2002年 | 中国、日本、韓国、フランス映画 |
監 督 | ジャ・ジャンクー |
出 演 | チャオ・タオ、ウー・チョン、チャオ・ウェイウェイ、ワン・ホンウェイ |
あらすじ | 中国の地方都市・大同(ダートン)。年上のダンサー・チャオチャオ(チャオ・タオ)に恋をした19歳のシャオジイ(ウー・チョン)。彼の親友で19歳のビンビンと受験生の恋人ユェンユェンは、まだキスさえしたことがない。 |
感 想 | プラットホームもそうだったけれど、使われている音楽、踊りがいい。 卒業してもブラブラしているシャオジイは、モンゴル王酒の街頭宣伝でダンサーのチャオチャオに一目惚れする。最初は全然相手にされなかったけれど、何度も通ううちに少し親しくなる。チャオチャオの父親が入院している病院で偶然会い、チャオチャオの代わりに銀行までお金をおろしに行く。そのお礼に、一緒に食事をする。二人でディスコに行った時にかかっている音楽が、閉塞感を打ち破るハードな感じでいい。 シャオジイとチャオチャオは親しくなったのに、二人の仲はチャオサンによって引き裂かれてしまう。その後でチャオチャオが暗赤色の衣装を着てモンゴルの音楽に合わせて舞うシーンは、悲しみや怒りが伝わってきてすごかった。 シャオジイの親友、ビンビンも失業中で、軍隊に入ろうと考えている。恋人のユェンユェンは受験生。二人でリッチー・レンのヒット曲「任逍遙」を歌う。詩の内容が二人の関係そのまま。(ジャ・ジャンクー監督は「任逍遙」にインスパイアされてこの映画を作った。)ラストで、ビンビンは警官の前で「任逍遙」を歌う。その後暗転して映画は終ってしまう。 シャオジイもビンビンも、先が見えない中でさまよっていた。 長生きは無用だ。30歳でいい。 このせりふが印象的。これは日本でも他人事ではないと思う。 |
2000年 | 香港、日本、フランス映画 |
監 督 | ジャ・ジャンクー |
出 演 | ワン・ホンウエイ、チャオ・タオ、リャン・チントン、ヤン・ティエンイー |
あらすじ | 中国山西省の小さな町フェンヤン。文化劇団のメンバーのミンリャン、ルイジュエン、チャンジュン、チョンピンの4人は幼なじみで、劇団の練習、地方巡業の旅と、いつも一緒の時間を過ごしていた。しかし、やがて1980年代半ば、この小さな町にも時代の波が押し寄せてきた。 |
感 想 | 1980年代の中国。改革解放、産児制限、請け負い…。聞いたことはあるけれど、実際にどういうことか、その結果どうなったかと言われると分からないことがいっぱい。だからちょっと難しかった。 地方巡業を続ける文化劇団の人たちが奏でる音楽がすごくいい! 圧巻は、パーマをかけた(それだけでも大事件?)チョンピン(ヤン・テイエンイー)がフラメンコを踊るシーン。チラシの写真にも使われているけれど、真っ赤なドレスがよく似合っていて素晴らしかった。 もう一人のヒロイン、ルイジュエン(チャオ・タオ)は対照的に保守的。 広州から帰ってきた人がもってきたラジカセ。そこから流れる曲が「ジンギスカン」。それに合わせてみんなで踊るシーンがすごくいい。 他にもいい曲がいっぱい。 ♪ 「友よさらばだ」 ♪ 「長く延びたプラットホーム。プラットホームで僕は待ち続ける」 ♪ 「本当かも。今度のあなたとの別れ」 ♪ 「街灯の下に少女は泣いている」 |
1989年 | 香港=中国映画 |
監 督 | チン・シウトン |
出 演 | チャン・イーモウ、コン・リー、ウー・ティエンミン |
あらすじ | 秦の時代。陵墓建設の指揮官、モン(チャン・イーモウ)は、始皇帝を刺客から守った手柄により、始皇帝側近に抜擢される。始皇帝はやがて不老不死の仙薬に興味をもち始め、材料を得るべく蓬莱国(日本)への童貞童女派遣団を組織する。モンはその一団の一人、冬兒(コン・リー)を知る。(goo映画より抜粋。) |
感 想 | コン・リーは1987年に紅いコーリャンでデビュー。この映画は1989年だけど、もうチャン・イーモウとコン・リーは付き合ってたのかな? 前半は、見てて恥ずかしくなるようなラブストーリー。(笑) チャン・イーモウもコン・リーも若いなあ。 秦の時代。モンと冬兒は恋に落ち、 お前と俺は大逆無道の罪を犯した。 もはや死ぬ以外に罪を逃れる道はない。 この世で共に暮らせぬなら私も死にます。 よし。生まれ変わってまた会おう。 でも、止められる。 お二人の情死は必ずや露見するはず。 陛下のお怒りはどれほどでしょう。 このままそっと明朝に出航することに。でも、冬兒は船から逃げ出して捕らえられる。 船は出ました。 でも私はあなたと共に死ぬ覚悟を決めました。 始皇帝はモンの功績に免じて許そうとするけれど、モンは兵馬俑となって陛下のお墓を守ると言う。冬兒は火刑に。 冬兒はこれにて。 今生のお別れです。 不老長寿の仙薬は実は完成していて、まだ効果があるかどうかは確かめてなかった。冬兒はそれをモンに口移しで飲ませ、火の海の中へ。ここで流れるサリー・イップの歌う主題歌はすごくきれい。 前半の秦の時代の監督はチン・シウトンだけど、後半の1930年代の監督はカム・コクリョンだそうです。前半はロマンチックラブストーリーだったけど(笑)、後半はコミカルに。 1930年代。冬兒は映画の脇役女優、リーリーに生まれ変わった。コン・リーはかわいそうな役が多いと思うけれど、脇役女優のリーリーは、ちょっと蓮っ葉な感じでおもしろい! そういえば、ゴッドギャンブラー3と詩人の大冒険ではチャウ・シンチーとコメディーをやってておもしろかった!! リーリーは、スターの白雲飛に夢中。(笑) 白雲飛の後を追いかけてる。白雲飛は、遺跡を盗掘しようとしてたのをリーリーに見られてしまう。白雲飛は、リーリーの口を塞ごうと考え、自家用の飛行機でリーリーとデートする。(笑) リーリーが白雲飛の隠し持ってた拳銃を手にしてしまい、暴発。(笑) 白雲飛は自分だけパラシュートで脱出して、飛行機はリーリーを乗せたまま墜落する。(笑) そこはちょうど秦の始皇帝のお墓だった。そこで冬兒の生まれ変わりのリーリーは、不老長寿になったモンと再会。 モンは鎧を着てるのに、太陽がまぶしいからサングラスをかけて、格好がおもしろい。 モンは冬兒のことを覚えてるけど、リーリーはモンのことを覚えてないのがかわいそう。 いろいろドタバタがあって(笑)、白雲飛はモンとリーリーを騙して始皇帝のお墓を盗掘しようとする。 お墓とは逆方向に走ってる汽車から、モンとリーリーが馬に乗って飛び降りるシーンがかっこいい。 私は映画の世界にいて 馬鹿にされ通し。 真心をくれたのはあなただけ。 冬兒だろうが何だろうが あなたといたい。 始皇帝のお墓にはいろんな仕掛けがあって、本当にインディジョーンズみたい。(ビデオのパッケージにそう書いてあった) それほど死が怖いか。 長寿など無意味だ。 私は不老長寿だが この世の中は生きるに値しない。 お前の罪悪は天が許さぬ。 ああ、また冬兒はモンを残して逝ってしまう。 私は今ようやく冬兒に戻れたわ。 永遠に冬兒だ。 でも、気付くのが遅すぎた。 必ずもう一度生まれ変わるわ。 きっと待ってるぞ。 そして、1990年代。日本人の観光客たちが兵馬俑を見に来てる。その中に冬兒の生まれ変わりが。コン・リーが着物を着て日本人になってる! |
2008年 | 日本=香港映画 |
監 督 | 本広克行 |
出 演 | 柴咲コウ 、江口洋介 、仲村トオル 、岡村隆史 、キティ・チャン 、ティン・カイマン 、ラム・チーチョン |
あらすじ | 今は亡き祖父の道場を継ぐために中国で修行をしていた凛(柴咲コウ)。厳しい修行を終えた彼女は少林拳を世に広めるために日本へと帰ってくる。が、凛を待ち受けていたのは、すでに廃墟と化した道場と少林拳を辞めてしまった兄弟子たちの姿。凛の先生である岩井(江口洋介)も拳を捨て、今は中華料理店の厨房に立つ身に。 (ちらしより) |
感 想 | 映画生活で46点、goo映画で35点だったので心配だったけど、そこまでひどくないよ。親子で観に来てる人が多くて、客席は8割以上埋まってた。 少林サッカーやカンフーハッスルに比べると迫力不足だったけど、柴咲コウさんはかっこよかった。 凛は中国での3000日の修行を終了。 ここを出たとて修行は続いている。 凛の体の中には未知数の力を持つ気が潜んでいた。それをコントロールすることが大事。 凛は少林拳を日本でも広めようとするけど、誰も話しを聞いてくれない。(笑) 岩井の中華料理店で働いてるミンミン(キティ・チャン)が、やっと仲間に。 少林拳やってもいいよ。 ラクロスやってくれるなら。 ラクロスって何? 凛もミンミンが通っている大学のラクロス部に助っ人として入る。でも、凛はチームワークが分からない。(笑) 凛のせいで練習試合に負けてしまう。 凛は子どもたちと一緒にサッカーをして、チームワークを知る。(笑) 何で大場(仲村トオル)は凛と戦いたいのか良く分からないよ~、と思いつつ。 彼女が大切にしているものを全て壊せ。 そして、その憎しみを俺に向けさせろ。 凛はミンミンを助けに行く おお、カンフーハッスルみたいなアクションシーン。カンフーハッスルもカンフー映画へのオマージュだから、これはカンフー映画の基本なのかな。 岡村隆史とのアクションシーンは、確かにすごい。ここで凛の体の中に潜んでいる気が目覚めたのかな? そして、いよいよ大場との対決。 遅かったな。 待ちわびたぞ。 誰も待っててなんて頼んでない。 私は知りたいだけだ。 最強は誰かということを。 って、それだけのために? (笑) 大場との対決が終わってもスカッとしないのは、「少林拳は敵を倒すためのものじゃない」から。凛は戦いの闇には落ちなかった。道場の看板を集めて喜んでた愚かな大場を仲間にしてしまったのだから、凛の勝利! あれだけ「少林拳は戦うためのものじゃない」と伏線を張ってても、最後に敵を倒さないと納得できない人も多いのかな? 私も見終わった時はちょっと変だと思ったけど。 少林ラクロスが快進撃をしていくのは少林サッカーそのままじゃないか。(笑) ストーリーがめちゃくちゃという人が結構いるみたいなので、私の考えたストーリー。 大場は子どもの頃に凛と出会ってる。それで、大場はあの時の少女と戦いたいと思って道場を訪ねたけど、凛は中国に修行に行ってた。怒った大場は道場をめちゃくちゃにした。もしかしたら祖父も大場が殺した? 岩井は少林拳を戦いに使ってしまったので、自分で自分を破門にした。 大場が凛を大学で見つけてしまった。岩井は大場に「凛には手を出すな」とお願いした。岩井は凛に「俺がお前を守る」と言ったけど、「俺が大場と戦う」とは言ってない。 |
私は自分の好きな映画をけなされるのは嫌なんだけど、ついつい図書館から借りてしまった。
さらば、わが愛
レスリー・チャンは、素顔は「今くるよ」みたいなのに、化粧すると凄い美女に変貌してしまうのに驚く。
って、おもしろすぎ~。
川の流れに草は青々
昔の行儀のいい文部省推薦映画のようだもの。
これはレンタルになくて、まだ見てないなあ。文部省推薦映画って私は結構好きだけど。
恋する惑星
後半のフェイ・ウォンを気に入ってるけど、トニー・レオンは悪口を言われてる。笑
耳をすませば
これは私は好きなんだけど、真面目すぎるのは嫌いなのかな? アニメーションは「フラット・キャラクターにして荒唐無稽な話の楽しさを狙う」というのは、なるほど~と思った。
シュリ
顔にこだわりすぎです! 確かにハン・ソッキュはイケメンじゃないかもしれないけど。「ペッタンコの力士顔」ってソン・ガンホのことかな。(笑) でも、JSAはほめてた。やっぱりラブストーリーでは顔が大事なのか? コン・リーもヴィヴィアン・ウーもヤン・クイメイもあまり好きじゃないということは、顔の長い人、のっぺりした人があまり好きじゃないのかな?
グリーン・デスティニー
これはテレビで放送されるたびに悪口の感想を目にしてしまい、嫌だなあ。また悪口がいっぱいかな~と思ったら、
荒唐無稽な、ほとんどばかばかしいような物語だが、この監督いちばんの傑作ではないだろうか。
って、そんなこという人は初めて。いつか晴れた日には酷評してたから、型どおりのものはあまり好きじゃないのかな。私は、全部は見てないけど恋人たちの食卓が一番好き。
初恋のきた道
チャン・ツィイーは女性にはあまり受けがよくないみたいだけど、
写真で見ただけだったら、やや地味目のアイドル顔という印象だろう。ところが、これが映画の中で動き出すと、何とも言えない複雑微妙なニュアンスを漂わせて、目がクギづけになってしまう。
花様年華
ラヴ・ソングはほめてたけど、マギー・チャンの顔もあまり好きじゃないのか~。
ザ・ミッション
香港映画はあまり好きじゃなさそうなんだけど、ジョニー・トー監督は好きなんだ~。
2008年 | 日本映画 |
監 督 | 佐藤信介 |
出 演 | 松下奈緒、夏帆、井坂俊哉、池松壮亮、塚田健太、岡本杏理、戸田菜穂、高杉瑞穂、伴杏里、風間トオル、藤村志保 |
あらすじ | 14歳の水瀬杏(夏帆)は、母・美和子(戸田菜穂)と父・正弘(風間トオル)の離婚により母の実家・島根県に東京から移り住むことになった。当初は田舎独特の雰囲気と祖母・美佐代(藤村志保)に馴染めなかった杏だったが、近所に住む同い年の大悟(池松壮亮)や藤(塚田健太)、藤の妹・椎香(岡本杏理)たちと出会い、少しずつ自分の居場所を見つけることができた。そんな中、人生に疲れ果ててしまった母・美和子が杏を残して自殺してしまう。 (ちらしより) |
感 想 | 夏帆ちゃん、完璧。うた魂♪では周りから浮きすぎてる役でおもしろすぎだったけど、今回はまったく逆で心に深い闇を持ってる女の子。 お母さん、どこ行くの? ちょっとね。寝られないから外の空気吸ってくる。 杏はお留守番してなさい。 それが杏とお母さんの最後の会話になってしまった。 杏、ごめんな。 おばあちゃんがしゃんとせえ、 しゃんとせえって言うたけん。 おばあちゃんは悪くない。 悪いのはお母さん。 弱虫。お母さんの弱虫。 砂時計を遺影に投げつける。何てかわいそうな。でも、大悟が大切な砂時計を直してくれた。 絶対にずっと一緒におっちゃる。 1年後。杏と大悟は付き合ってたのに、 父さんが迎えに来た。 私、東京に帰るかもしれない。 どうしても言えなくて。 ごめん。 ほうか。 列車の中でのキスシーンがすごくきれい。天然コケッコーの頃とは全然違う。 杏は砂時計を大悟に預けて、東京へ。 6ヵ月後、杏は東京の高校に進学した藤と再会。 人に会わなきゃいけなくて。 杏に見張ってて欲しいんだ。 俺が逃げ出さないように。 藤も杏のことが好きだった。杏は藤とキスしてしまったので、夏休みに実家に帰って大悟と再会した時にちょっと困ってる。ここもうまいなあ。 杏と藤がキスしてしまったことを大悟が知ってしまい、藤は姿を消してしまう。 お母さんの時に似てる。 藤はすぐに帰ってくる。 いい加減なこと言わないで。 私のこと大悟には分からないでしょうが。 この辺から重たい話になってきた。こういう展開って合わない人には合わないのかな? 隣に座ってた3人娘は携帯をいじったりおしゃべりしてて、うるさいよ~。 椎香も大悟のことが好きだった。よくあるパターンでも、やっぱり胸を打たれる。 大悟は杏ちゃんを一番に考えてるのに 杏ちゃんはいつも自分のことばかり。 どうしてこんなに愛しい人を 私はうまく愛せないんだろう? あの後、どうしてあんな別れ方をしたんだろう? 怖い。私はいつかきっと大悟を押しつぶす。 杏が大悟に別れを告げてしまうシーンもすごかった。直前の杏の表情を見てたら、「ああ、言っちゃダメ」と思ってしまうくらいうまかった。 成人してからの杏を演じた松下奈緒さんは、出番が少なかった。辛いシーンばっかりでかわいそう。 杏の婚約者(高杉瑞穂)の「自分だけが傷ついた気になってる人は周りの人を傷つけてる」というような言い分は、確かにおっしゃるとおりかもしれないけど、ひどいなあ。 杏は何でこんな人と婚約したのかが映画ではほとんど描かれてなくて。時間が足りないから仕方ないけど。原作やドラマでは描かれてるのかな? 映画はほとんど夏帆ちゃんが主役で、それでうまくまとめたと思う。 杏は来ちゃダメ。 杏の祖母(藤村志保)は、最初から最後までかっこいい! そがに自分が嫌いか。 しゃんとせえよ。 杏一人じゃない。 みんなおる。 みんなついとる。 強いも弱いも一緒。 強さは弱さの上にある。 だから、今度は杏が大悟を幸せにする番。 私はやっぱりこういう後を引く映画が好き。砂時計をひっくり返すと過去が未来になるっていいなあ。いきものがかりの歌う主題歌は初めて聞いた時からいいと思ってた。 |