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スズメバチに出会ったら…。

2013-07-10 | 僕の散歩道
突然ですが、僕はこれまでに、スズメバチに刺されたことが3回ある。
こう言うと、「よく生きてましたね」などと言われる。
スズメバチは、確かに危険だ。近年、野外で死亡事故が最も多いのは、スズメバチであると記憶している。
でも、刺されて必ず死ぬわけではない、いやむしろ、死亡に至るのは極まれな例であると考えてよいだろう。
万が一刺されても、慌てないこと、気を沈めて、適切に対処すれば、ショック症状は出にくい。

7月10日。公園の樹林の中の樹液を覗いてみた。
いきなりスズメバチが飛び出し、僕をけん制するようにホバーリングした。


モンスズメバチ 2013-07-10 世田谷

こんな時は、動かないこと。
静かにたたずみ、スズメバチ様の怒りが収まるのを待つことだ。
「そんなことをしている間に攻撃されたらどうするの!」とよく言われる。しかし、刺されるのは、最初に飛立った瞬間が多い。ホバーリングして様子を見ているときは、警戒状態で、こちらが変な動きをしなければ、何事もなく戻ってゆく。

仕事で北海道に調査に行ったとき、白樺の樹液を覗きこんだら、突然スズメバチが飛び立った。そして僕の頭上でホバーリングしながら、大顎を合わせ「カチ、カチ、カチ」と警戒音を発するのだ。僕は、手にしていた補虫網で捕まえてしまおうかとも思ったのだが、万が一失敗したら間違えなく刺される。しかも樹液には、まだ2頭いる。逡巡した末に、僕は手にしていた網を自分で被った。

自然観察会などで、危ないシーズンには必ず言うことがある。
「もしもスズメバチが飛んできたら、みんな動かないでください。たとえ、自分の服に止まっても、決して手で払ったり、大きな声を出したり、逃げ出したりしないでください。それが一番危険です。もしも、払ってしまい、スズメバチが怒りだしたら、周りの人も危険です。払った本人が刺されるだけならともかく、周りの人も危険にさらしてします。ですから、スズメバチ様が飽きて飛び去るまで、じっとしていてください。」というものだ。
とは言っても、恐怖に耐え、じっとしているのは、相当の忍耐力を要する。時間も長く感じるが、たいがいは10秒くらいなものだ。30秒とは留まらない。

山の中に行かなければ関係ないと思う方が多いが、最近は、都会でもスズメバチが増えてきている。そして、都会ほうが危ないかもしれないと思わせる状況に出会ったことがある。
新宿の横断歩道で信号待ちしていたら、向かい側にスズメバチが飛んでいるのが見えた。そこに車が通り過ぎ、スズメバチが風圧で弾き飛ばされた。スズメバチは、怒りに狂い、周囲を不規則に飛び回った。もしもそこに人がいたら…。間違えなく刺されていただろう。
これからは、こんな危険にさらされる可能性がある事を知っておいてもらいた。

樹液だけではなく、ヤブガラシや、トウネズミモチの花などでも、スズメバトをよく見かける。近付く時は、ちょっと遠目からスズメバチ様を確認しよう。もしいらっしゃったなら…。 決して無理はしないように!