図書館で、返却本の棚にあるのを見つけました。 あの有名なサリンジャー『ライ麦でつかまえて』の村上春樹訳です。 (僕が紹介しなくても知ってますね) 去年でしたか出版されたのは?(原作は50年以上前) 図書館でも予約待ちの列(列といってもリスト上のこと)で、そのうちと思ってましたが、 返却棚に出ているということは、とうとう予約が途切れましたか・・・ で、さっそく借りてきて読みました(毎日少しずつ)。 実は、野崎孝訳も持ってました。家捜しすればあるかも知れません。この前、BOOKOFFに売った中に入っていたかも知れません。不朽の青春文学という評判に惹かれて、20歳代後半か30歳代前半に買ったと思います。そのうち、読もう読もうと思って・・・実は読んでなかったのです。 で、村上氏の訳が出たので再挑戦という訳です。 野崎孝訳を読んでいたら、多分、村上春樹訳は読まなかったかも知れません。 読まないには読まないの意味があったのかも知れませんね。 (以下ネタバレ感想です、これから読むつもりの人はここまで) この文章は、どこまで続くのだろうと思いました。 そのうち、出来事が起こって、ホールデン・コーンフィールドが変わっていく(成長していく)ところが出て来るのだろう ・・・そう、思って読んでました。 まあ、普通の小説に対する構えみたいなものですね。 特に、「青春小説」というからには、このままで終わる訳はない・・・と ところが・・・ このままで終わりましたね。 というか、途中から・・・ああ、このままで終わるんだなと思いました。 この本も、途中まで、掴めなかったのです。 それまでは、主人公に感情移入できないまま、ただ、彼の軽妙な語り口(村上訳)の情景を追っかけていただけです。違和感というのではなく、若者特有なものの見方だなぁと思いながら・・・。 (2チャンネルでもこういう投稿ありますよね、何でもコキおろす) そう自分は距離を置きつつ・・・。 でも、途中から(そうかぁ、このまま行くのかぁと悟ってから)、 自分は、こうではなかったかも知れないけれど、出方が違うけれど根っこは同じなのではないか・・・とも思えて来ました。 実際、僕も落ちこぼれだった訳ですし、今だって、会社から落ちこぼれてしまってます、はは。 彼のようにひ弱でも感受性も豊かではなかっただけで、むしろ鈍かったから、彼のように外部に矛先が向かず、僕は自分自身の方がダメなんだと自分を納得させたということだったと思うのです。 まあ、僕はホールデンとは違って「インチキ」だったという訳です。 ホールデンは純粋で傷つきやすい青年です。実は頭もいい。しかし彼はまったく逆のことを言い、逆のことをしようとします。映画はくだらないと何度も言っている割に、ものすごく映画を観ていますね。 彼に見える理想が高すぎて、届かない自分に対する苛立ちを社会、学校、友達をこき下ろすことで消化しようとしています。そして、それが自分に跳ね返ってきて、すぐに気落ちしてしまうのです。 彼がつく嘘が見事ですね、自分自身も騙すようです。嘘をつくことで、世の中が簡単に騙されることで、また、彼の心の中で価値を空洞化させてしまってます。 遣り方は、真逆だったけれど、僕も高く上げすぎた理想を着地させることに何年も費やしました。 何が違って、何が同じだったのでしょう。 心の中のライ麦畑から、どうやって抜出て来たのでしょう。 誰もつかまえてくれないことを知っていて、まだ、畑の中にいるのかも知れない・・・けれど・・・ |
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はっちん
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