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Self-Censorship Nation P.3

2010-06-13 19:35:52 | 捕鯨騒動
(この記事は2010年6月12日21時時点の情報を基にしてるのであしからず・・・)


「迷惑行動する保守」による和歌山県太地町のイルカ漁などの実態について紹介してる映画『The Cove』の上映中止を求める運動は、相変わらず続行中だ。
そんな中、一連の運動の「実行犯」の一人でもあり「ナノテクゼリー」などで商才を発揮してる(笑)瀬戸 弘幸氏が謎発言をしていたのだが・・・。
・反日映画「ザ・コーヴ」の上映中止(2010年6月9日 せと弘幸blog)

この記事で瀬戸氏は、自分達の行動の「正当性」とやらを過去の事例(代々木公園に住んでいた人達の立ち退きを求めたこと)を引き合いに主張していた。
以下、2010年6月9日分せと弘幸blog『反日映画~』からその部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
私はこの話を聞いてあることを思い出した。
それはイラン人が代々木公園で野宿するなどして大きな社会問題となった時のことだが、当時我々は抗議行動を起こした。

 その時に東京都の公園管理局は極右団体などの抗議活動で混乱状態が懸念されるので、公園を閉鎖すると発表し結果的にイラン人は全て公園から追放された。

 謂わば我々は悪者とされた訳ですが、その後私は東京都の公園管理局から話を伺う機会があった。
その時に担当者らは口々に当時一般の都民から苦情が相次いだ為に閉鎖に踏み切ったと正直に教えてくれた。

 今回もおそらくはそうであろうと推測します。
つまり『主権回復を目指す会』の西村修平代表の抗議行動に賛同する多くの国民が劇場や管理会社に猛烈な抗議を行なったので、会社側は上映中止を決断した。
そういうことであると思います。
(以下略)
---- 引用以上 ----

イラン人の排除云々の背景については以下参照。
・イスラーム地域研究 回顧 Session2:The Public and Private Spheres in Muslim Societies Today;Gender and the New Media(l.u-tokyo.ac.jp)
・日本人原理主義下等(3)(2009年7月25日 media debbuger)

意地の悪い書き方をすれば、東京都公園管理局の「太刀持ち露払い」を迷惑行動する保守が果たしたことになるか。
さながら、瀬戸氏が忌み嫌う「新たな公共」を先取りしてるかのようだ(行政の肩代わりをしてる点で)。


ってのはともかく。
以前俺は、「今回はむしろ、自称「迷惑行動する保守」の方々によるしょうもない抗議活動の方が目立ってたりする。しかも、実際に成果を挙げたもんだから、今後余計に調子づくこと請け合いだ。」ってことを書いた。
正直その通りになってもうれしくないっつーの。
どんだけ迷惑行動する保守の方々が、一連の抗議活動の「成果」について自信過剰になってるんだって話だよ・・・(失笑)。
しがない一映画館におけるしょうもない映画の上映中止を自慢してどうするよ?

なお、この後も瀬戸氏の自慢は続いてるのだが面倒なのでパス。
つーか、読まない方が精神衛生上好ましいけど・・・。


一方、『The Cove』の上映中止に反対の意思を示す緊急アピールが6月7日になって出された。
・〔緊急アピール〕映画「ザ・コーヴ」上映中止に反対する!(2010年6月7日 PortSide Station)

その2日後の今月9日、『The Cove』の上映会とシンポジウムが行われた。
・『表現の自由』めぐり活発な議論 『ザ・コーヴ』上映会・シンポ(2010年6月11日 TOKYO Web)

上映会の詳しい内容とかについては、参加した人の感想を参照(手抜き)
・「ザ・コーヴ」を上映会で観る(2010年6月10日 Imamuraの日記)

ところが、だ。
これに当の「迷惑行動する保守」の片割れである有門 大輔氏が、緊急アピールに加わった人達をも非難していた。
何考えてるんだ?
・ザ・コーヴ上映中止は当然だ(2010年6月 新・極右評論)

この中で有門氏は、Sea Shepherd による「調査捕鯨」団への抗議活動と『The Cove』の上映を「日本の食文化壊滅の「最終段階」「総仕上げ」」ってな調子で強引に関連付けていた。
その上で、例の緊急アピールについてわけのわからない非難をしていた。
以下、2010年6月9日分新・極右評論『ザ・コーヴ上映中止は当然だ』よりその部分を(略
読む前に、口に含んだ食べ物や飲み物を飲みこむのを忘れずに!

---- 以下引用 ----
(中略)
賛同者らのアピールでは「言論表現の自由は、発表の場が確保されてこそ成立する」と指摘。「映画館が表現の場を守るという立場を堅持することを切望し、応援する」としている。

 しかし、日本人を貶める虐日映画に抗議し、上映に反対する声こそ憲法で保障された守られるべき言論・表現の自由ではないか。

 マスコミ報道は偽善的な言葉でいつも意図的なミスリードをしている。
問題となるような映画が上映されようとしていることに対し、猛然と抗議してこれを潰したことをさも言論弾圧であるかのように喧伝するのが常套手段だ。

 マスコミへのツテや何らの報道手段を持たぬ一介の国民による抗議行動こそは庇護されるべき「言論・表現の自由」ではないのか?

 この抗議の声を押し潰して、問題映画への如何なる批判も許さないとする独善的なスタンスこそはマルクス共産主義に通ずる発想に他ならない。
(以下略)
---- 引用以上 ----






マルクス共産主義(笑)







じゃ、有田 芳生氏に鈴木 邦男氏もマルクス共産主義の信奉者ってことか(失笑)
鈴木氏が聞いたら、一発でアイデンティティクライシスに陥る勢いだ。


ってのはともかく。
有門氏にとっては、普通の人達が『The Cove』を観て議論する機会はどうでもいいようだ。
正確には、「迷惑行動する保守」の元締め(?)である西村 修平氏も似たようなスタンスなのだが・・・。
この辺は以下参照
・ 「表現の自由」の独り占め?("The Cove"の件) (2010年6月6日 Gazing at the Celestal Blue)

つーか、件の声明が「問題映画への如何なる批判も許さない」モノと解釈できる有門氏は人として「終わってる」ような・・・(謎)。


だが、有門氏の謎展開はこれで終わらなかった。
この後、有門氏は『The Cove』を上映する側をどうしようもない論理で非難していたのだ。
以下、2010年6月9日分新・極右評論『ザ・コーヴ上映中止は当然だ』より後半部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
本来的には欧米各国のイルカ・クジラ虐殺こそ問題視されるべきところを、どの民族よりも自然の恵みに感謝を捧げてきた日本人を悪玉に仕立て、事実を捻じ曲げるとは言論・表現の名に値しない。
 そのことについて方々から怒り、抗議の声があがっているもので、ザ・コーヴ製作者とそれを擁護する自称言論人らは主権回復を目指す会ら「行動する社会運動」勢力を加害者に仕立て上げるような稚拙なレトリックは振る舞わないほうが良い。

 日本人が何を食しようがそれが日本の食文化であり、その文化・民族性を歪め侵害しようとする情報操作はもはや通用しなくなっている。
 白人から支那人・朝鮮人までが結託して日本のイルカ漁・捕鯨文化を完全抹殺するかという危機的状況において、日本人が自らの食文化を戦ってでも守ろう、争ってでも取り戻そうとする「排外的ナショナリズム」に覚醒しつつある証左で、その「道理」の前には如何に著名な言論人の言論とやらも愚かな戯言に過ぎないことを意味している。

 反日映画の関係者は抗議を受けたからといって被害者ヅラをするな!

 ザ・コーヴを擁護するエセ言論人は偽善的な正義感でヒーロー面をするな!
(以下略)
---- 引用以上 ----

どこから読んでも論点のすりかえです本当に(略

つーか、「支那人・朝鮮人までが結託して~」って書いてるけど、韓国は IWC で議論されてる商業捕鯨再開について日本と協調路線を取ってるんだよな。
ついでに、クジラの密漁なんてことも・・・。
この辺は以下参照(手抜き)
・まさかの日韓協調路線?(2009年4月30日 flagburner's blog(仮))
・韓国でクジラ密漁者が拘留された(2010年6月8日 ドイツ語好きの化学者のメモ)

なんつーか。
有門氏がイルカ漁や捕鯨をネタにして日本以外の各国を非難したいだけ、ってのが見え見えだっての(謎笑い)。
もう少し捕鯨のことを調べてから書いてくれれば・・・と書いても人として(略


それにしても。
「迷惑行動する保守」の方々は、自分たちの行動が『The Cove』の正当な評価を邪魔してるだけでなく、日本社会に自己検閲を強制してることに気付かないんだろうか?


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5 コメント

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多分 (Ursaemajpris)
2010-06-14 12:56:03
>支那人・朝鮮人までが結託して~
これは「白人から支那人・朝鮮人までが結託して~」で、崔洋一氏、ジャン・ユンカーマン氏、張雲暉氏、李纓氏が【〔緊急アピール〕映画「ザ・コーヴ」上映中止に反対する!】に賛同者として名を連ねている、という意味だと思います。

ついでに言うと
>マルクス共産主義
どうも賛同者に左派と看做されている方々が多いみたいなので、そこら辺に引っかかっているんじゃないかと思います。
ちなみに鈴木邦男氏は最近はネトウヨに左派(エセ右翼)認定されてるはずですよw
「ザ・コーヴを擁護する日本人=左派(マルクス共産主義者)、外国人=反日勢力(白豪主義者、中国人、韓国人、朝鮮人)」てな分類なんでしょう。
とても分かり易いですねw

>「迷惑行動する保守」の方々は、自分たちの行動が『The Cove』の正当な評価を邪魔してるだけでなく、日本社会に自己検閲を強制してることに気付かないんだろうか?
保守てか右翼てのは元々内向きな性向のものなんじゃないですかね。
結局は「尊王攘夷」なわけですし。

しかしまあ、ザ・コーヴ側は何で劇場上映に拘るんですかね?
ネット配信でもすりゃあ良いのに。
返信する
Ursaemajpris さんへ (flagburner)
2010-06-14 20:30:28
コメントありがとうございます。

>「ザ・コーヴを擁護する日本人=左派(マルクス共産主義者)、外国人=反日勢力(白豪主義者、中国人、韓国人、朝鮮人)」てな分類なんでしょう。
確かにわかりやすい分類ですね(苦笑)。
実際の所は、もっともっと複雑な背景があるのですけど。
まぁ、単純化したほうが自分たちの主張を広めやすい(ダマしやすい)という事情もあるかもしれませんが・・・。

>保守てか右翼てのは元々内向きな性向のものなんじゃないですかね。
>結局は「尊王攘夷」なわけですし。
この辺は結構厄介な所なんですよね。
右翼の方々にも自分たちと出自が異なる人たちと交流したい、と思ってる方々も少なからずいるかもしれませんし。
ただ、その交流が持つ意味については議論の余地がありそうです・・・。

>しかしまあ、ザ・コーヴ側は何で劇場上映に拘るんですかね?
ネット配信だと収入源確保や無断転載の問題がつきまとう点を嫌ったのかもしれません。
もっとも、仮にネット配信をした場合、日本でここまで(上映拒否などで)『The Cove』が話題になったかどうか怪しいことを踏まえれば、宣伝効果まで計算して・・・なんて想像もできなくもないですが。
(ネット配信だった場合、「迷惑行動する保守」の方々が配信サーバをクラッキングなどで攻撃する可能性は否定できませんが、『The Cove』の知名度上昇にあまり貢献しないと思いますし)
返信する
ネット放映 (Ursaemajpris)
2010-06-17 12:32:24
ニコニコ動画でライブ放映決定だそうで。
http://www.cinematoday.jp/page/N0025048

21日(月)20:00からだと、W杯は スロバキア vs パラグアイ ですね。
う~ん、W杯終わってからにしてもらえませんかねw
返信する
ネット放映 (Ursaemajpris)
2010-06-17 12:54:36
18日20時より配信だそうで。
http://www.cinematoday.jp/page/N0025048
返信する
Ursaemajpris さんへ (flagburner)
2010-06-17 20:21:18
コメント&情報ありがとうございます。

>ニコニコ動画でライブ放映決定だそうで。
これまた思い切った決断を下したようで・・・。
ただ、明日の配信時間を踏まえると視聴できる人は、ニコニコ動画のユーザーでも割と限られる可能性はありますね(苦笑)
その前に、配信終了までサーバーが持つかどうか不安ですが・・・。

>う~ん、W杯終わってからにしてもらえませんかね
世間が FIFA World Cup に注目が集まってるからこそ、という気もしないでもありませんが(多分違う)
『The Cove』に関する騒動が起きて作品への注目が集まろうとしていた時期が、見事に FIFA World Cupの開催時期と被ったのはある意味不幸なのかもしれません。
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