広い部屋のおかげで、遠来の客を迎えることができたのですが、今度は、お客さんが帰ってしまうと、部屋が広すぎて、広すぎて。
そして、昨日は娘が指輪を贈られるという話を聞き、来週は入籍という段取りにもなっている、少しずつ、確実に家を離れる準備が整っている。
それをそばで見ている娘は、もっと寂しさを感じているのかもしれない。
そのもう一人の娘も、やがてはいってしまうときのことを思うと、知らずに涙がこみ上げてくる。
娘の年に近い若いお客さんが帰った寂しさの連鎖反応なんだね。
迎えるのは、うれしいが、別れというものはどういう形であれ、苦しいものだ。
若いときに感じなかった悲哀というような感情を知ってしまった。
私が結婚して、西から東へいってしまったときの、父の気持ちを思う。
今、夫はどのように思っていることだろう。