風のこたろう

'05年4月6日~'07年4月7日 ウランバートル生活日記
'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

ゆっくりとすすむじかん

2020年04月11日 | 徒然に日々のことを
久し振りに、針と糸をもって、台ふきんを縫う。

甘夏の皮を何度も煮こぼし、氷砂糖で煮詰める、程よく水分を飛ばして、まぁ、何ておいしい甘露煮/ピール(peel)が!

小走り、前のめりで、時を過ごしていた時には考えられなかった。
針に糸を通し、氷砂糖たっぷりのシロップを焦げないように、見守って、何度も茹でこぼした甘夏の皮を煮詰める。そばにいてよーく見てあげてないと、焦がしてまう。
程よく煮詰まったら、バットにあけて、水分を飛ばす。
ちょっと早すぎて、乾燥するのに、何日もかかってしまった。
甘さと、ほろ苦さの絶妙のハーモニー。
あっ、頭の白いネズミさんが、狙ってる。きっちり半分に取り分けて、私だけの分を確保。

あぁ、うれしい。いい気分。

やっぱり、薄手のタオル地で作った台ふきんは、使い心地が良い。
きゅっと絞った時の、手の感触。

母には、晩年まで、私のタオルや雑巾のしぼり方が、足りないと、搾りなおしては、笑われたものです。
この、痩せた手のどこにこんな力が残っているのだろうと、毎回驚きました。

明治の人は、何しろ手の力が強い。
こんかぎり絞ってみても、さらに、母が絞ると、まだまだ水がしたたり落ちた。

甘露煮は、お砂糖がもったいないと、作ったことがない。
金柑の甘露煮は、義母から習った。
ボンタン漬けは買うものだったらしい。

だから、砂糖をたっぷり使う甘夏の甘露煮は、私が初めて、作りました。

それぞれの母の、矜持も、思い出しました。

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