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『ゴックン!』 年末の川めぐり-1 カワセミ、キセキレイ、コサギ、ヒヨドリ

2013-12-31 | 僕の散歩道
いつの間にか年末になってしまった。
僕の上さんの実家はケーキ屋を営んでいるため、クリスマスは書き入れ時だ。今年も、上さんと次女が手伝いに行っている。ひとり残った僕は、年末に山を越えた仕事の整理と、家事をちょっとだけ…。
合間を縫って、いつもの散歩道を歩くことができた。ただし、今回は、チョウではなく鳥。陸鳥は、まだあまり見られないので、とりあえず川沿いの道を中心に歩きまわることにした。
自宅を出て、国分寺崖線を下ると、谷戸川、丸子川、仙川、野川が流れる。さらに足を伸ばせば、多摩川へも行ける。
今回は、このブログでも何回か紹介したカワセミやコガモを探しに、丸子川、仙川、野川を歩いてきた。

12月29日。まずはカワセミの姿を求めて、丸子川へ。この川沿い、あるいはこれに注ぐ谷戸川で再三その姿を見たのだが、いまでもまだいるだろうか…。

まず最初に目についたのがキセキレイ。谷戸川が注ぎ込む地点の小さな砂州上でじっとしていた。セキレイ類は、ちょこまか動き回るという印象が強いが、このキセキレイはじっとしている。僕の存在を認めてもくれていないのか、わずかに、振り返っただけだ。このポイント付近は、秋にカルガモが大集結していた場所だが、今は2頭しか見られない。日向ぼっこを邪魔されたとでも言うように、キビタキがやっと動き出した。


キセキレイ 2013-12-31 丸子川(世田谷)

次に姿を現したのが、ヒヨドリだ。
川の上に張り出した、イイギリの実をついばみにやってきていた。
おあつらえ向きの枝で一粒をつまみ取ると、あっという間にゴックンと飲み込み、さっと飛び去ってしまった。型落ちの僕のカメラの連写で、ほんの6枚の間の出来事だった。

  
イイギリの実を啄ばむヒヨドリ 2013-12-31 丸子川(世田谷)

見通しの悪い地点を過ぎると、突然コサギの姿が飛び込んできた。『近い!』 川の中で餌をとている。カメラを向けて、シャッターをきると、シャッター音に警戒したのか、姿勢を低く構えた。『やはり近いよなこの距離は…』と思っていると、ふわっと舞い上がったコサギが、なんと僕に向かって飛んでくるではないか。そして、僕の頭上の電線に止まってしまった。カメラを向けたが、近過ぎて全身を入れることはできない。人間で言ったらちょうどバスとショットといったところだろうか。

 
コサギ 採餌中(左)と、僕の頭上の電線に止まったところ(右) 2013-12-31 丸子川(世田谷)

さて、カワセミである…。
これまでによく見たポイントでは、見付けることができなかった。あきらめて、先へ進むと、突然鳴き声が聞こえた。これまでの確認地点より上流側に約500mほどの地点、かなり開けた場所の、サクラの小枝に止まっていた。僕が近づこうとすると、川沿いの道を、自転車が向かってくる。飛び立つのではないかと冷や冷やしたが、カワセミは我関せずといった感じだ。


桜の枝にとまるカワセミ 2013-12-29 丸子川(世田谷)

しばらく観察できたのだが、その後仙川の方まで飛んで行ってしまった。後で確認に行くと、堤防に取り付けられたコの字型の梯子に止まっているのが見えた。
仙川も行動範囲なのかと思ったのだが、後でパソコンの画面で確認すると、これは今までに見た個体とちょっと違うように見える。同じメスではあるが、下嘴のオレンジ部分が少な。さらに、胸がやや白っぽい。
これまでの確認個体をみると…。

 
カワセミ 左2013-10-08 丸子川 右2013-11-13 谷戸川

どうだろう…。ちょっと違う個体のような気がする…。
解明するのは、かなり難しそうだ。カワセミは仙川を上流に向かって飛び去ってしまった。「追跡は無理かな…。」というわけで、カワセミは一旦諦めて、今日は野川まで足を伸ばしてみることにした。

《つづく》



 

皇居桜田濠のヨシガモとオカヨシガモ 

2013-12-27 | フィールドノート(その他)
明日は、一眼のカメラを持って行こうと考えていたのだが…。天気が怪しい。
次のログで、さらに美しいヨシガモの写真を乗せられれば良いのだが…。


前回のログの最後の一節だ。学生と一緒に、「皇居一周カモカウント」と言う実習をやる前日のものだ。そして、その結果は…。
残念ながら、最悪の状況になってしまった。カウントを開始した頃はまだ曇り空だったが、ほどなく雨が降り始め、それが霰(あられ)へと変わったのだ。
気温は4℃。しかも風速は10mはあっただろう。強風にあおられ、傘を1本ダメにした。体感温度はかなり低い。
僕はある程度気温が下がることを予測していたが、学生の中には薄着のものもいた。「フィールドをなめるんじゃない。寒いぐらいで、調査はやめられない。」と叱咤したが、内心『だいじょうぶかな…。』と不安が過ぎる。

なんとかカウントは終了させたものの、個体数はずいぶん少ない結果となった。カウントは、いずれ再チャレンジしてみたいと思う。そんな訳で、ヨシガモの写真など取れる状況ではなかった。しかし、なんとか撮りたい…。

その機会はすぐに訪れた。12月25日。日比谷公園まで行く用事が出来たのだ。いや、無理やり作ったというのが真実かもしれない。少し早めに出れば、十分見てこられる位置だ。僕は2時間ほど早く家を出て、前回たくさんのカモが確認できた桜田濠りへと向かった。
水底が見られるところも出出た週間。「やったー」と思った。かなりたくさんのカモが居たのだ。ざっと200頭ほどが集まっていた。
桜田濠は濠が深いため、カモまでの距離は遠いいのだが、長いレンズを付けた一眼カメラでなんとか捕らえることができた。まずはお目当てのヨシガモを狙う。


ヨシガモ♂ 2013-12-25 皇居桜田濠

ヨシガモ以外にも、ハシビロガモ、ヒドリガモ、オオバン、カイツブリ、そしてオカヨシガモがいた。実は僕は、このオカヨシガモが好きなのだ。一見地味なのだが、何というかエレガンスな印象を受ける。僕は、チョウなども、南方系のキラキラのチョウより、北方系のしっとりしたチョウが好きなのだ。基本的に北方指向なのだと思っている。


オカヨシガモ♂ 2013-12-25 皇居桜田濠 次の写真も同所

オカヨシガモ♂(右上)、♀(右下)、オオバン(左上)、ヒドリガモ♀(左下)

写真を撮っていて気が付いた。ヨシガモの頭にピントを合わせようとすると、オートフォーカスがうまく作動していない感じがする。
微妙にフォーカスが動き、なんとなくピンが外れるようなのだ。30年前のマニュアルレンズに、オートフォーカスのアダプターを付け、中古で買ったすでに製造停止になったボディーを使って撮っているためかもしれないのだが…。
ハシビロガモでも同じようなことが起こる。これはひょっとすると、あのキンキラの色が原因ではないかと思うのだ。実際、ヨシガモの頭の色は、光の当たり具合で色合いが変わる。その反射が、オートフォーカスを惑わすのだろうか…?


ヨシガモ 光の当たり具合でい輝きが変わる(構造色) 2013-12-25 皇居桜田濠

思い出したことがある。若かりし頃、ある観察会で、カモぬり絵と言う企画を実施したことがある。その時に、コガモの目の周りを黒く塗っている子どもがいたのだ。「あれーなんで黒く塗っちゃたんだ…。」と僕。「だって、黒いよ!」と子ども。
僕は衝撃を受けた。


コガモ 2013-05-04 世田谷

コガモの頭の色は、茶色と緑と思っていた。おそらく日本で最も普及しているであろう野鳥の図鑑「フィールドガイド日本の野鳥」(日本野鳥の会)のコガモの項にも《雄の頭部は栗色と緑。体は灰色で…》と記されている。しかし、コガモの緑色と表現される部分も、光の当たり具合で色彩が変化する。実際、上に示した写真も、緑と言うよりは青に近い。
観察会の時、子どもの目には確かに黒く見えていたのだろう。もし僕が同じ教材を手にしていたら、中途半端な知識がフィルターを掛け、黒に見えても緑に塗ってしまっただろう。いや、ひょっとすると、黒そのものが見えなかったかもしれない。

皇居のお濠は結構楽しい。2~3時間あれば、カモを見ながらでも十分一周できる。途中で天気が悪くなれば、近隣の飲食店や、地下鉄の構内など、逃げ込める場所も沢山ある。もちろん、カウント中でなければの話だが…。








皇居一周カモウォッチング

2013-12-19 | フィールドノート(その他)
更新の無い間も、多くの方にフォローしていただき。ありがとうございます。まずはお礼申し上げます。
予想以上のフォローの多さが、嬉しくもあり、更新しなくてはというプレッシャーでもあり、複雑な2週間半を送りました。僕の仕事は、納期が年度末と言う役所の仕事がほとんどのため、今後も、忙しくなり、更新があまりできなくなる事があるかもしれませんが、ご容赦ください。


久しぶりにログを書く。
突然小笠原に行くことになり、その直前に更新したのが12月1日。それから2週間半も開いてしまった…。今週の頭で、大きな山を越え、仕事が一息つける状況になった。これで、やっとブログにも手を付けることができた。
実は、小笠原に行っている間に更新をしようと思っていたのだが、なんと、パソコンの電源ケーブルを忘れてしまった。しかも、本体内のバッテリーは50%ほどしかないという状況になり、ログの更新は諦めた。その後向こうの友人を通じて、ケーブルを借りることはできたのだが、時すでに遅し、心のバッテリーが空になってしまったようだ。

さて、言い訳はこれくらいにして、今日の話題は、皇居のカモ。
実は、明日、学生の実習で、皇居一周カモカウントを実施する。皇居の周りを約3時間かけて一周し、出現したカモやその他の水鳥をカウントするというものだ。学生を数人ずつ6チームに分け、それぞれ設定された6ヶ所のスタートポイントから出発する。つまり、同じ場所を、約30置きに6回カウントすることになる。

それに先立ち、下見を、一昨日(12月17日)してきた。13種275個体が確認できた。
このデータは、整理して、いずれ紹介しようと思っている。概要としては、オオバン、ヨシガモ、ハシビロガモ、ヨシガモが多く、13種275個体が確認できた。さらに出現場所にかなりの偏りがあることが分かった。また、おもしろかったのは、コガモ、マガモ、オナガガモが一個体も見つからなかったことだ。

皇居の堀は、東側環す面が近く、西側、北川は、堀が深く水面までが遠い。この東側の堀端の道を歩いていると、鳥たちが寄ってくる。ちょっと立ち止まると、鳥もこちらを見ている。、目が合うと、餌をもらえると思って、鳥たちがすぐに近づいてくる。カモだけでなく、コブハクチョウもいて、その大きな姿がスーッと近付いてくると、ちょっとドキドキする。すぐ足もとまで来たので覗きこんでみると、そこには、堀の縁からロープがぶら下がっていた。その先には木の箱が付いていた。コブハクチョウは、その箱の縁やロープを咥えて、引っ張り出したのだ。

 
ロープを引っ張るコブハクチョウ 2013-12-17 皇居(大手壕)

この箱はハクチョウの餌を入れるためのものなのだろう。たまたま僕がロープの前に立ち止まったので、餌をくれるのだろうと思い、近付いてきたようだ。しかし、一向に餌を入れてくれないので、早くよこせと、ロープを引っ張って、請求しているということなのだろう。
ついでにキンクロハジロも、おこぼれの餌をもらているようで、同じように近づいてきた。

もっと図々しいのがユリカモメ、こちらは、僕が立ち止まると、すぐ脇の手すりに舞い降りてきた。手を伸ばせば届くような位置だ。そして、すぐさま2頭目、3頭目が…。

  
手の届くような位置に舞い降りてきたユリカモメ 2013-12-17 皇居(馬場先壕)

桜田壕には、オオバン、ヨシガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモがいた。こちらは、堀脇の道から水面場で20m位の高低差があり、さらに堀幅も広いことから、しっかりした光学機器が無いと楽しめない。この日は、下見のため、コンパクトカメラしかもっていなかったので、あまりきれいには撮れなかったが、なんとかヨシガモの美しい姿を収めることができた。ハクチョウやカモメのように、近くでしっかり見ることはできないのだが、やはりヨシガモの方が美しく感じてしまうのは、僕のひいき目なのだろうか、それとも、物理的、心理的距離がそうさせているのか…。


ヨシガモ 光の当たり具合で頭部の輝きが変わる 2013-12-17 皇居(桜田壕)

明日は、一眼のカメラを持って行こうと考えていたのだが…。天気が怪しい。
次のログで、さらに美しいヨシガモの写真を乗せられれば良いのだが…。


荒川河口にネッタイチョウ現る?

2013-12-01 | フィールドノート(その他)
「荒川河口でネッタイチョウを発見しちゃた!」友人に話した一言。
カメラのモニターを見せると、最近老眼の進んだ友人が、体を反らせて「うーん・・・。」
まあ、単なるジョーク。正しく言うと、ネッタイチョウのような長い尾をもった鳥を見つけたということなのだ。
その写真がこれ。


ネッタイチョウのような長い尾を付けた謎の鳥 2013-11-14 葛西橋(江東区)

このところ忙しかったため、データや写真の整理を怠っていた。今日は、朝一番でその整理をして、その後あと一歩というところまで来た仕事の続きをして、合間を縫って、関東大学対抗戦グループの早明戦を見ると決めている。実は僕は、大のラグビー、サッカーファン。もうアラ環の年なのだが、昨日もフットサルに参加してきた。

話をもどそう。この写真の話題、ちょっと古い話なのだが、写真を整理していると、11月14日 葛西橋というフォルダーがあった。中には、ただ一枚の写真。見た途端に、「そうだブログにアップしておこう」と思い。急きょ書き始めた。それがこのログなのだ。

その日、週に一度講義に通っている、葛西にある専門学校の帰り道だった。仕事をお願いしている友人に会うため、隣りの南砂町まで歩いて移動していた。荒川を跨ぐ葛西橋を渡り終える直前、河原から鳥の群れが飛び出したのだ。多少でも鳥のことを知っている人ならば、即座にこれがドバトであることはわかるだろう。ただ、その中の1頭が、何やら長い紐のようなものをはためかせながら飛んでいる。僕は即座に、図鑑の上でしか知らない[ネッタイチョウ]を連想した。
慌ててザックからコンパクトカメラを取り出し、なんとか一枚撮ったのがこの写真だ。
低倍率のズームで、さらに白い雲がバックのため、鳥の姿がよく分からない。無理の無い程度に明るさを調整し、トリミングしたのがこの写真だ。


脚に長い紐を付けたドバト 2013-11-14 葛西橋(江東区)

どうやら、長い扁平なひもを、脚に絡ませてしまったようだ。
いろいろな意味で、人間の罪深さを感じさせられた。
勝手に日本に持ち込まれ、ある時は平和の象徴に祭り上げられ、公園や、神社で餌をもらう。またある時は、糞が汚いからと止まりやすそうな場所に針状のハト避け器具やネットが張られ追いやられる。そして、いつの間にか、紐を引きずりながらの生活を強いられる。
人間の都合の良い時だけでハトと付き合っている人々が、こんなハトの境遇をどこまで知っているのだろう…。