランス、コンデンサーなどを半田付けして脳波計を作ってしまったわけです。

現物がどのようなものであったかはわかりませんが、おそらく、ネジ式のドラムの表面にすすをつけたものを、電磁稼働針で擦って記録したのでしょう。

真空管いくつ使ったかわかりませんが、脳波は数μV(マイクロボルト)のものですから、100万倍に増幅する技術が必要だったわけで、すばらしい才能の人だったのでしょう。

脳波のうち平常時によく出現するα(アルファー)波は周波数8-13Hz、振幅20-50μVでリズミックに継続するのが特徴。

目を閉じてさえいれば、後頭部からの脳波記録には、100人中99人で必ず確認できる正常脳波です。

目を開けるとα波が消失ないし振幅が減少するので、αブロッキングと呼ばれています。

今回の授業ではこのαブロッキングを大切な脳波現象として覚えておいてください。

覚醒時のαが、うとうとするとθとなり、眠りが深くなるとδへと変化します。逆に覚醒度が増すとβになります。

こうした周波数による脳波の名称の違いと心的状態とをまとめて覚えておくといいですよ。

さらに、単純な計算作業のような精神作業に集中していると前頭正中線上から6-7Hzのθ波が出現することがあります。これを、Fmθ(エフエムシータ)と呼びます。

日本人が発見したこの脳波については、別の機会にお話できればとおもいます。

今回は、小学校一年生の男児のテレビゲームに熱中している最中の脳波記録から、大量のFmθが出現した例を示しました。

また、大学オーケストラ部の学生に楽譜をわたして練習してもらい、実験室内でバイオリン演奏している最中の脳波記録からもFmθが出現した例を示しています。

どのパートで出現しやすいかなどを分析したのですが、少し難し技術がいるところとか、ここちよい音色のパートで出現しやすいようでした。

Fmθを発見した石原務先生はまだご健在です。可能なら、授業にお招きして、Fmθ発見の経緯などをお話いただきましょうか。

賛成のかたが多ければ、そうしたいとおもいます。

来週からは、睡眠ー覚醒リズムの話です。


2010/10/16・記

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