陳 満咲杜の「為替の真実」

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米利下げ観測を織り込もうとするドル/円相場

2007年09月19日 00時25分32秒 | 相場心理の真実
皆さん、今晩は、先ほど台中から台北のホテルに帰ってきた。

台中市の講演では、主にドル危機の本質や日本の一目均衡表について話させていただいたが、やはり台湾投資者達もドル/円相場に対する関心が高く、参加者の質問攻めに遭遇した。私の前の予測が的中したこともあり、すっかり「預言者」扱いされた。プレッシャー大!

さて、肝心のドル/円相場をチェックすると、ドルが一時115.87まで上がった。確かに私は円高トレンドが続くと見ているが、かと言って目下のドル反騰にサプライズを感じることもない。というのは、相場は往々にしてこのような一見「おかしな」値動きをする、特に重要な発表がある前に。

言うまでもなく、今晩米FOMC会議の結果を市場関係者らは固唾をのんで待っている。市場の予測の大半では、今回0.25%利下げありと見ているようで、ドルの上昇はこのような予測を織り込んで上昇している。もっと突っ込んで言うと、ほとんどの人が「利下げ」---[ドル安」との発想でドル売りポジションを作ったので、大口投資者(銀行ディーラーなど)は仕掛け的にこれらのポジションの損切りレベルを狙って買い進め、ドルのリバウンド幅を拡大させた。但し、このような反応は毎回決まっているわけではなく、素直な反応をも見せる場合も多い。私も今回は素直に反応してくると思ったので、ケース・バイ・ケースで割り切るしかない。

ここで指摘したいのは、この様な「仕掛けられた」相場が何かを示唆していることである。基本的に、今晩のFOMCの決定は以下の4つのシナリオが想定される。即ち、1、金利据え置き、2、0・25%利下げ、同時に声明文の基調は中立、3、0・25%利下げ、同時に声明文は次回の利下げを暗示、4、0.50%利下げ。基本的には、足元の状況に鑑みれば、1の可能性が少ないので、排除してもいいだろう。残った3つのシナリオはすべて利下げだから、目下ドルのリバウンドに照らし、相場は割とやや楽観的な2つ目のシナリオに傾いていることが示唆されよう。そうでないと、いくら銀行ディーラーの仕掛けでも、ドルを今のレベルまで押し上げることはないはずだ。

もっと大事なのは、これからの相場をどう見るかにある。私はやはりドルに対して弱気だ。なせなら、相場はすでに比較的な楽観的なシナリオに基づいてドルを押し上げたので、例えシナリの通りの決定になったとしても、ドルの更なる上昇余地が限られる。そしてもし第3、4のシナリオとなれば、失望や反動もあって激しい値動きを見せてくれるだろう。即ち、ドルの再び急落である。物理的な例えとすれば、跳ね上がってくれたボールほどよりスピードを伴って下落していくようなものだ。

ただ、今回市場の予測が分岐しているだけに、波乱も予想されるので、一時にせよ、最大117.86まで上昇する可能性も完全に否定できずにいる。特に、14日レポートにも指摘した「7月9日高値(123.66)から引かれた抵抗ライン」がブレイクされたことや5日線と20日線の接近と傾向に鑑み、目下積極的に売りポジションを作るには躊躇するもの。私としては、ドルが再び114.80(本日の安値)を割り込んだ時点で仕掛けるほうがよほど確実でテクニカル的客観性のあるトレーディングだ。詰まるところ、相場は我々の誰よりも賢く、相場は相場に聞けしか勝利の方程式はないである。

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