陳 満咲杜の「為替の真実」

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[庶民」の敗北、「プロ」の臆病(二)

2008年05月13日 17時47分51秒 | FXの真実
前回ユーロ/ドルについて、個人投資家サイドの思惑と行動で分析したが、今回は機関投資家サイドの行動をチェックしてみたい。

当ブログでも書いていたように、年初では、ドルの反転を見込む機関投資家が実に多かった。彼らの予測と行動を一変させたのは、ユーロの1.5大台突破であった。

相場はうそをつかないので、値動きをチェックすれば、おのずと分かってくる。2月26日ユーロは1.5を突破、その日における値幅は実に268ポイントもあり、その後、12取引日において、前日高値を更新できなかった日は2日だけで、3月17日では1.5903まで上昇した。

このような急伸は何を意味するかというと、ユーロを買っている連中は単にロング筋だけではなく、ショート筋の手仕舞い及びオプション絡みの買い注文が多かった、ということに尽きる。為替相場におけるもっとも急速な値動きは概ね反対側にいる投機家の狼狽的な行動によってもたされたものなので、理屈にあう。特に、1.5大台絡みのオプション防衛に失敗した銀行筋は高値でユーロを買う羽目になったから、ユーロの鰻登りを齎した。

対照的に、1.6大台を打診した4月22日以降、高値更新した日は全くなかったので、買い注文が度切れたことを意味する。「プロ」の連中は口で(レポート)ユーロのトップアウトを予測していたものの、行動では「臆病」になっていた。なぜなら、彼らは本気でそう思っているなら、再び1.6絡みのオプションを大量に売っていたに違いない。が、実際1.6突破しても買いが続かないということはこのようなオプションが設定されていなかったことを露呈させた。

もっとも、このような分析をしなくても、1.6突破した後の値動きをチェックしただけで、ユーロ高に疑問を呈していただろう。そして疑問を感じたら、さっさと損切りしたり、方向転換したりすべきである。相場は本来わかりやすいもの、複雑にしたのは我々自身だ。

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