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学問としての経済学が本当の意味で役に立たない理由

2024-04-10 00:09:50 | 政治
今日も引き続き、経営科学出版さんの「国家の逆襲」という書籍の書評、というか、感想です
あまり長くなって小難しいのも困るので、今感じていることを手短に書きます

結局、この著者のマリアナマッカートさんも含めての話ですけれども、物事の価値がどこから来るのか?が分からない。。。
なぜあるものが価値が高く、なぜ別のものが価値が低いのか?その違いが分からない
その価値の高下の理由が分からない。。。ということだと思います
価値というものが何であって、何がより尊く、何がより価値があるのか?その基準が分からない。。。
その価値基準を測る物差しがないので、結局経済学は役に立たなくなってきたのだ。。。。という事に思い至りました

この書籍の英語の原書名は「The Value of Everything」と言います。。。直訳すると「すべての価値」もしくは「すべての物の価値」です
この書籍では国家の役割について良く分析していて
今までの経済学では、「国家による投資は非常に非効率で価値が低いもの」とされてきたが、本当はそうではない
ということを色々な例をあげて説明するとともに、民間が行ってきた「中抜き行為」つまり平たく言うと「利益のピンハネ」が
最近ではもっぱら価値があるものとされてきたこと、その間違いについて指摘しています
これについては私も同感です
昨今では、投資の旨味として「配当金がいかに高いか?」にも注目が集まっていますが
本来、「企業の利益はごく一部の経営者や株主だけのもの」と考えたならば、それがもし本当だとするならば
「公益」というものはもとより存在しないことになり、「世の中を騙してでも利益を上げて株主配当することが正しい」ことになります

以前、評論家の伊藤貫氏が語っていたと思いますが
マックス・ウェーバーがその著書「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」で何を語っていたかというと
「資本主義に似たような経済が生まれたことは歴史上何度もあるが、資本主義が生まれたのはそう多くない」
貨幣経済が発達し社会基盤が整ってきても、それが資本主義社会として発展するかどうかは、宗教的精神に裏打ちされた倫理観があるかどうかで決まる
ということでした
例えば、中国にも歴史上、資本主義社会に移行しそうだった時代は何度もあったが、結局、本物の資本主義社会ができたことは一度もなかった
今回も、中国は鄧小平の「儲けられる者から儲けろ」という方針のもと、自由経済を取り入れてきましたが、結局失敗しています
私は、今の中国社会の大不況は一過性のものではなく、「資本主義になれなかった無秩序(アナーキー)自由主義のなれの果ての姿」だと思っていて
残念ながら、中国が本当の意味での成熟した社会に移行することは、「今のままなら永遠にない」と思っています

過去、中国には何度も資本主義が根付くチャンスがありました
その最大のものは「仏教伝来」でした
仏教には、善と悪を分ける教えがあります。。。それが宗教的な社会的倫理観を育むためにもっとも大切なことだったと私は思います
日本の場合、それまで善悪の教えのなかった土着の民俗信仰である日本神道に仏教が入ることにより
天国地獄の思想が入ってきて、結果的に日本に善悪の教えが入って社会的倫理観が育まれました
仏教的精神のもと、勤勉を美徳とする精神性が生まれた。。。これが無ければ、日本社会もまた、発展を遂げることはなかった
そしていま、その日本の精神的美徳が失われつつあり、それが資本主義の精神を損ない国を崩壊の危機に向かわせている
という事だろうと思うのです

私は積み立てNISAや株式投資を悪いことだとは言いません、ですが、その前に
「国家として、勤勉を美徳とする精神性を失えば、あとは国として崩壊に向かうだけですよ」と言っておきたいのです
税優遇を餌にして、国民に、投資による不労所得で楽に暮らすことを勧める政府も、正直、頭がおかしいとしか思えません
企業は、株主への高配当をするために短期的利益を貪るんではなく、コツコツと社内努力して社会に役立つ将来投資にお金を回すべきです
会社の利益を株主配当で分散させてしまえば、企業による集中的資金投資は難しくなります
企業は株主配当より公的な発展のために尽力せよ。。。社会的責任を負うのも企業の使命である

そう私は思います

今日はこれで、それではまた
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