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No Olympic Tokyo 2020(P.15)

2012-02-17 21:23:26 | 五輪招致ネタ
今月13日のことになるが、東京五輪招致委員会(っていうか東京都)が国際オリンピック委員会(IOC)に対し開催計画書を提出し、正式に2020年夏季五輪招致レースに参加したが・・・。
・20年夏季五輪:東京開催計画概要 主会場は国立競技場 サッカー、宮城でも(2012年2月17日 毎日jp)

以前から、東京での五輪招致に反対してきた俺だが、今回の計画公表でその思いを更に強くした。
以下、2012年2月17日分毎日jp『20年夏季五輪~』を全文(略

---- 以下引用 ----
20年東京五輪招致委員会は16日、国際オリンピック委員会(IOC)に13日提出した開催計画の概要を記した「申請ファイル」を発表した。
「ニッポン復活オリンピック」を旗印に、東日本大震災からの復興とそのアピール、再び国際舞台での日本の存在感を高めることを目標に掲げている。

 期間は五輪が7月24日から8月9日までの17日間、パラリンピックが8月25日から9月6日までの13日間。
35会場のうち15カ所は既存施設、11カ所が新設、9カ所は仮設。メーンスタジアムは、16年五輪招致の際は中央区晴海地区に新設予定としたが、今回は64年五輪と同じ国立競技場(新宿区)とした。晴海地区に選手村(44ヘクタール)を置き、その半径8キロ圏内に28会場を配して「コンパクト五輪」もアピールする。

 被災地では、宮城県の宮城スタジアムでサッカーの予選リーグを計画。
被災3県の担当者らで組織する招致委員会内の復興専門委員会も16日に中間とりまとめを公表し、聖火リレーの被災地縦断や五輪の予選の誘致などの構想を示した。

 今回の招致活動の総予算について申請ファイルは、16年五輪招致時のほぼ半分の75億円とした。
東京都が37億円を負担し、38億円は民間資金を見込む。
五輪を開催する場合の競技会場整備費用は3557億円で、うち1598億円が東京都負担と試算している。

 一方、IOCは16日、20年五輪に立候補する東京、マドリード(スペイン)、イスタンブール(トルコ)、ドーハ(カタール)、バクー(アゼルバイジャン)の5都市が申請ファイルを提出したと正式に発表した。
5月のIOC理事会で第1次選考が行われ、通過都市は13年1月7日までに「立候補ファイル」を提出。
同9月7日のIOC総会(ブエノスアイレス)で開催都市が決まる。
【柳澤 一男、石井 朗生】
---- 引用以上 ----

2020年夏季五輪招致活動に使う予算が前回から減らされたのは、前回の失敗後電通に債権放棄を求めたなんてトラブルを避けるためなんだろうか?
実際、電通は、前回の招致に関する赤字を肩代わりしてたし。
この辺は以下参照(手抜き)
・16年五輪招致の赤字7億 電通が一時負担し精算 都議会で明らかに(2012年2月6日 MSN産経ニュース)

このことで東京都は電通に「貸し」を作ってしまったのを踏まえると、今回の招致活動が失敗→負債を抱えた後で再び電通に同じことをやらせるのは無理があるかと・・・。

というか、去年3月の震災からの復興をアピールするという目的については、「とってつけた感」が否めないのだが。
・「ニッポン復活」へ東京五輪招致も「ナゼ東北でないの?」…海外メディアから疑問の声(2012年2月16日 hochi.yomiuri.co.jp)

以下、2012年2月16日分 hochi.yomiuri.co.jp『「ニッポン復活」へ~』から後半部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
 だが都知事退席後の質疑応答では、海外メディアから「なぜ、東北ではないのか?」の質問が出た。
招致委の水野 正人専務理事は「復興も含め、日本が元気になるのを世界の人々と分かち合うことが大切。パブリックビューイングを被災地各地でやる」と答えたが、質問した記者に納得の様子はなかった。

 16年招致は約150億円の活動費を使った末に落選。55・5%の低支持率が表す世論の盛り上がり不足や、IOC委員の票を集める「外交力」の弱さが露呈した。
今回は活動費を75億円に圧縮。
競技施設は選手村から半径8キロ以内と、前回同様コンパクトな五輪をアピールした。
ライバル都市にひけを取らない概要だが、肝心の大義名分はどうか。

 荒木田 裕子スポーツディレクター(SD)は「震災を通じ、勇気、元気を与えることができるスポーツの力がいかに大きいか分かった。スポーツの力を東京から大きく訴えたい」と補足した。

 3・11の困難を経験した日本人なら伝わる。
だが、投票権を持つシビアな目線のIOC委員を口説けるか。
---- 引用以上 ----

被災地でパブリックビューイングって・・・。
震災がなかったとしても、それくらいやっても不思議でない企画だしな~(苦笑)。
フットボール以外の競技も東北地方で云々って返答なら、話は少し違ったかもしれんが。


だが、何より招致委員会の出した活動方針で問題なのは、「ニッポン復活オリンピック」なんてのを五輪開催の旗印にしていること。
招致委員会公式サイト TOP ページでは、それを掲げてる文言が並んでるのだが・・・。
・TOKYO 2020

実は、日本語版、英語版(フランス語版は英語版とだいたい同じ文章量)の TOP ページで意味合いが異なっていた。
まずは、2020年夏季五輪招致委員会公式サイト TOP ページ英語版の文章を(略

---- 以下引用 ----
[以下英語版]
Japan has a long and distinguished history as part of the global sporting community.

Our athletes first competed at the Olympic Games exactly 100 years ago, in 1912.

We proudly hosted the Games in Tokyo in 1964, demonstrating the power of sport as a domestic catalyst for change and international agent for friendship and understanding.

Now, we want to renew the success.
We want to use the 2020 Games as a catalyst for development and progress at home, and an instrument for bringing the world closer together.

This bid had been given extra importance because of the tragic 2011 earthquake and tsunami.
We have a responsibility to inspire and unite the entire population behind a common goal - and a vision for the future.

Tokyo 2020 will see new sporting and other development in the world's largest and most spectacular and urban areas.
And global friendships renewed by Games of excellence and real excitement.
Together, with new generations.
---- 引用以上 ----

この英語版では、日本が夏季五輪開催能力を持ってることを強調している。
去年3月の震災はオマケ扱いでしかない。

一方、日本語版の TOP ページでは、やたらと「ニッポン」と「私たち」いう言葉を使っている。
以下、2020年夏季五輪招致委員会公式サイト TOP ページの日本語版を(略
ただし、[]内は俺が追加した補足。

---- 以下引用 ----
東京のためだけではなく、私たちのニッポンのために。
ニッポンの復活のためのオリンピック・パラリンピックを、東京に。

オリンピック・パラリンピックは夢をくれる。
そして力をくれる。
経済に力をくれる。
仕事をつくる。
それが未来をつくる。
そして世界の意識をニッポンにつれてきてくれる。
今、それがニッポンには必要だ。

2020ねんまでにあらゆるジャンルのニッポンを復活させるために。
日本人みんながひとつの夢をもつ。
そのことをためらう理由はどこにもありません。
ニッポン心の復活をスポーツの力で。

[大きな日の丸の画像がある:おまけ参照]

私たちはいつから目的をもつことがヘタになったんだろう。
私たちはいつから勝たなくてもいいと斜に構えて挑戦することから逃げるようになったんだろう。
私たちはいつから経済大国という言葉に甘えて情熱を特別なものにしてしまったんだろう。
たくさんの困難にあった今、復興と戦う今、私たちは未来とも戦わなければならない。

そのことを忘れないでください。
現在を理由に未来を閉じないようにしてください。

未来が何を失いつつあるかを私たちはごまかしながら生きていないか。

このままだとこの国は世界から忘れられてしまうかもしれない。
今何かをしなければ、この国の未来や子供たちの自信を奪うことになるかもしれない。
誇るべきものを誇るために。
勝つべきものを勝ちとろう。
未来のために。
東京にオリンピックを呼ぶのではない。
ニッポンに呼ぶのだ。
オリンピックは夢をくれる。
そして力をくれる。
経済に力をくれる。
仕事をつくる。
それが未来をつくる今になる。
そして世界の意識をニッポンにつれてきてくれる。
今、それが日本には必要だ。
復活を世界にアピールするために。

2020年までにニッポンを復活させるために。

もう一度言います。
これは東京のオリンピック・パラリンピックではありません。
これはニッポン復活のオリンピック・パラリンピックなのです。

私たちは具体的に東日本に経済効果が及ぶようなオリンピック・パラリンピックにしたいと切望しています。
招致アクションそのものがきちんと日本全体を活性化させるものにしたいと願っています。
そのためにたくさんのアイデアを広く皆様にもお願いしたいと考えています。
世界の競争で勝てる立候補都市、東京で
日本全体に価値のあるオリンピック・パラリンピックをつくるのです。

今回の招致レースは勝てる可能性が高いと言われています。
ニッポンは今限りなくリアルなところにいます。
2013年9月に開催都市が決まります。
この一年が勝負になります。

私たちの心に火がともり、それが日本を熱くひとつにする炎になるように。
ひとりひとりの正しい気持ちがニッポンの力になるために。

私たちの心に火を。
私たちの夢に火を。
その火をニッポンに。
その炎を世界に。
---- 引用以上 ----

・・・これを読んでて、「私たち」って誰のことなのかと疑問に思ったのは俺だけか?
だいたい、「具体的に東日本に経済効果が及ぶような」五輪って、「ニッポンの復活のためのオリンピック・パラリンピックを、東京に」という文言と実際の計画との整合性が取れてるのか?
上の文章で最悪なのは、「日本人みんながひとつの夢をもつ。そのことをためらう理由はどこにもありません」ってくだり。
日本人(とみなされる人達)がひとつの夢(この場合2020年夏季五輪招致)を持つのが当然、なんて招致委員会(というか東京都や日本政府)の意識が透けて見える。

こういう文章になったのは、2020年夏季五輪招致委員会公式サイト TOP ページの日本語版文章は、日本国内向けのアピール文だからかもしれん。
もっとも、例の文章を少しでも読めば、逆効果としか思えないのだが・・・。


つーことで、今回もこの〆で・・・。

No olympic Tokyo 2020!!!!
Non olympique de Tokyo 2020!!!!
No Olímpico de Tokio 2020!!!!
Нет олимпийский Токио 2020!!!!
لا الاولمبية 2020 في طوكيو!!!!
לא אולימפי טוקיו 2020 !!!!
ไม่มีโอลิมปิก 2020 โตเกียว!!!!
Không có Tokyo Olympic 2020!!!!
2020年东京奥运会没有!!!!
아니 올림픽 2020년 도쿄!!!!
東京に2020年のオリンピックはいらない!!!!


To All members of the IOC:Please NOT vote for Tokyo in the 2020 Olympic Bid!!!!


2012年8月6日20時30分(JST)くらいの追記:
問題のメッセージの URI が変更されてたので、変更後の URI へのリンクを張っておく。
・メッセージ(tokyo2020.jp)
・Message(tokyo2020.jp;英語版)
・Le message(tokyo2020.jp;フランス語版)

改めて見ると、日本語版の『メッセージ』の気持ち悪さが異常というかなんというか・・・(汗)
大きな日の丸の画像を見て胸やけを起こしたのは俺だけか?(謎)



2013年1月1日追記:
いつの間にか問題のメッセージが消えてたのでh、一部 URI を Web 魚拓のものに差し替えた。



おまけ:2020年夏季五輪招致委員会公式サイト TOP ページの画面メモ。
画像サイズが余りに大きいので、5つに分割した・・・。

・TOP ページの画面メモ(Part 1)

・TOP ページの画面メモ(Part 2)

・TOP ページの画面メモ(Part 3)

・TOP ページの画面メモ(Part 4)

・TOP ページの画面メモ(Part 5)

最初に TOP ページの日本語版文章を読んだとき、すわ新興宗教か と思ったのは内緒。


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