宮古島の水環境03
今回は宮古島の地質と地下水の水質について説明します。
友利アマガーを調べている2018年度の宮古島探検隊のメンバーです。
宮古島の調査は、2015年に予備調査に入り、2016年から4年生の卒業論文として調査してきました。3年間継続して宮古島市上下水道局をわずらわして、研究してきました。のべ15名の学生が参加しました。
島の地下水のモデル図です。淡水レンズを形成します。淡水と海水の密度差により、海水の中にポッカリ浮いています。
宮古島は、標高 30~80m の平坦な隆起サンゴ礁の島を形成し、島の大部分は第四紀更新世 琉球石灰岩によって覆われ、その下部には固結した泥岩を主体とする島尻層群が広く分布する。 水理地質的には、島尻層群を不透水層として上位の層厚 30~70m の琉球石灰岩が宮古島の地 下水帯水層となっている。この琉球石灰岩は、間隙に富み、地層の約10%が地下水を含有して いるため優秀な地下水帯水層の能力を持っている。さらに、この島は、北西-南東方向の断層 が約 1~2km 間隔で発達しており、この断層の間隔ごとに独立した地下水盆を形成している。 そのため、この地下水は、それぞれの地下水盆ごとに島の主として南北方向に流下して海岸沿いで湧水となって流出する。
伊良部島や多良間島は、不透水層が海面以下に分布しているので地下水は「淡水レン ズ」の形で島の地下に存在しており、塩水化の危険性があるため取水量には限界がある。
(H24年度宮古島市地下水水質保全調査報告書)
宮古島の地下水の流動メカニズムを説明した図です。島尻層群泥岩は水を透しにくいので、受け皿となっています。琉球石灰岩は水を透しやすいので、地下水をためたり、湧水を形成します。
湧水がみられる崖 (保良ガー)
宮古島の水道水源である白川田水源の水質を示しています。石灰岩の島ですから、CaイオンとHCO3イオンが多いです。海水の影響を受けてNa,Clイオンも多いです。宮古島市上下水道局としては、Caイオンが多いので、硬度低下処理をしています。
白川田水源の調査中です。
宮古島の水質をヘキサダイアグラムで示しています。多くの地点は石灰岩地域の地下水の典型である「重炭酸カルシウム型」に分類される。
電気伝導度は水の中に溶けている物質の量を示します。0.5dS/mは500μS/cmです。地下水の電気伝導度としては高い値を示します。河川水で100~150です。富士山の湧水の湧玉池で150μS/cmぐらいです。島の中央の高い値を示すところは、温泉排水の影響で地下水汚染があったところです。
宮古島市地下水水質保全調査報告書のデータから分布図を作成しました。
pHはアルカリ性を示しています。石灰岩の島ですから。
成川ガー
硝酸イオンは高いです。地下水の持続的な利用を考えるきっかけとなりました。
硫酸イオンも高いです。これらは主にサトウキビ畑の化学肥料によるものです。
カルシウムイオンは高濃度です。
海岸沿いは海水の影響で、島の中央部は温泉水の排水による影響です。
今回はざっくりと宮古島の地質と地下水、そして地下水の水質について示しました。
今回は宮古島の地質と地下水の水質について説明します。
友利アマガーを調べている2018年度の宮古島探検隊のメンバーです。
宮古島の調査は、2015年に予備調査に入り、2016年から4年生の卒業論文として調査してきました。3年間継続して宮古島市上下水道局をわずらわして、研究してきました。のべ15名の学生が参加しました。
島の地下水のモデル図です。淡水レンズを形成します。淡水と海水の密度差により、海水の中にポッカリ浮いています。
宮古島は、標高 30~80m の平坦な隆起サンゴ礁の島を形成し、島の大部分は第四紀更新世 琉球石灰岩によって覆われ、その下部には固結した泥岩を主体とする島尻層群が広く分布する。 水理地質的には、島尻層群を不透水層として上位の層厚 30~70m の琉球石灰岩が宮古島の地 下水帯水層となっている。この琉球石灰岩は、間隙に富み、地層の約10%が地下水を含有して いるため優秀な地下水帯水層の能力を持っている。さらに、この島は、北西-南東方向の断層 が約 1~2km 間隔で発達しており、この断層の間隔ごとに独立した地下水盆を形成している。 そのため、この地下水は、それぞれの地下水盆ごとに島の主として南北方向に流下して海岸沿いで湧水となって流出する。
伊良部島や多良間島は、不透水層が海面以下に分布しているので地下水は「淡水レン ズ」の形で島の地下に存在しており、塩水化の危険性があるため取水量には限界がある。
(H24年度宮古島市地下水水質保全調査報告書)
宮古島の地下水の流動メカニズムを説明した図です。島尻層群泥岩は水を透しにくいので、受け皿となっています。琉球石灰岩は水を透しやすいので、地下水をためたり、湧水を形成します。
湧水がみられる崖 (保良ガー)
宮古島の水道水源である白川田水源の水質を示しています。石灰岩の島ですから、CaイオンとHCO3イオンが多いです。海水の影響を受けてNa,Clイオンも多いです。宮古島市上下水道局としては、Caイオンが多いので、硬度低下処理をしています。
白川田水源の調査中です。
宮古島の水質をヘキサダイアグラムで示しています。多くの地点は石灰岩地域の地下水の典型である「重炭酸カルシウム型」に分類される。
電気伝導度は水の中に溶けている物質の量を示します。0.5dS/mは500μS/cmです。地下水の電気伝導度としては高い値を示します。河川水で100~150です。富士山の湧水の湧玉池で150μS/cmぐらいです。島の中央の高い値を示すところは、温泉排水の影響で地下水汚染があったところです。
宮古島市地下水水質保全調査報告書のデータから分布図を作成しました。
pHはアルカリ性を示しています。石灰岩の島ですから。
成川ガー
硝酸イオンは高いです。地下水の持続的な利用を考えるきっかけとなりました。
硫酸イオンも高いです。これらは主にサトウキビ畑の化学肥料によるものです。
カルシウムイオンは高濃度です。
海岸沿いは海水の影響で、島の中央部は温泉水の排水による影響です。
今回はざっくりと宮古島の地質と地下水、そして地下水の水質について示しました。