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野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

梅雨の時期に海の青を思わせる花が咲くマリンブルー

2019年07月27日 05時24分10秒 | 

 青がきれいなマリンブルーは、ブルースカイという、ガク咲きタイプのアジサイ変種らしいが、両性花は退化してほとんどみられない。四枚の花弁の一重咲きの装飾花が手毬状にあつまって咲くかれんさに人気が集まる。花弁の先がとがっているのが特徴。梅雨の時期に海の青を思わせる花が咲くのは、楽しいことだろう。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

 

 




どこか異国を思わせるキョウチクトウ

2019年07月27日 05時10分10秒 | 

キョウチクトウはその花の華々しさのために庭に植えられることが多いが、毒性の強さのために庭師も手入れしたがらないという。風に揺れる夾竹桃の赤い花は、どこか異国と激しい情熱のありかを思わせる。そのためか俳句の世界でも日本の風土と異質な要素を導入するためによく使われるようだ。「夾竹桃しんかんたるに人をにくむ 加藤秋邨」とか。あるいは「夾竹桃花のをはりの海荒るる 桂信子 女身」とか。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

 

キョウチクトウ(夾竹桃、学名: Nerium oleander var. indicum)は、キョウチクトウ科キョウチクトウ属の常緑低木もしくは常緑小高木。和名は、葉がタケに似ていること、花がモモに似ていることから。


分布
インド原産。日本へは、中国を経て江戸時代中期に伝来したという。

特徴
葉は長楕円形で、両端がとがった形。やや薄くて固い。葉の裏面には細かいくぼみがあり、気孔はその内側に開く。

花は、およそ6月より残暑の頃である9月まで開花する。花弁は基部が筒状、その先端で平らに開いて五弁に分かれ、それぞれがややプロペラ状に曲がる。ピンク、黄色、白など多数の園芸品種があり、八重咲き種もある。

日本では適切な花粉媒介者がいなかったり、挿し木で繁殖したクローンばかりということもあって、受粉に成功して果実が実ることはあまりないが、ごくまれに果実が実る。果実は細長いツノ状で、熟すると縦に割れ、中からは長い褐色の綿毛を持った種子が出てくる。

白花は一重咲き、桃色は八重咲きが多い。

有毒な防御物質を持つため、食害する昆虫は少ないが、日本では鮮やかな黄色のキョウチクトウアブラムシが、新しく伸びた枝に寄生し、また、新芽やつぼみをシロマダラノメイガの幼虫が、糸で綴って内部を食べる。九州の一部や南西諸島では、キョウチクトウスズメ(スズメガ科)の幼虫が、葉を食べて育つ。

毒性
キョウチクトウは優れた園芸植物ではあるが、強い経口毒性があり、野外活動の際に調理に用いたり、家畜が食べたりしないよう注意が必要である。花、葉、枝、根、果実すべての部分と、周辺の土壌にも毒性がある。生木を燃した煙も毒[2]。腐葉土にしても1年間は毒性が残るため、腐葉土にする際にも注意を要する。

中毒症状は、嘔気・嘔吐(100%)、四肢脱力(84%)、倦怠感(83%)、下痢(77%)、非回転性めまい(66%)、腹痛(57%)などである[3]。 治療法はジギタリス中毒と同様である。

 

夾竹桃 の例句
そこいらぢゆう夾竹桃や顔痩せて 岡本眸
そんなこともあつたやうな夾竹桃の赤さで 種田山頭火 自画像 落穂集
たましひの出入してゐる夾竹桃 飯島晴子
ゆく船のみなかくれ消ゆ夾竹桃 山口青邨
わがのぼる石段長し夾竹桃 山口青邨
パヴイリオン花垣もゆる夾竹桃 山口青邨
主はまこと碧い瞳 夾竹桃の奥処 伊丹三樹彦
人妻の眉根夾竹桃憂しと(神戸、金子兜太氏居) 細見綾子
何か炒める音して路地の夾竹桃 岡本眸
再見(ツアイチイエン)の意か大揺れの夾竹桃 鷹羽狩行
台風の接近夾竹桃の揺れ 山口誓子
地に絵硝子 解かれ 未練な夾竹桃 伊丹三樹彦
夜はさらに赤味加へて夾竹桃 鷹羽狩行
夾竹桃あせもの寄りの子を抱く 松村蒼石 寒鶯抄
夾竹桃かがまりゐしは女人かな 伊丹三樹彦
夾竹桃かほのとりかへもうきかぬ 加藤秋邨
夾竹桃から 湧く風 信じ 神父昼寝 伊丹三樹彦
夾竹桃さき滞船に燕飛ぶ 西島麥南 金剛纂
夾竹桃さき滯船に燕飛ぶ 西島麦南 人音
夾竹桃さき運河ゆく蔬菜舟 西島麦南 人音
夾竹桃しんかんたるに人をにくむ 加藤秋邨
夾竹桃そこら石切る音ばかり 伊丹三樹彦
夾竹桃たわゝに墓は数知れず 日野草城
夾竹桃どっと声立て夜の男女 伊丹三樹彦
夾竹桃に 寺門密閉 煤降る街 伊丹三樹彦
夾竹桃の明るさ暗さ夕爾の忌 安住敦
夾竹桃の燃ゆる揺れざま終戦日 松崎鉄之介
夾竹桃の空ぞ出自に復元せる 中村草田男
夾竹桃の紅が護りてゐたるかな 平井照敏
夾竹桃はげしき言葉われを去る 原裕 葦牙
夾竹桃ひとたび花ををさめけり 松村蒼石 雪
夾竹桃まぼろしの湖よぎり来て 角川源義
夾竹桃われの婚後に花了る 伊丹三樹彦
夾竹桃一夏最も眼を酷使 安住敦
夾竹桃南蛮墓標朽ちにけり 小林康治 玄霜
夾竹桃厠を酸のけむり洩れ 飴山實 おりいぶ
夾竹桃外人の声どっと夜に 伊丹三樹彦
夾竹桃寝墓に挙る季節は遠し 山口誓子
夾竹桃廈の石造貧に耐ヘ 飯田蛇笏 雪峡
夾竹桃引導鐘の圏のなか 角川源義
夾竹桃戦後の病みな長し 石田波郷
夾竹桃戦車は青き油こぼす 中村草田男
夾竹桃挿して炉の釜たぎるなり 松村蒼石 雁
夾竹桃揺れる裏窓 革命史 伊丹三樹彦
夾竹桃昼は衰へ睡りけり 草間時彦 櫻山
夾竹桃泣きじやくる子の眼鼻寄る 松崎鉄之介
夾竹桃白きがはやく秋に入る 百合山羽公 樂土
夾竹桃白しと見つつ兵汗す 山口誓子
夾竹桃白より咲いて鑑真忌 雨滴集 星野麥丘人
夾竹桃砂浜は霧賑はへり 廣瀬直人
夾竹桃窓の百日さだまりぬ 岡本眸
夾竹桃競車かくやと乱れけり 林翔 和紙
夾竹桃花のをはりの海荒るる 桂信子 女身
夾竹桃花無き墓を洗ふなり 石田波郷
夾竹桃荒れて颱風圏なりけり 山口誓子
夾竹桃街路樹とせりヴエスヴイオ噴き 山口青邨
夾竹桃親しき家の石畳 廣瀬直人 帰路
夾竹桃躍るよ無風の齢となりそ 中村草田男
女来て脚組む夾竹桃の夜 伊丹三樹彦
彩簷をめぐり夾竹桃に出づ 加藤秋邨
文中の夾竹桃も暮れにけり 斎藤玄 雁道
晝廊出て夾竹桃に磁榻ぬる 飯田蛇笏 山響集
検疫所夾竹桃と古りにけり 清崎敏郎
死の不安夾竹桃はたわたわと 伊丹三樹彦
殉教の丘長咲きの夾竹桃 鷹羽狩行
洗顔少女は裏川浸かり 夾竹桃 伊丹三樹彦
浦上や十年後の夾竹桃 石塚友二 曠日
海風の朝のすさびに夾竹桃 上田五千石『琥珀』補遺
灰燼に夾竹桃の朝の微雨 西島麦南 人音
炎帝が夾竹桃を寵児とす 相生垣瓜人 負暄
父母にあふ夾竹桃のまた盛り 森澄雄
犬連れて子を負ひて子ら夾竹桃 加藤秋邨
町空に海の雲をり夾竹桃 清崎敏郎
画廊出て夾竹桃に磁榻ぬる 飯田蛇笏 春蘭
病めば炎ゆ夾竹桃が家つつみ 松村蒼石 雪
白い夾竹桃の花の下まいばん掃く 放哉 小豆島時代
白夾竹桃のたそがれながし予後の旅 角川源義
白木槿夾竹桃の白と夜へ 石塚友二 磊[カイ]集
百年の墓ここになし夾竹桃 山口青邨
着陸の夾竹桃が目に入り来 清崎敏郎
競艇場夾竹桃を土堤の花 山口誓子
緑蔭をなす夾竹桃花に満ち 山口誓子
蚊火の風夾竹桃の裏白葉 石田波郷
裏はすぐ運河にほへり夾竹桃 山口青邨
誕生日夾竹桃の燃え足らず 相生垣瓜人 負暄
身の科や夾竹桃の昼を出でず 星野麥丘人
鬱勃たる夾竹桃の夜明けかな 平井照敏 猫町
黄哺江上白夾竹桃散るとおもえ 金子兜太
黙祷に 爆都の夾竹桃 ざわざわ 伊丹三樹彦