ブキャ! と言わなければなりません。
ちひろ美術館で長新太展をやっているというので、喜び勇んで行った。
会場は下石神井にあるちひろ美術館。
★ ← ちひろ美術館HP 長新太展ページ
↑写真は美術館ショップで手に入れたTシャツ。 『キャベツくん』 に出てくるワンシーンだ。
ちひろ美術館の存在はずいぶんまえから知っていたが、行くのは今回が初めて。
上石神井の閑静な住宅地にあった。
木造でこじんまりした居心地のよい美術館だった。
このまえは 国立新美術館へ行ったり したので、
同じ美術館でも国立のでかいのと私立のこじんまりしたのと、そのギャップが楽しい。
わたしの世代 (40代後半) でいわさきちひろ氏を知らない人はいないと思う。
原画は思いのほか小さいので驚いた。
ほんわりとしてみずみずしくて、子供の柔らかさを感じられる素敵な絵だった。
しかし同時に、なんともいえない古臭さも感じてしまった。
というより、ちひろ氏が一世を風靡したのだ。
世間がちひろ氏に追従しまくってちひろ氏の亜流ばかりになってしまったのだ。
ちひろ氏が習字のかな文字 (行成流) を習っていた、というのは初めて知った。
水彩のにじみやぼかしをあんなに駆使できたのは、
習字でずいぶん筆の扱い方に習熟していたという素地があったからではないか?
↑ピンぼけ写真で失礼。
一抹の悲しさを感じながらちひろ氏の絵からは離れ、長新太氏へ向かう。
そうしたら一気にナンセンス世界に突っ込んでしまった。
すごいよ長新太!
長新太氏の凄さを言葉で表現するのはわたしには難しい。
このナンセンスを楽しいと思えるのかそうでないのか、両者の間には深い谷がある。
ただ、長新太氏のナンセンスは誰かを非難するような香りがない、というところを挙げておきたい。
今回の展示で初めて知ったが、長新太氏はたいそう真面目に勤勉に仕事に取り組む方だった、ということだ。
明るい昼間に推敲を重ねていた。
ぱっと見だとなんだかてきとうに描いているように見えるが、
実際にはそんなことは全然なかった。
うまく見せよう、という絵にしなかっただけなのだ。
たいそう磨いたナンセンスなのだ。
長きにわたって長新太氏の絵本が支持されるのはそういう理由なんだと思う。
老いも若きも 『キャベツくん』 を読むべきだ!
帰りに通った小鹿野で見た、夕日の映える雲。
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