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第25利丸 の陸揚げに億以上の金がかかるとはいえ(Sep 6, 2012)

2012-09-06 19:44:52 | 捕鯨騒動
今回は、『第25利丸』という捕鯨船に関するメモ・・・。


山口県下関市の下関漁港には、『第25利丸』という捕鯨船(運用は 10年前に終了)が係留されている。
この『第25利丸』、2007年から捕鯨産業の過去を伝えるという意味あいで港に展示・公開(乗船もできる)されていた。
・第25利丸 下関市で一般公開 栄光の捕鯨史の象徴船(2012年7月28日 whaling.jp;日刊みなと新聞)

以下、2007年7月28日 whaling.jp『第25利丸~』から前半部分を(略

---- 以下引用 ----
捕鯨船として45年間活躍した「第25利丸」(740トン)が26日から寄贈先の山口県下関市で一般公開され、同日、山村 和夫共同船舶社長や森下 丈二水産庁国際課漁業交渉官ら関係者約60人が参加し、記念式典があった。

来賓の森下氏が「第25利丸誕生の1962年は南氷洋捕鯨の最盛期。当時国内の鯨肉消費は年間23万トンで、多くの日本人の胃袋を支えた」「激動の時代を見守り、誕生した下関に戻り感慨深い。捕鯨を大きくサポートする下関の象徴となると期待する」とあいさつ。

山村氏は「下関には調査捕鯨船団の出航式など協力いただいている。第25利丸も整備を終えまるで建造当時に戻ったようで感謝している」とし、「マルハの捕鯨船として活躍、最後の最高傑作船だと感じている。栄光の時代を見守り続けた船が下関で公開されることは無上の喜び」と語った。

第25利丸の前で、専立寺保育園園児17人が手作りの鯨のお面をかぶり鯨踊りを披露した。
江島 潔市長、森下氏、山村氏らがくす玉を割り、参加者らは環境にやさしい風船を空に放った。
(以下略)
---- 引用以上 ----

随分と威勢のいいコメントだわな。
なにせ、山村氏達にしてみれば、自分達の「過去の栄光」を多くの人達に披露する機会を得たのだから・・・。


しかし、それから 3年後、山村氏達の予想を裏切る展開が待っていた。
2010年5月9日、『第25利丸』の船内見学が終了した。
表向きの理由は「船舶管理上」となっていたが、実際は下関市の財政難により本来必要な検査[おまけ参照]を受けさせることができなかったため。
↓船内見学最終日に行った人の感想(手抜き)。
・第25利丸(2010年5月9日 地図屋の日々の出来事)

で、今年になっても『第25利丸』の検査を受けさせることができず、下関市は『第25利丸』の別の利用方法を考えているのだが・・・。
・捕鯨船見学乗船できず2年(2012年9月4日 YOMIURI ONLINE)

以下、2012年9月4日分 YOMIURI ONLINE『捕鯨船~』から後半部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
係留船とみなされる同船に見学者を乗船させるためには、船舶安全法に基づき、5年に1度の定期検査と毎年の中間検査をパスする必要がある。
市はこうした検査を受けてきたが、10年の検査前に、約1600万円の検査費に、検査に伴う修繕費や塗装費などを加えると計約6400万円が見込まれることが判明。
市は検査を見送り、同年7月以降、見学者は乗船できなくなった。

 乗船見学ができた09年度は2741人が訪れたが、岸壁からの見学になった11年度の来場者は1398人に半減。
展示資料室で解説している林兼造船OBの和田 博さん(71)(下関市)は「乗船できないと知ってがっかりして帰る見学者も多い。捕鯨砲などを間近で見てもらいたいが……」と残念がっている。

市は今後の活用策として、〈1〉乗船できるように検査を受けて岸壁周辺も整備する〈2〉中心市街地周辺での海上係留や陸上係留〈3〉捕鯨砲などの備品をモニュメントとして制作展示する――などを検討している。

 市水産課は「クジラや捕鯨は下関のシンボル。今年度中に有効活用策の結論を出したい」としている。
---- 引用以上 ----

どの活用策にもそれなりの予算が必要ってのは言うまでもないが・・・。
陸上係留となれば、周辺設備も含めて相当な費用になるのは必至っぺぇ。
実際、今年2月和歌山県太地町では『第1京丸』という捕鯨船が陸揚げされたが、陸揚げ費用+展示予定地の公園整備費用などで約2億5千万円かかるという。
↓2012年2月28日分 YOMIURI ONLINE『歌山・太地にふれあい「クジラ牧場」…5年後めどオープン』(の転載モノ)も参照。
・【生活】和歌山・太地にふれあい「クジラ牧場」…5年後めどオープン(2012年2月28日 和歌山ちゃんねる)

サイズ的には『第25利丸』は『第1京丸』より少し小さいとはいえ、『第1京丸』の陸揚げなどの費用に匹敵する予算支出を下関市議会が認める可能性は意外と低いかもしれん。
なんせ、2010年度予算案を決める際、『第25利丸』の検査費をケチってるくらいだし。
この辺は以下参照(手抜き)
・平成22年度予算説明会(2010年2月26日 shin-hayashi.net)

進むも地獄、引くも地獄とはよく言ったもの・・・。


それにしても。
『第25利丸』を譲渡(押しつけた?)した当事者である 山村氏達は、この状況についてどう思ってるんだろうか?


おまけ:船舶安全法の第10条で、日本の船舶が船舶検査を受ける期間を定めている。
・船舶安全法(昭和八年三月十五日法律第十一号)(2011年6月24日最終改正分 law.e-gov.go.jp)

以下、law.e-gov.go.jp『船舶安全法~』を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
第十条  船舶検査証書ノ有効期間ハ五年トス但シ旅客船ヲ除キ平水区域ヲ航行区域トスル船舶又ハ小型船舶ニシテ国土交通省令ヲ以テ定ムルモノニ付テハ六年トス
○2 船舶検査証書ハ国土交通大臣ノ特ニ定ムル場合ニ於テハ其ノ有効期間満了後三月迄ハ仍其ノ効力ヲ有ス此ノ場合ニ於テ必要ナル事項ハ国土交通省令ヲ以テ之ヲ定ム
○3 船舶検査証書ハ中間検査、臨時検査又ハ特別検査ニ合格セザル船舶ニ付テハ之ニ合格スル迄其ノ効力ヲ停止ス
○4 第八条ノ船舶ノ受有スル船舶検査証書ハ其ノ船舶ガ当該船級ノ登録ヲ抹消セラレ又ハ旅客船ト為リタルトキハ其ノ有効期間満了ス
(以下略)
---- 引用以上 ----

『第25利丸』は係留されてるだけなのに船舶検査が必要とはこはいかに。


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