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Here comes George W. Aso

2009-06-11 20:13:07 | おかしな人たち
ちうわけで、昨日麻生首相が温室効果ガス排出量の削減幅に関して削減幅(1990年比8%減)を正式に表明した。
・温室ガス:中期目標は「05年比15%減」 麻生首相表明(2009年6月10日 毎日jp)

しかし、この削減幅には、当然というか各方面から日本政府への批判が噴出した。
・将来世代に無責任と化石賞 ブッシュ氏になぞらえ批判
(2009年6月11日 47NEWS)

なんでも、ドイツはボンで行われている会合で、日本政府の代表が温室効果ガス排出量削減の中期目標について公表したとか。
だが、この中期目標、環境団体などが日本政府に求めてた削減幅(1990年比25%)に比べて到底及ばないものだった。

そんな中期目標を出したもんだから、麻生首相への批判も相当なものだった。
以下、47NEWS の記事を全文引用しておく。

---- 引用以上 ----
 【ボン10日共同】地球温暖化問題に取り組む環境保護団体の国際連合組織は10日、小さな温室効果ガス削減目標を決めたとして、地球温暖化対策に後ろ向きな行動を取った国に贈る「今日の化石賞」の特別賞に日本を選んだ。
ボンでの気候変動枠組み条約の特別作業部会で記者会見し、発表した。

 会見で、気候ネットワークの平田仁子さんは「京都議定書の目標から2%分しか厳しくなく、2013年からの8年間、ほとんど何もしないということだ」と指摘。
「この目標は次期枠組みの交渉に深刻な悪影響を及ぼす。首相は、温暖化の影響に脆弱な国や将来の世代に対して無責任だ」と厳しく批判した。

 化石賞の発表では、温暖化対策に後ろ向きだったブッシュ前米大統領と、麻生太郎首相の顔を合成した“ジョージ・W・麻生”氏の写真が掲げられ、大量の二酸化炭素が出る石炭が日本に贈られる演出も。
受賞を気にして会見場をのぞく日本政府関係者の姿もあった。

---- 引用以上 ----

『George W.Aso』ね・・・。
確かに、麻生首相の先祖様も(よりによって1900年代前半に)炭鉱会社を経営していたけどな。
金持ちのボンボンで、親だか祖父だかに政治家(国の最高責任者にもなってる)がいるあたり、麻生首相と George W.Bush 前大統領と共通する点があるんだろうな。
一見違う点としては、W.Bush 前大統領が福音派キリスト教、麻生首相が漫画を信仰(?)してるくらいだが。
どっちも、あるモノに帰依してるのは確かなようだ・・・。


話を戻す。
そんな排出量削減幅の中期目標については、環境団体から批判が飛び出した。
・「05年比15%削減」=「90年比8%削減」ではヒーローになれない!(2009年6月10日 WWFジャパン)
・日本の「8%削減」中期目標 このままでは国際社会から孤立する(2009年6月10日 気候ネットワーク)

特に、気候ネットワークの声明では、日本政府(と経団連)が温室効果ガス削減に関する負担面について強調してるのを非難していた。
以下、2009年6月10日分気候ネットワークの声明から、その部分を引用しておく。

---- 以下引用 ----
(中略)
麻生首相は、意見交換会やパブリックコメント、内閣府が行った世論調査を根拠にあげるが、これらはいずれもその論拠とはなりえない。
意見交換会などは、経団連などの動員で占められ、世論調査も誤った断定的判断の提供による世論偽装に近い。
5月に環境省から公表された「地球温暖化の日本への影響」では、対策をとらない場合に年間10兆円をはるかに上回る損失や健康への被害が見込まれ、そのリスクは気温の上昇とともに大きくなると予測されている。
このような温暖化による被害や損失を示さず、あえて高く設定された対策費用から、国民の負担額を誇張し、恣意的に低い目標に誘導しようとしたというほかない。

 しかし、アバーズやWWF、気候ネットワークなどNGOが独自に行った世論調査では、支持政党を問わない6割を超える人々が、麻生政権の温暖化対策を不十分と考え、25%以上の削減目標を支持し、高い削減目標が日本経済にプラスであると考えている。
この結果こそ、素直な市民の感覚をあらわしたものだ。

 温暖化対策は、エネルギーコストの削減効果や新規産業を育成し、雇用を創出する効果もある。
また、導入される政策措置によって社会全体の費用額も変わってくる。
政府がなすべきは、水増しされた負担額を強調し、国民を脅して萎縮させるのではなく、こうした国民の危機意識と意欲に応え、実効性のある効果的な政策を導入して産業や雇用の創出をはかり、国民の低炭素経済社会に向けての行動を引き出すことである。
(以下略)
---- 引用以上 ----

なんつーか。
生活や経済への影響を語るだけじゃ話にならない、ってことか?


そんな批判なんぞどこ吹く風だったのが、日本経団連。
昨日の中期目標の発表を受けて、経団連の会長こと御手洗 意味不明のコメントを述べていた。
・麻生総理によるわが国の中期目標の発表に対する御手洗会長コメント(2009年6月10日 日本経団連)

日本経団連のコメントは、自画自賛と言い逃れに終始してた。
以下、昨日付けのコメントを(嫌なんだけど)引用しておく。

---- 以下引用 ----
総理の政治的決断であろうが、わが国にとっても、また、欧米と比較しても、極めて厳しい目標と言わざるを得ない。

産業界は、懸命の努力により製造工程と製品の両面において世界最高水準のエネルギー効率を実現してきた。
ポスト京都議定書の下でも、引き続き、低炭素社会の実現と地球規模の温暖化対策に最大限努力をしていく。

今後は、こうした産業界の努力に加え、民生・運輸部門等における省エネ・新エネ製品の消費者への大規模な普及が不可欠である。
政府の取組みを強く求めるとともに、温暖化対策に伴う負担について、国民の理解と協力が得られるよう、十分な説明を行っていただきたい。

ポスト京都議定書の国際枠組については、すべての主要排出国が意味ある形で参加するとともに、公平な国際競争条件が確保されるよう、政府においては、断固とした姿勢で交渉に臨んでいただきたい。
---- 引用以上 ----

温室効果ガス排出量削減の負担を逃れようと必死になってる癖に、国際社会での公平も何もね~わな。
つーか、消費エネルギーの大きい製品を売りつけてる企業に対して、日本経団連は何か注意すらしないんか?


ナベツネ機関紙と天下の 3K新聞も、日本経団連と同様の姿勢を今日付けの社説で披露していた。
特に 3K新聞は、この中期目標に関して『笑わば笑え』の気概で「1990年比4%増(!)」という日本経団連の要望を推奨していた実績がある。
ってことで、今日の主張でも相変わらず後ろ向きな事を述べていた。
・【主張】温室ガス削減目標 負担は重くて効果は薄い(2009年6月11日 MSN産経ニュース)

しかも、今日の主張では、今までに無い提言も・・・。
以下、2009年6月11日分 MSN産経ニュース『温室効果ガス削減目標~』から最後の5段落を引用しておく。

---- 以下引用 ----
(中略)
温暖化を食い止めるための最も実効的な手立ては、米国と中国の参加である。
両国で世界の排出量の40%を占めている。
しかも削減余地が大きいので、気温上昇の抑制効果は非常に高い。

 国内には、より大幅な削減を主張する声もある。
日本が高い目標を設定することで、中国などを削減の取り組みに誘い込めるのではないかという期待だが、地球益と各国の国益が交錯する温暖化防止交渉はそれほど甘くない。

 日本の実績を踏まえれば「2005年比4%減」が妥当な目標であった。
それをあえて15%減にしたのだから未削減国に対する実施要請はこれまで以上に重要だ。

 また、将来の10年間には、柏崎刈羽原発を止めたような地震も再来し得る。
原発が停止すれば削減への影響は大だ。
新議定書には免責条項を盛り込むべきである。

 そうした主張もできなければ、他国の「言いなり国家」として世界の笑いものになるだけだ。

---- 引用以上 ----

免責条項?
言いなり国家?

『産業経済新聞』を自称するだけのことを書いてくれたわ(毒)

つーか、3K 的には免責条項にどのような文言を盛り込んで欲しいのだろうか?
『日本経団連が協力しない場合は、中期目標を達成できなくてもいい』とでも?
あるいは、『中国やインドなどが日本の温室効果ガス排出量削減技術を受け入れなければ、中期目標を達成できなくてもいい』とでも?
全く持って馬鹿げてる。

それより何より悪質なのは、この話を暗にナショナリズムに結び付けようとしてる点。
なんか 3K が求めてる姿勢って、「調査捕鯨」とか北朝鮮に関する日本政府の姿勢に似てるような・・・。
3K新聞はそんなに日本を世界から孤立させたいんか?


それにしても。
一連の騒動で日本政府や日本経団連(それと3Kとナベツネ機関紙)が披露した主張を読んでると、「日本だけが」得すれば他の国はどうでもいいってのが裏に出てるんだよな。
いや、ひょっとしたら、この人達は現実と将来の日本でなく、現実と将来のニッポソだけが得すればいいとでも考えてるかもしれんな。
そんな人達が、現実と将来の日本でも影響力を発揮してるこの状況って色んな意味で世界全体の災厄かもな・・・。


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