陳 満咲杜の「為替の真実」

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[庶民」の敗北、「プロ」の臆病(一)

2008年05月02日 18時05分29秒 | FXの真実
「現在、ユーロドルは保ち合いに入っていますが、テクニカル的にはブレイクした方に追従するのが作戦だと思いますが、上ぶれしたときには追従すべきではないのでしょうか?」

前記は4月15日、ある会員様からいただいたご質問ですが、当方は「上値追うには躊躇」と答え、4月に書いたレポートもすべてユーロ高に対し否定的な立場を取っていた。

実際、16日、ユーロは高値更新し、1.5979まで上昇、22日さらに1.6019まで上った。4月8日のセミナーで申し上げた「3月17日は値幅、日柄ともにアニバーサリー」という考え方からやや離れたが、自分の見通しには大した動揺がなかった。

当方に自信を与えてくれたのは個人投資家と機関投資家両サイドの行動と思惑だった。前にも書いたように、「プロ」と「素人」の行動が妙に合致している時、往々にしてトレンドの転換を齎すことが多い。

個人投資家の行動と思惑を測るには各大手マネーブローカーのポジション統計、即ち「センチメント指数」を見るのが一番適切であろう。ユーロ/ドルのポジションに関しては、2006年から一貫してネットショート(ロング・ショートポジションを相殺させ、ショートポジションが余る状況)だった。それと比例して、ユーロは1.2500レベルから1.6000までほぼ一貫して上昇してきた。

が、18日の統計では、ユーロが1.6関門を迫る中、センチメント指数は急速にニュートラルの状況に改善してきた。これは、個人投資家の総計として一貫してユーロ高に懐疑的なのに、1.6関門の接近につれ、ユーロ高を信じるようになったということを意味する。だからこそ、ユーロ高はそろそろ終焉に向かうのではないかと当方は逆に自信を深める。なぜなら、個人投資家の行動を統計的に見ると、彼らの多数は総じてトレンドと逆の動きを取るから、ドテンのサインとしては重視すべきだ。

予想通り、25日の統計では、投資家らのセンチメントがやっと反転してきた。即ち「ロング・ショートポジションを相殺して、ロングポジションが余った」という状況にあった。注意すべきなのは、この現象は2006年から初めての出来事である。断然ユーロ売りのサインとなったわけだ。

株式市場を含め、金融マーケットにおける不変の法則とは「庶民は天井にて一番強気、底ではパニック的な絶望に包まれ、そしてトレンドの途中に浮気する」である。因みに、ドル/円が暴落し、95円台をつけた3月17日、当方が書いた「夏場まで108円台まで回復」というシナリオが本日こそ現実味を帯びてきた。このような予測ができたのも市場の真実を多少知っていたからだ。決してインチキ論者の言う「米経済、金利云々」ではないことを重ねて申し上げる。

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