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マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

組織としてのJAZAの問題点も結構根深そうだが(May 24, 2015)

2015-05-24 21:11:34 | 捕鯨騒動
今回は補足みたいなモン。


先月22日のことになるが、世界動物園水族館協会(World Association of Zoos and Aquariums:WAZA)が日本動物園水族館協会(Japan Association of Zoos and Aquariums:JAZA)の会員資格を停止+除名通告を行った。
WAZAの通告に対する回答期限(今日)の前日、JAZAは加盟してる動物園・水族館に対しJAZAがWAZAに残留するべきか離脱するべきかについて投票を行った。
そして、WAZAに残留するべきという意見が多数となり、JAZAはWAZAに残留することを決めた。
が、水族館側はこの決定に不満タラタラという・・・。
これに関しては以下参照(手抜き)。
・JAZAがWAZAから除名されたら笑うしかないんだが(May 10, 2015)(2015年5月10日 flagburner's blog(仮))
・だから「日本いじめ」で問題点を隠すなと(略)(May 14, 2015)(2015年5月14日 flagburner's blog(仮))
・JAZAから脱退する水族館(や動物園)はどれだけ出るのやら(危険)(May 21, 2015)(2015年5月21日 flagburner's blog(仮))

で、この騒動に関して自民党捕鯨議員連盟などから「日本動物園水族館協会をやめる水族館が出た場合に何らかの支援が必要」なんていう妙な提案が出てきたのだが・・・。
・自民“協会やめる場合には水族館に支援を”(2015年5月21日 nhk.or.jp)

一体全体どういうことなのか理解に苦しむこの話。
とりあえず、2015年5月21日分nhk.or.jp『自民~』から前半部分を(略)

---- 以下引用 ----
自民党の捕鯨議員連盟などの合同会議が開かれ、「日本動物園水族館協会」が「追い込み漁」で捕獲されたイルカの入手禁止を決めたことについて、今後、協会をやめる水族館が出た場合には何らかの支援が必要だといった意見が出されました。

自民党の捕鯨議員連盟や文部科学部会などは、水族館で展示するイルカの入手方法を巡って、WAZA=「世界動物園水族館協会」から除名処分にすると通告されていた「日本動物園水族館協会」が、「追い込み漁」で捕獲されたイルカの入手禁止を決めたことを受けて、合同会議を開きました。
この中で議員連盟の会長の鈴木・元環境大臣は、「『追い込み漁』は古来からある日本の伝統であり、今回のWAZAの勧告は、われわれの主張と照らして見過ごすことはできない。われわれもしっかり発信をしていく必要がある」と述べました。
このあと出席した議員からは、「日本動物園水族館協会をやめる水族館が出た場合に何らかの支援が必要だ」という意見や、「今回の問題を巡って政府内で情報の重要性がきちんと判断されていなかったのではないか」といった指摘が出されました。
そして合同会議では、21日、出された意見を中心に決議を取りまとめることになりました。
(以下略)
---- 引用以上 ----

「JAZAをやめる~」云々と発言した議員(誰だよ?)は、JAZAに加盟してる水族館に対し暗に脱退すべき(理想としては全水族館の一斉脱退かと)と思ってるんだろうな。
それにより、WAZAが示した方針に強く抗議するというのがこの議員が描くシナリオかと。
たとえJAZAを脱退して、水族館における他の海洋生物の繁殖や保護に支障が出たとしても・・・。


一方、WAZAに対する恨み節もチラホラ出ていた。
下のナベツネ機関紙の社説はその一例で・・・。
・イルカ伝統漁 国際的圧力に屈した組織残留(2015年5月21日 yomiuri.co.jp)

参考までに、2015年5月21日分 yomiuri.co.jp『イルカ伝統漁~』を全文(略)
読んだ後に、「日本sugeeeeeeeeeeeeee」という気分になっても当blogは一切責任を負わな(略)

---- 以下引用 ----
 世界中の希少な生き物を間近に見られる水族館や動物園を維持していくには、やむを得ない選択だったと言える。

 世界動物園水族館協会から、追い込み漁で捕獲したイルカを購入しないよう迫られた日本動物園水族館協会(JAZA)が、その要求を受け入れ、世界協会傘下にとどまることを決めた。
世界協会は決定を歓迎している。

 JAZAは先月、倫理規定に反するとして、世界協会の会員資格を停止された。
イルカを追い込み漁で入手し続ければ、除名するとも通告されていた。

 追い込み漁は和歌山県太地町で行われている伝統的漁法だ。金属音を鳴らして群れを湾内に追い込み、網を張って捕獲する。
6年前に公開された米映画「ザ・コーヴ」の題材となり、イルカがかわいそうだという印象を残した。

世界協会の要求には、追い込み漁を批判する反捕鯨団体などの主張が色濃く反映されている。
日本独自の文化を全く顧みず、漁法のどのような面が残酷なのかを具体的に説明しない世界協会の一方的な姿勢は、極めて問題である。

だが、除名された場合に、JAZAの多数を占める動物園が受ける不利益は大きい。
海外の動物園から希少動物を借り受け、繁殖させるといった事業が立ち行かなくなる恐れがある。

国際的圧力の中で、JAZAにとっては、各施設の運営継続を優先した苦渋の判断だった。

JAZA加盟の約30の水族館がイルカを飼育している。
その多くが太地町から調達したものだ。

 今後は、水族館で繁殖させることが重要になる。
米国では、水族館生まれのイルカが7割を占めるのに対し、日本は1割余りにとどまる。
研究機関と協力し、繁殖技術を確立する必要がある。

繁殖には専用プールなどの整備も不可欠だ。
自前で取り組むのが難しい中小の水族館に、大型施設で繁殖させたイルカを分配するなど、連携の強化が求められる。

 今回の問題により、追い込み漁ができなくなるわけではない。
世界協会に加盟していない中国などの水族館や、JAZAに未加盟の国内の施設は、今後も捕獲したイルカを購入するだろう。

追い込み漁は、政府による資源管理の下で、合法的に実施されている。
菅官房長官は「資源の持続的な利用について、丁寧に説明していきたい」と述べた。

 鯨類に関する日本の伝統文化について、国際社会の理解を得る努力を続けていかねばならない。
---- 引用以上 ----

少なくても過去10年間におけるJAZAやそこに加盟してる水族館側の(悪い意味での)対応について何も言及してないのは見事というべきか。
この社説を書いた人は、今回の騒動の全ての元凶はWAZAと「反捕鯨団体」にあると本気で考えてるんだろうか?
どこまでも救いようがない「日本は常に正しい」論・・・。


皮肉なのは、「調査捕鯨」を推進する小松 正之(Masayuki KOMATSU)氏からJAZAの対応の問題点が指摘されていたこと。
・識者「協会内議論不足」「食文化に軸足を」(2015年5月21日 sankei.com)

参考までに、2015年5月21日分 sankei.com『識者~』から前半部分を(略)

---- 以下引用 ----
捕鯨問題に詳しいアジア成長研究所の小松 正之氏は、太地町の追い込み漁の技術は世界的にみても高いとし、「日本は海洋国家であり、海洋生物の扱いには一日の長がある。そういうことを世界に向けて発信する努力を継続すべきだ。『やめろ』といわれて『はい、やめます』ではないと思う」と話した。

 その上で小松氏は「そもそも動物園と水族館では、利害が合わないことも多い。イルカや鯨の問題について、JAZAのメンバー間で、これまできちんと意見交換ができていたのか。していたとしても、それが足りなかったのではないか」と、JAZA内部で意思統一が図られていなかった可能性を指摘する。
(以下略)
---- 引用以上 ----

この騒動に関して、JAZAに加盟してる動物園と水族館の間でどういうやりとりがあったのか不明だが・・・。
もしかしたら、お互いの専門性が高いあまり動物園は動物園、水族館は水族館、といった具合にそれぞれが抱える(飼育や繁殖に関する)課題について動物園と水族館の間で相互共有が進んでなかったのかもしれない。
この辺りは、JAZA自身が優先的に取り組むべき課題なのだが・・・。


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