ブラジルとブラジルのマーケティングあれこれ

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【ブラジルの数字】人間開発指数に見るブラジルの生活改善状況

2013-08-05 17:52:19 | ブラジルの数字

先月、ブラジルのIDHM(人間開発指数)が発表され、1991年、2000年、2010年が比較されていた。通常、IDHと呼ばれるが、ブラジルは全国の市すべての指数がでるので、Muinicipioの「M」をつけて、IDHMとしている。この指数は教育、健康、所得の3つの分野の統計を組み合わせたもので、いわばどれだけ人間らしく生活できているかを世界的規模で比較するものである。0から1までのどこにいるかで、評価される。

ブラジル全体では1991年の0.492から2000年の0.612を経て、2010年には0.727にまで上昇した。この20年で47.8%の上昇である。参考のために見ると、日本は0.912、米国が0.937で、最高がノルウェーの0.955である。南米ではアルゼンチンが0,811で、ブラジルより上位にいる。

僕がブラジルに来たのが1988年であるから、ざっと見てそれから現在までにブラジル人の暮らしは確実によくなったということが数字で出たわけで、少し感慨深い。治安を含めてまだまだとんでもない部分がたくさんある国だけど。生活水準が高くなるということは、消費も増えるわけで、それがこの10年の景気を良くしたということだ。

また「とても低い」というカテゴリーの市が減ったのは、最低給料がインフレ超えて調整され最底辺の人たちの所得の底上げがあったことによる。低所得者の給料は最低給料にリンクされており、最低給料の調整の恩恵にもっとも多くあずかることになる。また田舎の町では就労の機会がないため、高齢者が受給する年金が大きな収入源になっている。年金も最低給料が基準である。

【ブラジルの数字】最低給料はインフレを超えて調整されている


報告書では市ごとに指数がつけられ、

0.800以上:「とても高い」
0.700~0.799:「高い」
0.600~0.699:「平均的」
0.500~0.599:「低い」
0.000~0.499:「とても低い」

というようカテゴリにー分類される。

カテゴリーごとの数字は次のようになる。

 



1991年に「非常に高い」とされる市は一つもなかったのが、2010年には44にも増えている。でもこれより注目されるのは劣悪な生活水準である「非常に低い」と評価されていた市がが4777から2010年には32に減ったことである。次の地図を見てもらえば、ビジュアル的によくわかると思う。赤いところが「とても悪い」である。1991年には真っ赤だったのが、2010年には緑と黄色になっている。政府も開発の結果として宣伝したいのだろう、しっかりした分かりやすい報告書を作ってくれている。



またEstadao Dadosの地図を拡大すれば、どの市がどういうカテゴリーに入っているか、視覚的に見ることができる。けっこう面白い。



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