わたしには入院中のおばあちゃんがいます。
9月の暑い日に脳梗塞を起こして倒れました。
急性期を脱した後、リハビリ専門病院に転院しました。そして毎日毎日リハビリをしました。
そうすけを連れていくと、『ばぁちゃん』と覚えたての呼びかけに手を差し伸べて答えてくれました。
そのあと1月の寒い寒い日に脳梗塞の再発をしてまた転院しました。
救急車から降りてきたおばあちゃんは呼びかけに目をかすかに開けて答えてくれました。
急性期を脱したおばあちゃん、今は目を開けているけれど、反応はありません。
それでもそうすけは『ねんねのばぁちゃん』と呼びかけます。
おばあちゃんが脳梗塞を起こしたことは、私にとってとてもとても悲しい出来事でした。
倒れる前日に私とそうすけはおばあちゃんに会いにいっていました。
そのとき、おばあちゃんは『逝く時はころっと逝きたいな』といいました。
帰り際、おばあちゃんは『あんたが来てくれると気が晴れるでまた来て』といい、手を振って見送ってくれました。
入院してからは辛そうな顔を見ることも多くなって、泣いている姿を見ることも多くなりました。
私が『仏様が守ってくれるから大丈夫』というと『大丈夫』 それが私がきいた最後の言葉でした。
今は意識がないけど、苦しみから解放されたのだと思えます。表情は穏やかです。
ときどき面会に行っては、歯磨きをしてあげたり顔を拭いてあげたりしていました。
だけど、いまもっとおばあちゃんにしてあげたいことがいっぱいあるという気持ちが湧いてきました。
おばあちゃんは懸命に生きています。
お父さんは仕事がどんなに忙しくても週に2回は病院に通っています。
口ではきついことを言う父だけど、夏からずっと病院に通い続けるのは大変なことだと思います。
そんな父の姿を見て、今の私にできることはたくさんあります。
おばあちゃんは看護師の私によく『大学でとると、違うんやってな。お父さんに感謝しなあかんな』といいました。
看護師になって沢山のことを学ばせてもらいました。
おばあちゃんもそのことを喜んでくれて、応援してくれていました。
だから、、、おばあちゃん もう少し、もう少し、、、私のそばにいてください。